世界一幸せなトレーナーとエアグルーヴ   作:たわけ

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夫たちは語り愛たい

キーンコーンカーンコーン

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

 

 

「集合!!」

 

 

バタバタバタ

 

 

「お疲れ、体に違和感がある奴はいないか?」

 

ウマ娘s「大丈夫です!」

 

「じゃあ今日は…A(サブトレ)トレーニングの評価は?」 

 

A「はい、最後の併せでc(担当)さんがギリギリ差しきれた形で、足が余っているように感じました」

 

「それで?どうしたらいい?」

 

A「えっと…もう少し早く仕掛ける……?」

 

「……今回の足の余りの原因は直線でバ群に飲まれたことだ。」

 

A「じゃあ…コーナー前で外に出てスパートの準備を整えておくこと」

 

「正解」

「じゃあB(サブトレ)」

 

B「はい」

 

「今回の併せでコーナー前、cは外に出られそうだったか?」

 

B「もともと内枠からのスタートで、スリップストリームを使いながらレースを進めていたので直前の抜け出しは難しそうです」

 

「あぁ、俺も同意見だ」

「それを踏まえて今後のトレーニングは何をメインに鍛えたい?」

 

A「バ群から抜け出すためのパワー?」

 

「と?」

 

A「えっと…」

 

B「賢さ、ですか?」

 

「なんのために?」

 

B「抜け出すタイミングやポジショニングを決めながら展開を決めるため、です」

 

「そうだな」

 

「よしっ、じゃあ今日はこれでおしまい!!柔軟とシャワーはしっかりしろよ!」

 

ウマ娘s「はーい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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トレーナー室にて

 

 

 

 

 

A「ふぅー!これで今週も乗り切ったぁ!!久々に残業もないし3人で飲みに行きません!?」

 

B「いいですね!最近全然外で飲んでないです」

 

「あー、わり、今日は先約があんだわ…お前らだけで楽しんできてくれ」

 

A「奥さんっすか?」

 

「いや、他のトレーナー」

 

A「そんなっ、俺たちを差し置いてっ!ひどいっす!」ウソナキ

 

「お前らとだってしょっちゅう飲みもメシも行ってるだろ…」

 

A「ジョーダンっすよ、四宮さんも楽しんできてください」

 

「どーも」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[newpage]

 

 

 

タッタッタッ

 

 

雅哉「すみませんっ!遅れましたっ!」

 

「ん、気にすんな」

「行くか」

 

雅哉「はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

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行きつけの居酒屋にて

 

 

 

「「乾杯!」」

 

 

ゴクゴク

 

 

「っぷはあっ!あー、さいっこう!」

 

雅哉「やっぱ仕事終わりすぐ飲むと染みますね」

 

 

 

月末の金曜日の夜

トレセンからも二人の自宅からも程近いこの居酒屋でサシ飲みをするのはもはや恒例となっていた

 

もちろんこの2人以外にも、疲れきったサラリーマンやデート中の男女など様々な客が訪れる

聞こえてくる話題も、仕事に社会情勢に色恋にと様々で気前の良い大将を通じて他の客と仲良くなる…なんてこともある

 

 

彼らは敢えて個室を使う

 

なぜなら…

 

 

 

 

 

「んで?カーリーちゃんはどうなんだ?」

 

雅哉「すっかり今の生活に慣れたみたいで落ち着いて過ごしてくれてますよ」

 

「それなら何よりだな」

 

雅哉「こないだなんて、先輩が浮気してるんじゃないかって怒ってました」

 

「えぇ?俺が?」

 

雅哉「ほら、エアグルーヴさんと子どもたちとでうちに遊びに来たことあったじゃないですか」

雅哉「焼き肉行った日」

 

「あー!あん時な、エアにもこってり絞られたわ」

「やっぱ嫁に相談せずジムなんて行くもんじゃないな」

 

 

彼らの話題は専ら嫁と子どもの惚気だ

あかの他人に自分の嫁のあんな話やこんな話は聞かせたくない

 

 

「お前も気を付けろよ?」

 

雅哉「でも嫉妬してるカーリーを見たい気持ちもあるんですよねぇ」

 

「ふぅん」

 

雅哉「絶対可愛いじゃないですか、目うるうるさせて頬っぺた膨らましたりとか?」

雅哉「もう可愛い既に可愛い!」

 

「そんな可愛いもんかねぇ」

 

雅哉「…うちのカーリーが可愛くないとでも?」

雅哉「先輩だってエアグルーヴさんがそんな風にしてたら可愛くないんですか?」

 

「そういう意味じゃねぇよ」

「"そんな風に"してたら可愛いな、してたら」

「嫉妬したウマ娘は怖いぞ…」

 

雅哉「まさかカーリーに限ってそんな…怖いなんて」

 

 

 

居酒屋に入ってから20分

既に雅哉はカーリーの話をするだけで大ジョッキ3杯を空けていた

 

 

雅哉「先輩のとこはどうなんですか?」

 

「うちは最近はイロイロあったよ」

「ショパンがな、昼寝してたら俺の顔ペロペロ舐めてきたり」

 

雅哉「犬なんて飼ってましたっけ?」

 

「バッカ、お前、ショパンはうちの可愛い可愛い愛娘だ!」

 

雅哉「ですよね!なんか話からしてウマ娘の話じゃなさそうで」

雅哉「でもなんで顔舐めたりなんか…」

 

「それがさ、遺伝みたいなんだよ、エアの」

「なんでも、大好きな人の顔舐めちゃうんだと」

 

雅哉「…エアグルーヴさんにも顔舐められてるんですか?」

 

「いやエアが"顔を"舐めてたのはちっちゃい頃の話らしいぞ」

「それこそショパンとかシップくらいのとき」

「アルバム見たけどメチャクチャ可愛かったんだよ!」

 

雅哉「俺もカーリーのアルバム見たいなぁ、絶対可愛いもんな」

雅哉「それより"顔を"ってどういうことですか?」

 

「前に酒飲んで酔ったときが舐められたの初めてだったんだけど」

「まずは顔から舐められて、そっから全身くまなく」

 

雅哉「…」

(遺伝ってことはカーリーも…?)

 

「それ以来酒飲んでないけどシてるときは結構舐められる」

 

雅哉「赤ちゃんだと衛生的に心配じゃないですか?」

 

「そうなんだよ」

「だから俺もエアもどうにかやめさせようとしてるんだけどな…」

「それこそカーリーちゃんもこの前ウチ来たときペロペロされたみたいだぞ」

 

 

想像せざるを得なかった

愛する妻が幼子に頬を舐められている姿

 

きっと目を細めて嫌がる素振りこそ見せておれど優しく受け入れて…

 

 

「どした?そんなニヤニヤして」

 

雅哉「いや、子どもいいなぁと」

 

「カーリーちゃんと子どもの話出てないの?」

 

雅哉「ちょうど先月?くらいに話して欲しいねーって話してはいたんですけどなかなか」

 

「まあウチも結構大変だったからな…」

「そればっかりは焦っても意味ないぞ?」

 

 

雅哉「そうですよねぇ…」

雅哉「大変って、具体的には?」

 

「色々あるけど一番は体調だな」

 

雅哉「…悪阻ってやつですか?」

 

「それもそうだけど、エアもカーリーちゃんもウマ娘だから妊娠するには治療が必要だろ?」

 

雅哉「それは一応知ってますけど…」

 

「んでその薬の副作用がキツくてな、食事も満足に取れないし睡眠も不十分、ベッドから起き上がれない日だってある」

 

雅哉「話には聞いてたけどそこまで…」

 

「もちろん個人差とかはあるだろうけどな?」

「だから子どものこと考えてるなら2人で話し合って、覚悟決めてからのが良いと思うぞ」

 

雅哉「…帰ったらカーリーともう一回話し合ってみます」

 

「うん、それが良い」

 

雅哉「ちなみになんですけど、」

 

「ん?」

 

雅哉「先輩のところはどのくらいの頻度でシてるんですか?」

 

「なにが?」

 

雅哉「その、夫婦の営みというか、子作りというか…」

 

「ウチはもうこれ以上子どもは作る予定はないけど…まあ週4くらい?」

 

雅哉「週4!?」

雅哉「結構じゃないですか?」

 

週4だと単純計算でも2日に一回はシていることになる

 

 

「まあ、そうだな」

「お前んとこは?まだ新婚なんだしもっとシてるだろ?」

 

雅哉「いや、全然です。なんならまだ両手の指で数えられる程度しか…」

 

「は?」

「なんだお前?ウチのカーリーちゃんに魅力がないとでも?」ゲキオコ

 

雅哉「そんなわけないじゃないですか!」

雅哉「そうじゃなくて、仕事忙しくて…」

 

「あー」

 

雅哉「カーリーも遅くまで俺の帰り待っててくれたりするんですけど、疲れてるし朝早いしでなかなか…」

 

「まあ慣れるまではしょうがないわな」

「頑張れよ」

 

雅哉「はい」

 

「たまには雰囲気変えたりしたらどうだ?」

 

雅哉「ホテル行くとかですか?」

 

「それもアリだし…ウチはエアがコスプレとか結構してくれるぞ」

 

雅哉「あのエアグルーヴさんが…?」

 

「キッカケはハロウィンだけど」

 

雅哉「例えばどんな?」

 

「チャイナ服とかメイドさんとか……あとトレセンの制服着てたこともあったな」

 

雅哉「せ、制服は罪悪感が…」

 

「いや、でもお前想像してみろよ」

「トレセンの制服着たカーリーちゃんが恥ずかしそうに誘ってるトコ」

 

雅哉「…///」

雅哉「ムリデス」

 

「だろ?」

 

雅哉「カーリーが可愛いすぎてツラい…」

 

「どうした急に」アタリマエダロ

 

雅哉「最近寝るとき俺の腕の中に潜り込んでくるんですよ」

雅哉「可愛すぎません!?」

 

「それを言うなら俺のエアもおやすみのキス忘れたら不機嫌そうな顔して抗議してくるぞ」グビグビ

 

雅哉「カーリーだって俺が仕事で疲れてたらハグして癒してくれます!カーリーこそ最強の癒しなんで」グビグビ

 

「エアだって休日はゆっくり休んでくれって遅くまで寝かせてくれるし、なんなら膝枕までしてくれるぞ」

 

雅哉「っ!ひざまくら…!」

 

ひざまくら…カーリーの、ひざまくら

白くてすべすべな肌、しっかり鍛えていた現役時代を退いて女性らしく少しだけ肉付きが良くなった太もも……

お腹に顔を埋めればオンナノコのいい匂いがして…優しく頭を撫でてくれたりもするのだろうか……なんて魅力的なんだ

 

 

雅哉「カーリーなんて俺が寝てる間に大好きって言ってくれました!」グビグビ

 

「!」

 

エアが、俺の寝ている間に……?『春翔さん…大好きだぞ♡』

 

「ぐっ……!」グフッ

 

耐えられん……致死量の愛情だ……

 

 

「エアだってなあ!俺が忙しくてなかなか帰れない時、俺のシャツ抱き締めて寝てるんだぞ!なんなら着てるときもある!!」グビグビ←防犯カメラの映像で知ってる

 

 

雅哉「なぁっ!?」

 

 

カーリーが……『雅哉さん…寂しい……』

ぶかぶかなシャツを着て…ピンクの下着が見え隠れしたり……上目遣いで……

 

雅哉「うっ…!」グフッ

もしもそんな姿を目の当たりにしてしまったら、如何なる案件を抱えていようと放り出して襲ってしまうこと間違いない

 

いや、そもそも何で下着姿なんだ

 

 

雅哉「か、カーリーはこの前自分からうまぴょい誘ってくれました!俺を喜ばせるためにセクシーな下着まで身につけて!!」グビグビ

 

 

「そんくらいエアだってしてくれるぞ!なんなら俺が寝てる間に奉仕しながらソロぴょいしてたこともある!!」

 

当然のように妻たちの痴態が曝されるが、当の本人たちは知る由もない

 

雅哉「ぐっ!」

 

カーリーが寝ている間に俺のを咥えながらソロぴょい……?

 

 

想像しただけでうまだっち案件だ

 

雅哉「カーリーは、いっつも慣れない料理頑張って作ってくれてます!俺の口に合うか不安そうに食べる姿見つめてくるんですよ!?」グビグビ

雅哉「もちろん毎回、超がつく程美味しいですけど!」グビグビ

 

 

「いーや」

「カーリーちゃんの手料理も美味しいんだろうがエアのが上手だな!なんてったってもう10年以上毎日作ってるんだ……何より旨いし栄養バランスも完璧だ」グビグビ

 

「俺の昼飯の弁当だってエアと子どもたちが作ってくれてるんだぞ?」

 

雅哉「お子さんたちまで?」

 

「ああ!お仕事頑張ってね♡ってお手紙まで付いてるんだ、可愛いだろ?」グビグビ

 

雅哉「っく!」クヤシイ

 

カーリーと、カーリーにそっくりな俺たちの娘……2人が仲良く俺の弁当を作って……『行ってらっしゃい雅哉さん♡』チュッ 娘(架空)「ぱぱおしごとがんばって!」ギュー

 

 

 

 

俺、仕事行ける自信ない……

 

 

 

 

雅哉「かーりーは!ちょっと甘えるの下手くそでっ、ソファーで休んでるときにちょっとずつ手とかしっぽとか近づけてくるんです!それがめっちゃ可愛いんです!!」グビグビ

 

 

「っ!」

「なかなかの威力だなっ…!」

「だが、俺のエアも負けてないぞ!!」

 

「エアはなぁ、未だに一緒に風呂に入るの恥ずかしがるんだっ!」

「バスタオルで隠してて、それが一層セクシーで!何年経っても初心なとこがサイキョーに可愛いんだ!!」グビグビ

 

 

雅哉「っ!カーリーと…お風呂っ!」

 

入りたい、カーリーと一緒にお風呂に!

頬を赤らめて恥じらいながら耳としっぽを動かして……『雅哉さん……背中、流すね…///』

 

 

家に帰ったら誘ってみよう……絶対に

 

 

雅哉「カーリーは、結婚したときにお揃いで買ったパジャマを俺が着てなかったら耳絞って不機嫌そうにするのがものっっっすごく可愛いんです!!!」ゴクゴク

 

 

「お揃いのパジャマ、だと…!?」ウラヤマシイ

 

「だがそれを言うなら俺のエアはなあ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして口論というか惚気というか…話は続き

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雅哉「かーりー……かぁりぃ…らいすきらぞぉ……」

 

「えあぁ……まい……ゆーとぉ……」

 

雅哉「かーりぃ……かわいぃぞぉ……」

 

「しっぷ……しょぱん…あいしてるぞぉ……」

 

 

 

 

 

 

 

完全に泥酔した

 

 

 

 

 

大将「やれやれ毎回毎回よくこんなになるまで飲むねぇアンタたちは……ほら、速く起きて、嫁さんに会いたいんだろ?」ユサユサ

 

 

 

「えあぁ…」

 

雅哉「かぁりぃ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[newpage]

 

 

 

 

 

 

ガタガタッ

 

 

 

ガチャッ

 

 

 

「「たらいまぁ~」」ヨタヨタ

 

 

『おかえり』

カーリー「おかえりなさい」

 

 

 

 

 

2人は互いの愛妻の待つ巣へと身を返した

 

とは言っても月に一度の飲み会……その日には妻たちもまたエアグルーヴ夫妻の自宅で仲良く息抜きをしてそのままお泊まり会がすっかり恒例になっていた

 

 

『全く…飲みすぎるなといつも言っているだろうに……』ギュッ

『ほら、水も飲ましてやるから頑張って歩いてくれ』

 

カーリー「雅哉さんも」

 

雅哉「かーりぃ…おれのかぁりぃ……あいたかった…」

 

カーリー「なら飲みすぎないで早く帰ってきて」

 

「えあぁ…あいしてるぞぉ!」

 

『こら!子どもたちが起きるだろう!さっきやっと眠ってくれたばかりなんだぞ!』

 

 

 

こうして2人の愛妻家は温かな妻の胸で眠りに就くのだ

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