わんっ
わんわんっ!
わふんっ!!
『んんぅ…なんだ…こんな時間に...』ネムネム
日こそ昇ってはいるものの空は未だ暗く、目覚めるのにはずいぶんと早い時間
ワンワン、と犬の鳴き声で目が覚めたエアグルーヴ
その違和感にはすぐに気がついた
まず、エアグルーヴ家の自宅の回りは見渡す限りの緑
住宅街ではなく、お隣さん と表現できる範囲に人家の気配はない
鳴き声の主は飼い犬ではないだろう
つぎに、その鳴き声はエアグルーヴの耳もとが発生源だということ
つまり、いまエアグルーヴのすぐとなりには……
『うわあっ!?』ビクッ
大きなゴールデンレトリバーがエアグルーヴの上に覆い被さっていた
いや、性格に言えばゴールデンレトリバーの耳としっぽを着けた夫が、なのだが
平たく言うとウマ娘のイヌ版といったところ
『あ、あなた?何をしているんだ?』
純粋な疑問から、そう尋ねた
すると
「わんっ!わんわん!」
『もしかして喋れないのか?』
「くぅーん」
普段であれば夫のたわけたイタズラだろうと切って捨てることも出来たのだが、どうやらそういうわけにもいかないらしい
というのも、今の彼にはヒト耳がない
イヌ耳やしっぽは動いているし、感触もある
すごく不安そうな、困った表情を浮かべてもいた
そしてなにより、エアグルーヴ自身が最近似たような経験をしているのだ(前回参照)
もっとも、彼女の場合は喋ることは出来ていたのだが
「わんっ!」グイグイ
『ああっ、コラ!引っ張るな!』
ウマ娘の力であれば無理矢理引き離すことも可能ではあったのだが、怪我をさせるわけにもいかず…
なんだかイヤな予感もしたため付いていくことに
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付いていった先はこども部屋
まさか…
「わんわん!」
そのまさかだった
長女のアドマイヤグルーヴが眠る布団だけ、やけに膨らんでおり
息子の結翔が眠っているはずの布団はぺったんこ
アドマイヤの布団からはウマ娘のものでもヒトのものでもない耳
イヌのような…
起こさないように気を遣いながら布団を剥ぐと、想定した通りイヌ耳としっぽを携え、満足げな表情で姉に抱きついて眠る結翔の姿が
どうにもすることが出来ないため、一旦みんなが起きるまで眠ることにした
『ほら、寝るぞ』ベッドポンポン
「わふんっ」ドスッ
『うっ…重たいな…』ナデナデ
いつもどおり隣に眠るかと思ったのだが、あろうことか私の上に乗っかってきた
人の胸に顔を埋めて満足げだ
まったく…
[newpage]
セットしておいたアラームが起動し、本格的に起床する
『うん……ほら、起きてくれ』ユサユサ
「わふぅ…くぅーん……」ゴロゴロ
『気持ち良く眠っているところ申し訳ないが、そろそろ子ども達も起きてくるんだ』
『朝食を作らねば』
「わん」
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起床後のルーティンとしてまずは洗面と歯磨き
どうやら不器用になってしまったようで上手に出来ていない
『ふふっ、ほら、こっちにこい』ヒザポンポン
膝枕をして、子ども達にするように歯を磨いてやる
『苦しくないか?』シュコシュコ
「わぅ」
『ふふっ、可愛らしいな』シュコシュコ
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ウマ娘s「いただきます!」
わんs「わんっ!」
極力イヌでも食べられる食材をベースにした朝食
一応フォークとスプーンを用意したのだが…食べれてないな
『ほら、あーん』アーン
パクッ モグモグ
「モグモグ」ブンブン
マイ「ゆうくんもあーん」アーン
パクッ モグモグ
結翔「モグモグ」ブンブン
シップ「!」
シップ「まま!しっぷも!しっぷもあーんして!!」
ショパン「まいおねぇちゃん、しょぱも…あーん…」
『わかったわかった』ニコニコ
マイ「はい、ぱんちゃんもあーん」ニコニコ
ショパン「あーん」アーン
ごちそうさまでした!
こうしていつもより微笑ましい朝食の時間が終わった
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昼食やらなんやらも終えた昼下がり
私とマイはそれぞれ動くことが叶わずにいた
わんっ!
ぺろっ
わんわん!!
ぺろぺろ
イヌ息子になった夫と弟に覆われ顔やら首やらを舐められていた
ショパンにされるのとはまた違った擽ったさがある
隣のマイの方も見てみるが…
マイ「ゆうくん、くすぐったいよー!」キャッキャ
微笑ましいな
あと重たい←春翔だけじゃなくてシップも乗っかってる
ショパン「うう…」グズグズ
『ショパン、ほら、こっちにおいで』ダッコ
ショパン「おかーさん…うう…」グズグズ
他のきょうだいたちに構って貰えず、グズってしまったようだ
そろそろお昼寝の時間でもあるからな
大型犬に乗っかられながら、みんなでお昼寝タイム
イヌ化したことで夫も睡魔に素直になったようで、子ども達とそっくりな寝顔を浮かべてぐっすりだ
ピクピクと動くイヌ耳が可愛らしくて、ついつい手を伸ばしそうになるが我慢
ゆっくり休んで貰わねばな
いつも耳や頬にイタズラをしてくる春翔さんの気持ちが良く分かる
どんな姿でも愛おしいものだな、家族というのは