マイ「おかあさまおかあさま!」
『なんだ?』
明日の夫の弁当の準備をしていると長女が言ってきた
マイ「おとうさまのおべんとーつくるの?」
『そうだぞ』
マイ「まいもおてつだいする!」
『それは構わないが…』
なぜ突然そんなことを言ってきたのか
マイ「あのね、おとうさまいっつもおしごとがんばってるからおれーしたいの!」
『そうか…では一緒に作ろう』
成長にあわせて新調したお揃いのエプロンをマイに身に付けて手を洗わせる
テクテクテク
シップ「おねーちゃんなにするの?」
マイ「おとうさまにおべんとーつくるの!」
シップ「しっぷもやる!」
…シップが料理
考えるだけでも恐ろしいが、ものは試しだ
何事も経験させてやらねば
がんばってくれよ…あなた…
『さて…メニューはどうしたものか…』
子どもたちに手伝わせるからには安全かつ簡単なレシピにしなくては
結翔はショパンと仲良く絵本を読んでいる
大人しくしているうちに済ませたいな
『まずは玉子焼きだな』
『アドマイヤ、ここに卵を2つ割ってくれ』
マイ「はーい!」
コンコンコン
パカッ
『よし…上手だな』ニコニコ
マイ「えへへ、やったぁ!」ブンブン
シップ「まま!しっぷは!?」
『まてまて、シップはこれからだ』
アドマイヤが割ってくれた卵に調味料を入れて小さな泡立て器も添えてシップに渡す
『シップ、優しくまぜまぜするぞやさしくな?』
ボウルをひっくり返してしまわないように押さえてやる
シップ「まぜ…まぜ…まぜまぜ…おいしくなーれ…おいしくなーれ…」マセマゼ
『ふふっ、きっと美味しくなるさ』ニコニコ
野菜は朝採れたものを入れたいな…となるとメインは作り置きしてあるミニハンバーグがあるが…
『から揚げにするか』
カットし小分けに保存してある鶏モモ肉をジップロックに入れ少量のニンニク、ショウガ、酒、醤油を計量しておく
『シップ、これらを袋の中に入れてくれ』
シップ「どーん!じゃー…ざぶーん!」
絶対に効果音が不適切だがまあいい
今度はジップロックの空気を抜いてチャックを閉じ、アドマイヤに預ける
『これをもみもみしてくれ』
マイ「もみもみ~♪もみもみ~♪」ブンブン
楽しそうだな
こういうところはお母様に似ていると感じる
マイ「できたよ!」ブンブン
『2人ともありがとう』
『後はお母さんがやるからな、明日の朝にまたお手伝いしてくれ』
ちびs「うん!」
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翌朝
マイ「んー…」テクテク
シップ「ねむい…」テクテク
『ん?おはよう2人とも』
ちびs「おはよ~…」ショボショボ
『眠そうだな』
『まずは顔でも洗ってすっきりするぞ』
頑張って起きてきたは良いもののまだまだ眠くてぼんやりしている娘たちに朝の支度を促して一足早く準備を開始する
娘たちでも簡単にお手伝い出来るように弁当箱にはおかずのみを詰め込み、主食はおにぎりにする
『具は…鮭とツナマヨだな』
焼き鮭の身をほぐし、ツナマヨの材料をボウルにいれておく
シップ「まま!もどってきた!」
『あぁ、おかえり』
『早速だがおにぎりを作ろう』
『シップはツナマヨをまぜまぜしてくれ』
シップ「まぜまぜ…まぜまぜ…」マゼマゼ
シップ「できた!」
『ありがとう、では2人とも手を洗おうな』
マイ「洗ったよ!」
『よし、おにぎりを握るぞ』
小さなおててを出してきた娘、その両手に薄く塩と白米を乗せて伸ばしていく
もちろん触っても熱くないように冷ましてある
『アドマイヤはツナマヨ、シップは鮭だな』
『にぎにぎしていいぞ』
マイ「にぎにぎ…」ニギニギ
シップ「おいしくなーれ…おいしくなーれ…」ニギニギ
『うん、2人とも上手だな』
形は少し歪だが、ぐちゃぐちゃにはなっていない
出来たおにぎりをラップに包み、お弁当箱の方へ
『お野菜を取りに行くぞ』
アドマイヤの好物のトマトもたくさん成っているはずだ
庭の菜園に行くと立派に育った瑞々しい野菜たち
うむ、今日も美味しそうだな
『収穫するぞ』
マイ「まいとまとがいい!」
『ふふっ、ではトマトも獲るか』
『ハサミの扱いは気を付けろよ』
マイ「はーい!」ピコピコ
シップ「しっぷはきゅーりがいい!」
『じゃあ…この立派なのを獲るぞ』
そのまま幾つか野菜を収穫して水やりも済ませた
キッチンに戻れば手を洗わせて、遂に弁当箱に詰めるプロセスだ
『さっ、美味しそうに盛り付けてくれ』
弁当箱に入れる予定の物をずらりと並べて子どもたちに詰めてもらう
隙間なんかは後で私が埋めてやれば良い
マイ「からあげは…ここ!」
シップ「たまごやき!これしっぷがつくったやつ?」
『そうだぞ、お前たちが作ってくれたからあげと玉子焼きだ』
シップ「へへへ…たまごはここ!」
『よし、美味しそうにできたな』ナデナデ
『後は包んで、一緒にお父さんに渡そうな』
シップ「うん!」ブンブン
マイ「あっ!」
『どうした?』
マイ「おかあさま、ちょっとまってて!」
『?』
マイ「しっぷいくよ!」グイグイ
シップ「なぁに?」テクテク
いったい何をしているんだ?
おもちゃ箱を探っているようだが…
マイ「こうして…こうして…できた!」
シップ「できたー!」ブンブン
何なんだ?
マイ「おまたせおかあさま」
『何をしていたんだ?』
シップ「ひみつ!」
シップ「これもおべんとーいれるの!」
差し出されたのは小さく折り畳まれたおえかき帳
『それは構わないが…』
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8時頃
「それじゃあ…そろそろ行くわ」
『!あぁ』
マイ「おとうさま!」
「うん?」
シップ「あげる!おべんとー」
「おっ、ありがとうな」ナデナデ
『よく味わって食べるのだぞ?』
「わかってるって」
「行ってきまーす!」
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昼休み
A「今日も愛妻弁当っすか?いいなぁ」
「やらねーぞ」
「!」
弁当を包んでいるバンダナを解くと折り畳まれたおえかき帳
開くと
「っ!」
おしごとがんばって!
ぱぱだいすき♡
の文字とデフォルメされたマイ、シップ、エアのイラスト
弁当箱を空けると色とりどりのおかずに、一緒に包まれていた少し形の崩れたおにぎり
「幸せすぎる…!」
B「どうしたんですか?」
「今日は子どもたちも一緒に作ってくれたみたいでな」
「どうしよう…食べるべき?保存したい」
A「残したりしたらそれこそ奥さんに怒られますよ」
「だよなぁ…味わって食えって言われたばっかだし……あぁー…」