世界一幸せなトレーナーとエアグルーヴ   作:たわけ

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春は出会いの季節

ちびs「おにはーそと!ふくはーうち!」ポイポイ

 

なんてかわいらしい掛け声と共に、まったく可愛くないパワーで大豆を投げられたのも2月前のこと

 

 

マイ「おとうさま!」

結翔「とーさん」

シップ「ぱぱ」

『あなた』

 

「『お誕生日おめでとう!』」

 

 

とっても幸せな誕生日を過ごしたのも2月前

 

 

これから我が家のウマ娘ちゃんたちのお誕生日ラッシュ、といった春風の気持ち良い4月のタイミングで妻の実家に遊びに行くことになっていた

 

 

『忘れものはないか?』

「大丈夫だよ」

 

「じゃあ、出発しようか」

 

家族みんなで愛車に乗り込み20分程かけて目的地までの道程を行く

 

移動中の車内は賑やかなもので、みんなでお話したり、歌を歌ったりでみんなテンションMAXだ

 

寮の部屋替えの季節でもあるためリンちゃんも帰省している、そしてカーリーちゃんはこの春に無事トレセン学園を卒業し、しばらくは実家のスクールで働くらしい

 

子どもたちは2人と遊べることが何より楽しみなようだ

 

 

 

「よーし、ついたぞー!」

『お疲れさまだな、あなた』

 

「サンキュ」

 

「マイ、ピンポン押してきてごらん」

マイ「はーい!」

 

 

ピーンポーンピーンポーン

 

お母様「はーい、いらっしゃい」

マイ「こんにちは!」

お母様「こんにちは」

お母様「さっ、あがってあがって」

 

すっかり見慣れた玄関に足を踏み入れると見慣れない靴が

お義父さんのものだろうか、それとも来客が?

 

そんなことを考えていると我が家のヤンチャウマ娘が颯爽と靴を脱ぎ捨ててリビングにダッシュ

 

『こら!シップ!靴を脱ぎ散らかすな!』

 

女帝のお説教が轟くも娘は関係ないと言わんばかりに進んでいく

 

我々も続くようにリビングにあがると

 

シップ「おじさんだあれ?ねえねえ、しっぷといっしょにあそぼ!!」グイグイ

 

お父様「こらこら、シップちゃん、ダメだぞ」

 

珍しくお義父さんからのお叱りの声が聞こえたかと思うと目の前には衝撃的な光景が広がっている

 

スーツを着て正座をしている男性に娘がちょっかいを出しに行っているではないか

 

「え?ちょ、シップ!ダメだろ!?」

「すみません娘がご迷惑を…」

 

??「い、いえ…」

 

「「!?」」

 

「なっ!え?お前…どうしてここに?」

??「四宮さんこそ…」

 

お父様「なんだ、2人は知り合いだったのか」

 

「まあ、一応…職場は一緒ですから」

 

『?どういった間柄で?』

 

??「御挨拶が遅れてしまい申し訳ありません」

??「私、カーリーパッションさんのトレーナーを勤めさせていただいておりまして…四宮さんの部下にあたります…高城雅哉と申します」

 

「それで今日は何を?」

 

雅哉「実は、その、ご挨拶に…結婚の」

 

「?」

 

『あぁ、あなたが例の…』

 

「?」

 

??「私…カーリーさんとご結婚させていただくことになりまして」

 

「?」

 

「へ?」

 

「??」

 

「???」

 

「結婚!?カーリーちゃんが!?ホントに!?初耳だが!?」

 

カーリー「えへへ///実はね…」

 

『前に少し相談を受けてな、彼がそうなのだろう?』

 

カーリー「うん///」

 

リン「お兄ちゃん増えちゃったなぁ…なんて呼ぼうかな」

 

どうやらこの場で混乱しているのは俺だけのようで子どもたちは大好きな叔母のもとへ甘えに行っているし、妻も荷物の整理をとうにすませて席についていた

 

 

お父様「さて、話も終わったことだし楽にしてくれ」

 

雅哉「は、はい」

 

お母様「お昼はもう食べてきたんでしょ?」

『ええ』

 

お母様「雅哉くんがケーキ持ってきてくれたのよ、一緒にいただきましょう♪」

 

マイ「けーき!」ブンブン

 

シップ「あっ!おじさんぱぱとおそろいだー!」

 

「ん?」

 

なぜかすっかり人の膝の上に腰を落ち着けている娘が彼のスーツのトレーナーバッジを見て言う

 

「あぁ、パパとおんなじお仕事をしているからな」

 

お母様「ケーキ切れたわよー」

 

『先にショパンにご飯をあげてくる』

 

「ん、行ってらっしゃい」

 

お母様「ねえねえ、職場での春翔くんってどんな感じなのかしら?エアグルーヴの惚気でしか聞いたことないのよぉ」

 

リン「うーん、でもお兄ちゃんってあんま見かけないよね、トレセンだと」

 

雅哉「確かにあまり目にしませんね」

雅哉「会うときといえば会議と年末年始の忘年会、たまにふらっとグラウンドに現れるくらいですからね」

 

「今はショパンがいるし仕事セーブしてるからな」

「5月から本格的に復帰するつもりだ」

 

リン「でもいっつも難しそうな顔してるよね」

カーリー「それかスマホ眺めてニヤニヤしてる」

 

『いったい何をしているんだあなたは…』

 

「早く帰りたいなーって思ってるか、エアとちびたちの写真見て癒されてる」

 

『仕事をしろ!たわけ!』

 

「やだなぁ、ちゃんと働いてるよ」

 

結局歓談をしながらも時間は過ぎていき

 

お母様「お風呂沸いたわよ、雅哉くんお先にどうぞ」

 

雅哉「え?いえ、自分は」

 

お父様「?泊まって行くんだろう?」

 

雅哉「い、いえ…」

 

お母様「良いじゃない泊まって行きなさいな、着替えならお父さんや春翔くんのがあるし問題ないでしょ?」

 

雅哉「では…お言葉に甘えて……」

 

スタスタ

 

 

お父様「それで、雅哉くんはどうなんだ?職場で」

 

「俺も普段あんまり気にして見てないですけど」

「知る限りは見た目通り大人しくて、トレーナーとしてはまだまだ経験不足で不器用だけど研究熱心って感じですかね」

「俺とか他のG1トレーナーにも話聞きに行ったりとかしてるのは結構見かけます」

 

『なんにせよ、おめでたい話に変わりはないな』

 

「そりゃそうだけどさ?なんかちょっと寂しいってか、子どもたちトレセンに入学させたくないなーって」

 

『たわけ、なぜあなたが寂しがるんだ』

『それと子どもたちの進路は自分たちで決めさせるからな』

 

「ホントにトレセン学園って婚活会場だな…」

 

『…それを担当と結婚したあなたが言うのか…?』

 

『そもそも誰が結婚しようと良いだろう?あなたには私がいるんだ』

 

「はー、好き、エアちゃんもっかい結婚しよ」

 

『生憎既婚者でな、それには答えられんぞ』

 

「いやはや、旦那が羨ましい限りで」

 

『ふんっ、鏡でも見てこい』

 

リン「仲良しだね……いつまでも…私たちのこと忘れてない?」

 

お母様「これからカーリーも結婚だしね」

 

リン「え?じゃあ私ひとりで放置されるの?惚気を浴びせ続けられて?」

 

リン「え?」

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