世界一幸せなトレーナーとエアグルーヴ   作:たわけ

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たわけ「エア最近息子に構いすぎじゃない?」

たづな「えぇ、構いませんよ」

 

「はい、ではお願いいたします。失礼します」

 

ピッ

 

 

怪我も治りそろそろ出勤可能

しかしながら先日息子が産まれたばかりのため育休でも取ろうかと考えていたのだが、妻に「私は大丈夫だ。アドマイヤも大きくなったし結翔も大人しくしていてくれるからな。あなたは気にせず仕事してくれ」と言われてしまい、しばらく様子を見ていたのだが…

 

「エア?大丈夫?すこし休んだら?」

『んぅ、すまない、眠ってしまっていたか…大丈夫だ』

 

明らかに疲れている

 

確かにアドマイヤグルーヴはもうすぐ3才、結翔も大人しいのだが…マイは遊びたい盛りで結翔も授乳やオムツはもちろん何かと手はかかるのだ

それに加え家事も…なんてとてもじゃないが無理だろう

 

そこで考えに考え抜いた結果、在宅勤務の相談をすることにした

 

先ほどの電話で無事にたづなさんから許可が出たため自宅で妻と共に家事や育児を分担することができる

 

妻には反対される可能性があったため事後報告にすることにした

 

 

 

「エア」

『なんだ?』

「仕事のことなんだけど」

『うん?出勤の日程が決まったのか?』

「いや、そうじゃないんだけど」

『?』

「仕事さ、在宅勤務にしたんだ。家のこと落ち着くまで」

「もちろん会議とか、直接生徒たちの様子見たりとかしなきゃだからずっと家に居られるわけではないんだけど…」

『それは…大丈夫なのか?』

『トレーナーの仕事の全てを知っている訳ではないが…やはり直接見て指導した方がいいだろう?』

「まあ、それに越したことはないのは事実だな」

『なら、』

「それでたづなさん経由で理事長と相談したらさ、これを機に業務の分業化とかオンライン業務とか色々改革を進めたいって言ってくれてて」

「もちろん俺のためだけって訳じゃないぞ?それにウチもまだ子ども増えるかもだし、他のトレーナーとかたづなさんとしても仕事が簡略化されるのはありがたいところだろうし」

『…それなら良いが』

「一旦その話し合いするために明後日トレセンに行ってくるね」

『弁当はいるか?』

「負担にならなければ欲しいな」

『朝食のついでだ…大して変わらん』

「ならお願い」

 

 

[newpage]

 

結翔「ぁぅー」オギャー

『む?どうした?オムツか?』スゥー

『違うようだな…お腹が減ったか?』

 

結翔「んくっ」ゴクゴク

『よしよしいいこだ…沢山飲んで大きくなれよ』ナデナデ

 

 

ジー

 

 

 

---------------------------------------------------------------------------

 

マイ「おとうさん!ぴあのやる!」

「いいぞぉ」

ピロピロ

 

『よしよし…そうだ…ゆっくりねむるんだぞ……』トントン

結翔「すぅー、すぅー」zzz

『ん、やっと眠ってくれたな』

『アドマイヤは…見ててくれているようだしすこし休むか…』ソイネzzz

 

 

 

 

ジー  ウラヤマシイ

 

 

 

---------------------------------------------------------------------------

結翔「あぁー!」オギャー

『うん?どうした?』ダッコ

 

『オムツでもミルクでもない…どうしたものか』ユサユサ

『怖い夢でも見てしまったか?大丈夫だぞ…私はここにいるからな…』ギュッ

結翔も「ぅぅー」グズグズ

『よしよし…大人しくなってきたな…そのまんまねんねだぞ…』ダッコ

 

 

 

ジー  ズルイ  オレモ

 

「エア、抱っこ変わろうか」

『ん?もうすぐ寝つきそうだが…まあ、たのむ』

「おいで結翔」ダッコ

 

ユサユサ

 

トントン

 

ナデナデ

 

結翔「あぁー!!」オギャー

「うー、なんで寝てくれないんだ?」ダッコ

『たわけ!寝かしつけるどころか泣かせてどうする!』

「ご、ごめん…」

 

 

 

 

---------------------------------------------------------------------------

久しぶりの出勤で今日はかなり疲れた…早く帰って愛する妻とのイチャイチャタイムを堪能したいのだが

 

 

ガチャ

 

「ただいまー」

 

スタスタ

 

『ん、おかえりなさい』

「ただいま」チュッ

 

「子どもたちは?」

『もう2人とも眠っているぞ』

「そっか」

 

やった!

これはチャンスだ

このまま風呂と夕飯を済ませて、そのあとは…

 

 

『お風呂、先に入っちゃってくれ。ご飯を温めておくから』

「ん、わかった。」

 

早々に入浴を済ませ食卓に着く

 

「いただきます」

 

モグモグ

 

「今日も美味しいよ。いつもありがとうな」

『たわけ、妻として当然のことだ』

 

 

 

食事もティータイムも片付けもすませた

あとは…

 

「エア、こっちおいで」ポンポン

『?あぁ』スタスタ

 

「もっと近くきて」

 

「ん」

「チューしよ?」

『なんだ急に。キスならさっきしただろう』

「いいじゃん別に、夫婦なんだしキスくらい」

 

妻の肩を抱き、もうすぐで唇が触れる…その時だった

 

結翔「あぁー!」オギャー

『「!」』

『すまない、結翔のところに行ってくる。申し訳ないが消灯をお願いしても良いか?』

「…うん」

 

 

 

 

 

「はぁ」

イチャイチャどころかキスの1つすら許されないとは…

そもそもエアの旦那は俺だろ?いくらなんでも最近結翔に構いすぎじゃないか?可愛いのも心配なのも分かるが気に入らない

我が家の家電よろしくいつも良いタイミングで邪魔をしてくる

「はぁ」

 

 

落胆しながら妻と息子の居る寝室へ足を進める

 

『よしよし…そんなに泣くな……大丈夫だぞ………わかった今日は一緒に寝ような…』ダッコ

 

また、だ

 

マイの時は平気だったのに…

 

「エア」

『ん?戻ったか。ありがとう』

「うん…」

「結翔どうしたの?」

『さあな、どうにも泣き止んでくれなくてな…今夜は3人で一緒に寝るとしよう』ダッコ

 

そう言いながらベッドの真ん中に息子が来るようにして、大切に…抱き抱えるように添い寝の体勢を取っていた

 

『どうしたんだ?寝ないのか?』

「寝るよ」

『あぁ、おやすみ』

 

ずるい

 

ずるいずるい

 

そこは俺の場所なのに

 

おやすみのキスを最初に貰うのも俺なのに

 

「っ!」

「エア」ガバッ

『!?』

『なっ!?どうした!危ないだr うぐっ』

 

ちゅっ はむっ ちゅっ ちゅうぅ

 

「エア」

『なんなんだ!最近変だぞ!何か言いたいことがあるなら素直に言え!』ミミシボリ

「…言えるわけないだろ」

『じゃあどうしろと言うのだ』

「っ!」

『言わなきゃ分からない、ちゃんと分かるまで話し合おう…そう言ったのはあなただぞ』

『私が納得できるまで話せ』

「…」

『私に言えないようなことなのか?』

「それは…」

『…わかった』

「!」

『どんな内容であれ怒らない…幻滅もしない、だから話してみろ』

『このままの関係が続くのはお互いはもちろん、子どもたちの教育にもよろしくない』

「…エアが」

『私が?』

「最近ずっと結翔に付きっきりで…」

『まだ幼いんだ、当然だろう』

「分かってるよ」

「でも寂しくて…マイの時はこんなこと思わなかったのに」

「エアが結翔に取られてるみたいで…それがすごく嫌だった……さっきもやっとエアとイチャイチャできるチャンスだったのに結翔に邪魔されたって思っちゃって……悪い…ホントにごめん…父親失格だよな……こんなんじゃ俺の親とおんなじだ……ごめん…」

『…』

『すまないな…』

「なんでエアが謝るんだよ。なんにも悪くないだろ」

『いや、あなたの気持ちに気づけなかった』

『一緒に居すぎて、一緒に居るのが自然で、当たり前になっていて忘れてしまっていた…あなたは、春翔さんは大層寂しがりやだったな』

『ちゃんと時間を取ろう』

『私も焦っていたんだ…1人で妻として、2児の母として完璧にならなくてはと…でもあなたが居てくれるんだから、1人じゃないし何も完璧である必要もないもんな…それで大切なことを失念していたのでは本末転倒だが…だから、すまなかった』

『今度は2人で、全部分担して…夫婦の時間もちゃんと取ろう』

「うん…ありがとう」ギュッ

「どうしてそんなに焦ってたんだ?マイの時は2人で上手くやれてたのに」

『…これまた恥ずかしい話なんだが、春翔さんが育休を取ろうとしていただろう?まあ結果として在宅勤務に落ち着いたが…』

「うん、やたらと復職を推してきたのと関係あるの?」

『あぁ、春翔さんが家にいようとするのは私が頼りないからだと思ったんだ。自分がいないと家事も育児もまともに出来ないんだと思われているんだと…』

『それで、心配かけたくなくてな…』

「そっか」

「俺はさ、エアのこと頼りないなんて思ったことないよ」

「むしろまだ若いのにきちっとしてるなぁって」

「スーパーとか行ったときにもよく声かけられるんだ、良くできた奥さまですねって」

「俺はそれが誇らしいのもあったけど、ちょっと罪悪感とかもあったんだ」

「年の差があったり早く自分の物にしたいって思ったりで、世間一般より早く人妻に…母親にしてしまったから…エアのやりたいことやらせてあげられなかったのかもって」

「だから俺に出来ること全部やって…出来ないことも出来るようになるようにって頑張って、エアに負担かけないように…俺との結婚を後悔させないようにってしてたんだ」

「きっと俺も焦ってたんだと思う」

『うん…』

『私も結婚を後悔したことは無いぞ、1度も。結婚するときに…いや交際するときに決めたんだ。何がなんでもあなたを幸せにすると…一緒に幸せになると…だから変な遠慮や気遣いはしないでくれ…』

『小さな問題の積み重ねで夫婦に…家族に亀裂が入る、というのはよく聞く話だ…私はそうなりたくない…』

「うん、俺もやだ」

 

「…」

『…』

「ふふっ…寝よっか」

『あぁ』

『結翔も泣き疲れて眠ってしまったな』

「おやすみ」チュッ

『おやすみなさい』

 

 

 

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