世界一幸せなトレーナーとエアグルーヴ   作:たわけ

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エア『今年は暑いな…』たわけ「俺たちの愛がな!」

ジー

 

 

ムシムシムシ

 

 

 

 

 

「あ"っづーい"…しぬぅ……」アセダク

 

『…言わないでくれ……さらに暑く感じるだろう…』アセダク

 

 

 

我が家はまさに灼熱地獄だった

 

子どもたちも含め住人はみな汗だく

 

いつも涼しい顔をしている妻のエアグルーヴでさえもあまりの暑さに屈して顔を歪めていた

 

 

 

なぜこんなことになっているのかと言えば、当然訳がある

 

 

壊れたのだ

 

 

エアコンが

 

 

しかも、都合の悪いことに今年の夏は近年希に見る酷暑

どの家庭でも、どの施設でもエアコンはガンガンに使っている。

 

 

そして壊れていくのだ

 

 

すると人々はどうするか

 

 

そう、修理を依頼する

 

 

我が家もそうした

 

 

修理が出来るのは来月らしい

 

 

エアコン業者は大層儲かっていることだろうな

 

 

 

 

 

 

「えあちゃぁあん!あっついよー!!」アセダク

 

 

『たわけ…うるさいぞ…』アセダク

 

 

 

我々はまだ良い

大人だし、水分補給なんかも意識的にできる。

 

かわいそうなのは子どもたちだ

 

子どもは大人よりも体温が高い、水分補給だって親である俺たちがこまめに飲ませてやらなければ自分ではしない

我が家の愛おしい子どもたち4人のうち3人はウマ娘だ

 

ウマ娘はヒトよりも体温が高い

さらに、まだまだポニーと言っても差し支えないちびウマ娘たちは耳や髪、しっぽの毛がふさふさなのだ

 

冬毛よりもふさふさだ

 

この真夏に

 

 

 

 

おやつにかき氷やアイスを食べたり、夕飯もひんやりとしたものを口にするようにしている

昼間は外に出て水やり用のホースで水浴びをさせたり、布団やカーペットも接触冷感のものに変え、かなり徹底して涼をとっている

 

 

それでも暑い

 

 

 

いつも元気いっぱいやんちゃウマ娘のシップでさえ、床に大の字で転がってぐったりしている

 

 

普段は寝ることも食べることも大好きなショパンだって暑さで気持ち良く眠れずにぐすっているんだ

 

 

急拵えではあるがホームセンターで冷風機を買おうともしたが何処に行っても冷感の類いは売り切れ

 

 

どうしたものか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悩んでいた矢先のことだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[newpage]

 

 

 

「いってきます…」

 

ちびs「いってらっしゃーい……」

 

『いってらっしゃい』

 

 

 

いつも通り妻の作ってくれた朝食を食べ、朝の準備を終えて仕事へ向かう

 

玄関先まで見送ってくれる妻子に手を振り、車に乗り込もうとした

その時だった

 

 

 

 

 

 

バタンッ

 

 

 

シップ「まま!!!」

 

マイ「おかあさま!!!」

 

ショパン「あ"あー!」ビー

 

結翔「かーさん…?」

 

 

 

玄関の方から何やら物音がして、子どもたちの声が聞こえる

 

急いで駆け寄ると眉間にシワをよせ苦しそうに倒れている妻の姿

救急車を要請して、義実家と職場に連絡をする

不安で可愛い顔がぐしゃぐしゃになるほど泣きじゃくっている子どもたちをなだめながら妻の服を緩め、頭を冷やして常備してあるスポーツドリンクを飲ませて救急車を待つ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[newpage]

 

 

 

『ん………んぅ…?』

 

目を開けると我が家とは違う科学的な匂いと無機質な風景

 

一体いつ眠ったのだったか

 

たしか春翔さんを見送って……

 

それから…

 

それから……

 

 

「起きたのか!?」

 

『!』

『はるとさん…?仕事に行ったんじゃ…』

 

「覚えてないか?俺を見送ってすぐに玄関で倒れたんだ」ナデナデ

 

『そう、だったか…すまない…迷惑をかけてしまった……』ションボリ

 

「迷惑なんかじゃない」

「幸いにもただの熱中症みたいだから、今日一日入院して安静にしてれば治るみたいだ……ゆっくり休んでくれ」ナデナデ

 

『子どもたちは?』

 

「今は廊下でお義母さんたちに見てもらってる…呼んでも大丈夫か?明日にする?」

 

『いや、いま会いたい…心配をかけるのも可哀想だからな』

 

「うん、じゃあ呼んでくるよ……なんか欲しいものとかあるか?」

 

『大丈夫だ』

 

 

 

 

 

[newpage]

 

 

バタバタバタッ

 

 

騒がしい足音が聞こえる

 

 

ガラガラッ

 

マイ「おかあさま!」

 

『アドマイヤ…お前たちも心配をかけたな』

 

結翔「かーさんもうだいじょーぶ?」ウルウル

 

『あぁ、少し休めばすぐに良くなる』

 

シップ「まま…」

 

『大丈夫だぞシップ…ほらこちらへ来い』

 

シップ「…」テクテク

 

『よいしょっと…』ダッコ

 

『今夜はママは病院にお泊まりしなくちゃいけないんだ』

『おうちでパパの言うことちゃんと聞いて、いいこに出来るな?』

 

シップ「うん!」

 

『よし』ナデナデ

 

『アドマイヤに結翔、お前たちも大丈夫だな?』

 

マイ結翔「うん!」

 

「ごめんエア、そろそろ面会時間終わっちゃうから…」

 

『あぁ、分かっている』

『子どもたちのこと頼んだぞ?』

 

「もちろん、任せてくれ」

 

『……甘やかすなよ』

 

「…」

「うん」

 

『なんだ今の間は!』タワケッ

 

「さーてちびっこたちよ、おうちに帰って夕飯食べようなー!何が良い!?」

 

シップ「にんじんはんばーぐ!」

マイ「たらこすぱげってぃー!」

結翔「おむらいす!」

 

 

『まったく…』

 

お母様「ふふっ、楽しそうでいいじゃないの」

 

『お母様まで…』

 

お母様「エアグルーヴこそ、無理は禁物よ?子どもたちが心配なのは分かるけれど自分が倒れちゃ本末転倒じゃない?」

 

『ええ…すみません』

 

お母様「いいのよお、孫に会う口実になったんだもの」

お母様「さっ、私たちはもう行くからゆっくり休むのよ」

 

「また明日の朝来るからな」

 

 

 

 

 

 

 

[newpage]

 

翌朝

 

 

 

 

コンコンコン

 

 

『どうぞ』

 

 

バタバタバタッ

 

シップ「ままー!」

 

アドマイヤ「おはようおかあさま!」

 

結翔「かーさんおはよー」

 

ショパン「おかーしゃ、おあよー」

 

「おはようエア…体は平気か?」

 

『おはよう…もうすっかり楽になった』

 

「それならよかった」ナデナデ

 

『…撫でないでくれ……恥ずかしいだろう…子どもたちの前で…///』ピコピコ

 

「大切な妻を撫でて悪いか?」ナデナデ

 

シップ「ままずるい!しっぷもなでなでして!」グイグイ

 

『ほら、シップを撫でてやってくれ///』

 

「ふっふっふ、安心しろ」

「俺の腕は2本あるぞ」ダブルナデナデ

 

『まったく///』ブンブン

 

「さっ、あんまり長居すんのも悪いし家に帰ろっか」

 

『あぁ』

 

 

 

 

 

 

 

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帰宅

 

みんな「『ただいまー』」

 

 

「昼御飯準備するからゆっくりしててくれ」

 

『すまないな』

 

「ちびたちお願いな」

 

『あぁ』

 

ショパン「おかーしゃ、だっこ!」

 

『ふふっ、ほら、来い』ダッコ

 

ショパン「えへへ♪」ピコピコ

 

シップ「まま!しっぷも!」グイグイ

 

『こらこら、1人ずつだ』ニコニコ

 

「…お前らそんなにくっついたら暑いだろ」

 

結翔「とーさんあいす!」

 

「ダメだ」

「アイスはご飯食べてからな」

 

シップ「あっついもん!」ムスッ

 

「だから離れろよ…」

 

シップ「やだ!」

 

マイ「!」

マイ「おとうさまやきもち?」

 

「ちがいますー、お父さんはいつでもお母さんとくっつけるし?」

「寝るときだって一緒なんだからな?君たちと違って」

 

シップ「しっぷもままとねる!」

 

『たわけ』

『子どもたちを煽るようなことを言ってどうする』

 

「先に仕掛けてきたのはちびたちだもんね」

 

『大人気のない…』

 

「エアちゃんとイチャイチャ出来るならそんなもん要らないね!」チュッ

 

ちびs「!」

 

『なっ///』カオマッカ

 

「ふんっ」ドヤァ

 

ちびs「ずるい!」

 

マイ「まいも!」グイグイ

 

シップ「しっぷも!」グイグイ

 

結翔「ぼくは?」グイグイ

 

ショパン「?」ニコニコ

 

『はぁ…まったく手のかかる……』

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