世界一幸せなトレーナーとエアグルーヴ   作:たわけ

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仕事をしたくないたわけとしてほしいママグルーヴ

「やだよぉぉおお!しごといきたくないー!!」ジタバタ

 

『うるさい!早く起きんか!!』グイグイ

 

「むりだよぉ!」ジタバタ

 

 

 

失礼、なぜ朝からこんな醜態を晒しているのかと言えば当然訳がある

別にエアちゃんと幼児退行プレイをたいとかそういうんじゃない

ゴールデンウィークを終えてしまった俺は今日から仕事に完全復帰

 

つまるところ妻子と離ればなれになった挙げ句の果てに労働までするなんて気に食わないのだ

 

だからなんの意味もない恥ずかしいだけの行為だと知りながら無駄な抵抗をして見せる

 

 

「あぁ…お布団がぁ…」

 

『ふんっ、さっさと顔を洗ってリビングに来い』

『アドマイヤはもう自分で準備ができたぞ』

 

 

どうやら俺は幼児にも敗北したようだ

 

 

これ以上は本当に女帝の雷が落ちてしまうため大人しく妻に従い出勤の準備をする

 

歯を磨き顔も洗って髭も剃り残しのないように、髪もワックスを使って丁寧にセットすれば愛しの家族が待つリビングへ

 

 

スタスタ

 

「おはよー」

 

結翔「とーさんおそい!」

 

「ごめんって、お腹減っちゃったか?」ナデナデ

 

「ちゃんと準備できて偉いなぁマイ」ナデナデ

 

シップ「ぱぱ!しっぷもままのおてつだいした!」ブンブン

 

「そうなのか?ありがとうな」ナデナデ

 

シップ「へへへ~」ピコピコ

 

『ほら、早く食べねば遅れてしまうぞ』

 

「おっと…いただきます」

 

 

 

 

ごちそうさまでした!

 

 

 

「あー…いきたくなーい」

 

『早く行って早く帰ってこい…寂しいのは私も同じだぞ?』

 

「!」

「ちゅーしていい?いーよね」チュッ

 

『なっ!?子どもたちの前だぞ…///』ブンブン

 

「ごめん、可愛くて我慢できなかったんだよ」

 

『は、早く行かんか!!///』

『私だってアドマイヤを送らねばならないのだぞ!』

 

 

「いってきまーす」

 

ちびs「いってらっしゃーい!」

 

シップ「ぱぱがんばれー!」

 

「!」

「パパ頑張る!スッゴク頑張る!すぐ帰ってくるからー!!!」ダッ

 

 

『まったく…さっ、私たちも行くぞ』

 

 

 

[newpage]

 

とりあえず車に乗り込んでEmpress GameをBluetoothでかけることでテンションをあげる

 

徐々に徐々に職場に近づくに連れて絶望感と諦めが俺を支配していくが、大切な家族のためだしっかり働くしかあるまい

 

 

職員用の駐車場に車を停め、伸びをしながら理事長室に足を運ぶ

 

理事長と緑の悪魔から本日からの業務の指示を受けてトレーナー室に足を運ぶ

 

今まで休養していた分、多くのウマ娘を育成するつもりのためトレーナー室は広くなった

 

まずやらなくてはならないこと…それは部屋の掃除だ

いつもはすっかり妻に任せっきりのためどこから手をつけたら良いものか…とにかく拭き掃除だな

 

パッと見ではそれほど大変な汚れかたはしていないため机や棚を水拭きして最後に軽く床も拭くことにした

もちろん換気も忘れてはならない

 

掃除と物の整理、機材の配線なんかを済ませ、休憩がてら本日の模擬レース出走者を確認していると

 

 

コンコンコン

 

 

「どうぞー」

 

たづな「失礼します」

 

「たづなさん」

 

たづな「実は先ほどお伝えし忘れていたことがありまして」

 

「なんですか?」

 

たづな「本日からは四宮トレーナーにもサブトレーナーをつけて新人育成をお願いしたく」

 

「はぁ」

 

それで机が余分にあったのか

 

たづな「四宮トレーナーには2人の新人をお願いしますね、入ってきてください」

 

新人A.B「失礼いたします!」

 

 

元気の良い挨拶と共に入室してきたのはいかにもフレッシュな男女

 

 

A「本日からお世話になります!Aと申します!!よろしくお願い致します!!」ペコッ

 

B「私も同じくお世話になりますBと申します。1年間よろしくお願い致します。」ペコッ

 

かなり気合いの入っているA(男性)と緊張で大変なことになっているB(女性)

 

「はい」

「私がお二人を担当させていただく四宮春翔と申します。こちらこそよろしくお願いします。」ペコッ

 

たづな「教育方針についてはそれぞれのトレーナーさんにお任せしていますが1年間で独り立ちできるようよろしくお願いしますね。それとお仕事中については基本的に一緒に行動するようにしてください」

 

AB「はい!」

 

「了解です」

 

たづな「それでは失礼しますね」

 

ガラララ

 

「…とりあえず席決めるか」

 

AB「はい!」

 

「そんなに緊張しなくていいよ」

 

「俺としては配線と話し合いの都合上向かい合う形にしたいんだけどさ、どこが良い?」

 

A「では…ここで」

B「私はこっちで」

 

「ん、じゃあ荷物とかは自分で持ってきて管理してね、机は鍵とかもあるから」

「んで、これがこの部屋の鍵な」

 

AB「ありがとうございます!」

 

「それから…まあ仕事のことはやりながらはなそうぜ」

「今日のスケジュールだけ共有しとくわ」

 

「これから…設備とか資料についての案内をする…んで午後から模擬レースとスカウトやりたいからそれまではウマ娘ちゃんたちの資料だけ目を通しておいて目星をつけておくこと…そのあとは昼飯かな」

「午後は模擬レースとスカウトしたい子いたらスカウトもする…終わったらミーティングして解散」

 

「なんか質問あるか?」

 

AB「大丈夫です!」

 

「じゃあ…この部屋の説明からだな…」

 

 

そうして諸々のスケジュールをこなしていると

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

「ん、昼休憩だな」

「俺はトレーナー室で食べるからお前たちは好きにしてて良いぞ。カフェテリアとかコンビニで買うとか外で食ってくるとか」

 

B「私はお弁当なので…」

A「俺も今朝買ってきたんで」

 

「んじゃトレーナー室で食うか」

 

 

 

B「!すごい美味しそうですね!彩りも良くて…ご自分で作られたんですか?」

 

「いや、妻の手作り」

 

A「ほえー愛妻弁当ですか…いいなぁ」

 

B「奥さんどんな方なんですか?」

 

「んー、お前らもこの業界にいるなら知ってるんじゃね?エアグルーヴだよ」

 

A「えっ!!じゃあやっぱり四宮さんってエアグルーヴのトレーナーだった…」

 

「おう」

 

A「ははっ!すげぇ、どうしようスゴい嬉しい!オレ実はエアグルーヴの天皇賞見てトレーナーになろうって思ったんですよ!そのトレーナーに指導してもらえるなんて…!」

 

「なかなか見る目あんじゃん…やらねぇぞ?」

 

A「まさか」

 

B「エアグルーヴさんが…おうちではどんな感じなんですか?現役時代は結構厳しそうというか…」

 

「あー、まあそうかも」

「基本はすっげえ優しくて甘えたなんだけどさ、」

 

A「あのエアグルーヴに甘えてもらえるんすか!?」

 

「俺だけの特権な?」

 

「けど厳しいときは厳しいぞ…今朝もお叱りの声で起こされた」

 

B「朝弱いんですか?」

 

「そんなこともないけど仕事行きたくなくて」

「ほら、最近まで育休で仕事セーブしててさ、子どもたちとかエアと離れるの嫌で」

 

A「お子さんいるんすね」

 

「うん4人」

「うち3人ウマ娘な…息子が心配だよ」

 

B「おいくつなんですか?」

 

「上から…6才、3才、2才、1才」

 

B「上だけ離れてるんですね」

 

「はじめての子だったからな」

 

A「写真とかないんすか?」

 

「あるよ……ほら」

 

AB「かわいいー!!」

 

B「っていうかエアグルーヴさん全然お変わりないんですね」

 

「まあそうかもな」

 

 

「さてと……そろそろ仕事再開しますかね」

 

 

 

結局そのあとは模擬レースを見ながら新人たちを指導し、ミーティングをして終わった

 

 

やっと妻子に会える…どんな風に出迎えてくれるのだろうか、期待に胸を踊らせて帰路に着く

 

 

 

[newpage]

 

 

ガチャ

 

 

「ただいまー」

 

バタバタバタ

 

ちびs「おかえりー!!」ギュー

 

「うおっと!ははっ、ただいま」ナデナデ

 

『危ないから飛び付くなよ』

『お帰りなさいあなた』

 

「ただいま」チュッ

 

『夕飯はもう少しかかりそうなんだ、先に風呂でも良いか?』

 

「もちろん」

 

 

 

家族水入らずで楽しい入浴時間を過ごし

 

 

 

「エーアちゃん、ビール飲んでいいー?」

 

『まったく…1本だけだぞ』

 

「やった!」

 

『ほら、夕飯ができたぞ』

 

 

いただきまーす!!

 

 

『仕事はどうだったんだ?』

 

「聞いてよー!」

「なんかさ、急に新人の面倒見てくれって言われちゃってね、1年間サブトレーナー2人の指導もしなきゃなんだよ…自分の仕事で手一杯だってのに!」

 

『それだけ能力が認められ、頼られてる証だろう?』

 

「そりゃそうかもだけどさ?でも大変なものは大変だよ…もう丸投げしちゃおっかな…」

 

『たわけ』

 

「そういやさ、その新人の1人がエアの秋天見てトレーナー目指したんだと」

 

『それは…嬉しいものだな』

『現役を退いてもなお理想を示し続けられるとは』

 

「さっすが俺のエアちゃんって感じだ」

 

ちびs「?」

 

「ママはスゴいなって話だよ」ナデナデ

 

シップ「むぅ~、しっぷもすごくなるもん!!」

 

「ははっ、うん、お前たちならなれるさ」

「楽しみだなぁ成長が…あっ!でもあんまり急がなくて良いからな!?ゆっくり!ゆっくりで!!」

 

『何を焦っているんだたわけ』

 

「いや、だって!子どもたちに反抗期が来たらどうしようかと!」

「それ以前に、もっと長い間一緒にいたいしさ?」

 

『はぁ…お前たちも前途多難だな』

『安心しろ…いざとなったら私が助けてやる』

 

「なんだよその言い方!」ムスッ

 

『あなたが子どもたちに入れ込みすぎなければ良いだけの話だ』

 

「無茶言うなよ…大事な大事な子どもたちなんだぞ?」

 

『それは私とて同じさ』

『思えばこそ…可能性を潰すようなことはしたくない』

 

「はぁ…なんでこう…楽しみと寂しさとが一緒に来るかなぁ…」

 

『仕方ない…それが子育てなのだろう』

 

 

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