世界一幸せなトレーナーとエアグルーヴ   作:たわけ

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ママグルーヴと育休中のたわけ5

アドマイヤグルーヴはすくすく育ちはやくも生後8ヶ月

 

最近は離乳食もどんどん食べ

ハイハイのみならず、高速でハイハイしてきたと思ったら膝の上によじ登ろうと奮闘していた

 

「ふふっ、ほらほら頑張れ、もうちょっとだよ?」

『立ち上がるのももうすぐかもしれないな』

マイ「んー!だっ!」グイグイ

「はいはい」ダッコ

マイ「ぅ~!」ブンブン

『よかったな』ナデナデ

 

「マイ~、そろそろ立つ練習しよっか?」

『立つようになったら歩くのも時間の問題だな』

マイ「ぁー」ギュッ

「あぁ、ごめんごめん」ナデナデ

 

「マイ、お父さんにギューしててね」

『ふふっ、腕の方が強いみたいだな』

まずは床に足をつける練習から…と思っていたのだが抱っこだと思ったのかしっかりくっついて足は浮かせていた

 

 

今まで離乳食やハイハイは練習すればすぐに習得していたが、今回はなかなかに難易度が高いようだ

『登ってくる時に支えてあげたらどうだろうか』 

「そうだな…」

心苦しいがマイを少し遠くに座らせてハイハイさせることに

「マイ~、おいで~」パチパチ

マイ「ぅ~!」テチテチ

『よし、そのままだ』

マイ「あー」グイグイ

「よし、そうだぞマイ、頑張れ!」

マイ「ぅ~、ぅ~!」グイグイ

「頑張れ!」

マイ「あー!」オギャー

『あぁ、よしよし』ダッコ

 

 

 

そんなこんなで練習を重ねるもアドマイヤグルーヴが立ち上がることはなかった

成長速度なんてその子その子で違うし焦ることはない、そう話して自然に出来るようになるまで待つことにした

 

 

 

いつも通りリビングで家族3人仲良く遊んでいるときだった

キッチンでグラスに水をいれてリビングに戻ると恒例の高速ハイハイで愛娘が近づいてくる

『ふふっ、アドマイヤは本当にお父さんが好きだな』ニコニコ

俺の足下に近づいてきてグラスを置き、抱っこしようとしたその時

 

ぐいっ

 

『「!」』

「ま、マイ…?」

『なっ、』

「すごいじゃないか!すごいぞ、マイ!!」

俺の左足に抱きつくようにしてアドマイヤグルーヴは立ち上がっていた

 

 

 

 

そこからは早かった1月とちょっとで

あっという間に歩き始め、少しではあるが言葉も喋るようになった

 

「ほら、マイお母さんはあっちだぞ」

『こっちだぞ、アドマイヤ』パチパチ

マイ「おかしゃ」テクテク

『ふふっ、よく来たな』ギュッ

『偉いぞアドマイヤ』ナデナデ

「マイ~、お父さんのところおいで~!」

マイ「おとしゃ」テクテク

マイ「おとしゃ、だっ!」パァッ

「ふふっ、抱っこか?よしっ」ダッコ

 

今日も今日とて両親の間を往復していた

 

今のところ語彙はお父さん、お母さん、だっこ

しかないがそれでも可愛いものは可愛いし着実に成長も感じられる

 

少しだけ生えてきた短い歯には食後に必ずガーゼで歯磨きをしている

 

 

それ以降もどんどん言葉を覚え、クマさん、わんわん、にんじん、などなどお気に入りのものはすぐに覚えていく

舌足らずながらも頑張って発音している姿は愛おしくて仕方がない

 

そしてなにより可愛いのが

 

「ふふっ、マーイーまた来たのぉ」ギュッ

俺とエアグルーヴが並んでいると必ずアドマイヤグルーヴが間に割って入ってくるのだ

 

かわいい

かわいいが過ぎる

なに、なんなのこの子

 

あぁ、でも良く考えたらエアもたまにこんな甘え方してきたことあったような…

 

血は争えないなぁ

そりゃそうだ、母親があんなに可愛いんだ娘も可愛いに決まってる万事解決証明終了Q.E.D

 

 

安定して歩けるようになってからは毎朝の水やりに付き合うようになり

「お父さんにちょうだい?」と言えば収穫したばかりの手に持っている野菜を「とまと!!」と言って渡してくれる…たとえ持っているのが茄子だろうがニンジンだろうがそんなことはどうだって良い。トマトだ

 

この前なんてエアグルーヴと手をつないで家の周りのターフを一周していた(当然泣き崩れた…俺が)

 

分かるか!?エアグルーヴとお揃いの花冠を着けてニコニコこちらを見て微笑む景色のまあ尊いこと!!!俺じゃなきゃ死んでるねっ!!

 

 

まだまだ惚気たいことは山のようにあるが…この日は新たな試みだ

『それじゃあ、行ってくる』

ターフの端で準備運動をする妻、それを不思議そうに見つめる天使…もとい娘

 

そう、これからエアグルーヴがターフを走るのだ

妊娠してからというものエアグルーヴは散歩以外の運動はまったくしていなかった、しかし本能には逆らえないようで『走りたい』彼女からそう言われたのだ

今までアドマイヤを驚かせたくないため走れなかったが、アドマイヤグルーヴとてウマ娘母の…"エアグルーヴ"の走りを見たいだろうと一度前で走ってみることにしたのだ

 

『ふぅ、良く見ていろよアドマイヤ…これがお前の母の、女帝エアグルーヴの走りだ…!』

 

すたすた

 

そう言ってターフへと向かい

 

『ふっ!』ダッ

 

あぁ、久しぶりだ…この感覚

風が気持ちいい…全てを置き去りにする、私だけの景色…芝の匂い、地面を蹴る感触…私の大好きな感覚だ

 

『はぁっ、はぁっ』

あっという間に一周走り終わってしまった

 

「すごい…凄かったよエアグルーヴ!!」

「凄くキレイだった!気持ち良さそうでっ!」

『たわけ』

『あなたが喜んでどうする。それに呼び方…戻ってるぞ』

 

『どうだった?アドマイヤ』

『ふふっ、聞くまでもないか』

膝の上にいる娘は小さなウマ耳をピコピコ、短いしっぽをブンブンと振っていた

そしてなぜか…俺の服の袖がよだれでびちゃびちゃだった

気にしない…気にしてないぞ、愛する娘のよだれだ、よだれまで愛してるぞ、うん

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