アドマイヤグルーヴがハイハイを習得してからさらに月日は経ち、この日も両親は新たなことに挑戦しようとしていた
『アドマイヤ、あーんだ、あーん』アー
マイ「ぅ~」キャッキャッ
「ふふっ、遊んでるんじゃ無いんだぞ?ご飯だ、ごーはーん、まんまだぞ?」
マイ「ぁ~」
「そうだそうだ、いいこだぞマイ」
『あーん』
マイ「ぅ~?」
「そのままごっくんだぞ?」
マイ「ぁぅ」ゴックン
『よし、良くできたな』ナデナデ
マイ「ぁ~!」ブンブン
この日は初めての離乳食にチャレンジしていた
先日の4ヶ月検診で特に異常もなく、そろそろ始めてはどうかと医者に勧められたのだ
まずは1日1回からのスタートだ
とりあえず吐き出すこともなく食べてくれたのはありがたい
『とはいえ、さすがに一口では足りないよな』シュルシュル
4ヶ月いやもうすぐ5ヶ月だが…長い間見てきたんだアドマイヤグルーヴも学習したのだろう
エアグルーヴが胸を露出しようと服を脱ぎ始めた段階で母に向かって小さな手を伸ばす
マイ「ぁ~!」グー
『はいはい、ちゃんとやるからそんなに焦るな』ダッコ
そんな、平凡ながら紛れもなく幸せな生活を送っていたある日
夫婦はおろか近所のどこにも灯りの灯っていない、皆が寝静まった夜中のことだった
マイ「あ"ぁー!」オギャー
『「!?」』
今までに無いほどの大きな、叫び声と言っても良いほどの鳴き声で両親の目が覚める
「マイ!?どうした!?」
『大丈夫か?お腹減っちゃったのか?』
そう言ってオムツの確認やお乳をあてがったりと手を変え品を買え原因を探るがなかなか分からない
抱っこもダメ、ぬいぐるみもダメ、お散歩もダメ、音楽もダメ、優しく語りかけてもダメ
普段は大人しいアドマイヤグルーヴがここまで泣くのは初めてのことだった
『いったいどうしたのだ』ダッコ
「怖い夢でも見ちゃったのか?」
「大丈夫だぞ、お父さんもお母さんもそばにいるからな」ナデナデ
「!」
「な、なぁ、エア」
『なんだ?』
「なんかさ、マイ、熱くないか?」
『泣いたからではなくてか?寝起きでもあるし』
「そういうもん、なのか?」
『熱を測ってみるか』
ピピピピピピピッ
42.6℃
「なっ!?」
『さすがに高いか?いやでも…』
ウマ娘はヒトよりも体温が高い、赤ちゃんならばなおさらだその上寝起きでギャンギャンに泣いている平熱より高くても不思議ではないが、それでも高い気がしてならない
「びょ、病院か!?救急車が先!?ど、どうしよう…」ワタワタ
『落ち着け!』
『とりあえずお母様に聞いてみよう』
「わ、わかった!」
プルルルル プルルルル プルルルル
ピッ
お母様「もしもし…」
「あっ、お義母さんこんな夜中にすみませんっ」
お母様「何かあったの?」
「それが…マイが急に大声で泣き出したと思ったら何しても泣き止んでくれなくって、体が熱いような気がして熱を測ったら43℃近くでててっ」
お母様「とにかく落ち着きなさい、それから夜間にやっている病院を探して連絡してみて」
「あ、ありがとうございます」
お母様「とにかく医者に見て貰うのが先決よ」
お母様「それじゃあね」
ピッ
春翔がお母様に電話している一方でエアグルーヴは病院に電話をしていた
その間にでも何かしてあげたい
そう思いネットで調べてみると…
40℃以上は危険
ウマ娘でも40℃以上は要注意
子どもが40℃超えたらすぐに病院へ
赤ちゃん 40℃ 脳 後遺症
新生児 40℃ 死亡
「あっ、あぁ…どうしよう…マイ、マイっ!」
「ごめんっ、具合悪かったの気づいてやれなくて」
「死んじゃイヤだぞ、ぜったいっ、ダメだ!」
「おれがっ『落ち着け!』」
『大丈夫だ、病院へ連れていくぞ』
「でもっ、でもっ!」
『あなたが慌ててどうする!』
「マイに何かあったら、おれっ!」
『とにかく!』
『今私たちに出来るのはアドマイヤを病院へ連れて行くことだ』
『慌てても仕方がないだろう、アドマイヤが心配なのは私も一緒だ…』
『分かったら落ち着いて安全運転で病院まで連れてってくれ』
「わ、わかった!」
『まて、落ち着いてからだ』
『こっちに来い!』
ギュッ
『よし、そのまま深呼吸だ、ゆっくりで良い』
「すぅー、はぁー、すぅー、はぁー」
それを5セット程繰り返し…
『大丈夫か?』
「あぁ、ありがとう」
『行くぞ』
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病院にて
医者「うん、熱以外は異常ないね」
「先生!マイは、娘は大丈夫なんですか!?」
医者「あぁ、少なくとも命に別條はないよ」
『原因は…』
医者「熱があるのは熱発だろう。ウマ娘ならよくあることだ」
医者「とはいえ、原因はいずれにしても分からないんだがね」
医者「とにかく2、3日もすれば熱も完全に下がるよ、それまでは頭を冷やしてあげてくれ」
「それで大丈夫なんですか?」
医者「少なくとも脳の後遺症のリスクはかなり減らせるし、赤ちゃんも楽になると思うよ。まだ小さいから解熱剤は出せなくてね」
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帰宅
アイス枕と冷えピタでアドマイヤグルーヴの熱を下げようと奮闘する両親、まだまだ泣き止まず苦しみ続けるアドマイヤグルーヴ
『今日は一緒に寝ような』ダッコ
このまま同じ布団で3人で眠るようだ
「マイ…大丈夫か…?」
「ごめんな…代わってやれなくてっ…」ギュッ
マイ「ぁ"ぁー!」オギャー
「ごめんなっ、ごめんっ…」ナデナデ
『…』
『…あなたが不安だとアドマイヤも不安になってしまうぞ』
『きっと大丈夫だ…』
「そうか…そうだな…ごめんマイ」
「俺も頑張るから、一緒に頑張ろうな…大丈夫だから…」ギュッ
献身的に看病すること2日
『よしっ、熱も下がったし離乳食も食べてる』
「もう大丈夫…か?」
『これだけ元気なら大丈夫だろう』
「よしっ!やったな!頑張ったなマイ!!」ギュッ
「すごいぞ~!」チュッ
『だから大丈夫だと言っただろう?』
「あぁ、すごいな、こんなにちっちゃいのに…」ギュッ
『あぁ、この子もちゃんと生きてるんだ、ちゃんと成長してるんだ』
「だな、俺らも頑張んないと」
「マイ~、お父さんもいっぱい頑張るからな~」ギュッ