世界一幸せなトレーナーとエアグルーヴ   作:たわけ

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はじめての夫婦喧嘩

長かった夏合宿ももうじき終わりを迎える

だが今年もこの日がやってくるのだ

 

夏祭り

 

かつて2人が結ばれるきっかけになった大切な日なのだ

 

「エア、明後日の夏祭り一緒に行こう?」

『もちろんだ』

B「いいなぁー」

『別に行きたければ行けば良いだろう。毎年トレセンの生徒で溢れかえっているぞ』

B「そうじゃなくって、トクベツな人と一緒にっていうのが大事なんですよぉ!」

「そればっかりはなぁ」

C「先輩はトレーナーと付き合う前は誰と行ってたんですか?」

『大体は生徒会として見回りをしていたな』

『それ以外は…スズカとは行ったりもしたな』

『お前たちも3人で回れば良い』

A「むぅー、なんかちがう」

 

 

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当日

 

A「わぁ!エアグルーヴ先輩浴衣ちょーキレイ!!」

B「ほんとだぁ、スッゴいにあってます!!」

「ああ!!」

『なんだ急に』

「俺、もうエアの振り袖姿見れないんだ…結婚しちゃったばっかりに…」

『別にそのくらい…』

「どんだけ美しかったと思ってんの!?呼吸止めちゃうくらいキレイだったんだぞ!?」

「あれがもう目に入れられないんだと思うと…」

C「はいはい、惚気はもう十分ですからねー、さっさと行きましょうねー」

『ほらっ、いくぞ?』

「うん…」

 

 

「エアは何食べたい?」

『あなたが食べたいもので構わないぞ?』

「んー、じゃあ、あっ!広島風お好み焼き!珍しく全然並んでない、たべよ?」

『あぁ』

 

「『いただきます』」

「美味しいか?」

『あぁ、やはり屋台のものは別格だな』

「だな」

『ふふっ、ソースついてるぞ?』ペロッ

「なっ///」

「なんで急にそんな恥ずかしいことすんだよ」

『?珍しく照れてるな』フフッ

「まったく、あんまり可愛いことすんなよ…まだ帰れないんだから」

『っ!///急に恥ずかしいこと言うのはあなたも同じじゃないか』

 

 

 

「あっ!あれっ!エアのぱかプチじゃん!」

『ふむ、新しい勝負服のだな』

 

エアグルーヴはレース成績の優秀さとレース場で行われた結婚式でのウェディングドレス姿が美しすぎるとの評価からドリームトロフィーリーグでは新しく勝負服を貰っていた(クエルクスキウィーリス)

 

「よし、絶対取ってやる!」

『こういうの、取れるもんなのか?』

「だいたいムリだな」

「でも頑張る、エアは俺のだから」

『っ、またそういう///』

 

 

「よっしゃあ!!」ギュー

『ふふっ、よかったな』

「なんだよ?笑うことないだろ?」

『いや、すまない、子どものように喜ぶ姿が可愛らしくてな』

「…俺のほうが年上なんだけどなぁ」

 

『!あれはっ!すまない、少しいってくる!』

たったったったったったっ

「ちょっ!まって!」

たったったったったったっ

 

『すまない、あまり我が校の生徒に干渉するのは控えていただきたい』

男a「おっ、こっちの娘も可愛いじゃん!」

b「浴衣似合ってるねぇ!」

モブ娘1「せんぱいっ!」

a「ねっ、みんなで俺らとあそぼーよ!」

a「ぜったい楽しいからさ!」

『断る』

b「つれないなぁ」

a「じゃ、ちょぉっと痛いかもだけどガマンしてnい"っっってぇ!!!」

b「!大丈夫か!?」

b「てめぇ!俺のツレになにしてんだよ!!」

「それはこっちの台詞だ」

「俺の妻に何をしようとしていた!!!」ギロッ

ab「ひぃっ!」

「おい、答えろよ」

「この手で、俺の女に何しようとしたんだって聞いたんだ!!」

ab「ごっ、ごめんなさ「は?」」

「お前ら日本語わかる?俺は何しようとしたんだって聞いたの、まだ謝罪は求めてない」

a「たっ、ただっ、あ、あそびに誘って…」

「嫌がってたのに?無理矢理?」

「じゃあ、俺が、嫌がってるお前らに何しても良いんだよな?」

b「ゆ、ゆるしてっ」

 

ギュッ

『は、はるとさん!もう、大丈夫だ、大丈夫だから』

「でもっ」

『せっかくの祭が台無しになってしまうぞ?』

『貴様らはもう行け!2度と強引な勧誘はするな。次はないぞ』

ab「ごっ、こめんなさぁぁぁぁい!!!」ダッ

 

「…良かったのか?通報したほうが…」

『言っただろう、せっかくの祭が台無しになってしまうと』

『あんな奴等に使う時間がもったいない』

モブ12「あっ、あのっ!助けていただきありがとうございました!」

「気にするな」

2「でも、私たちのせいでエアグルーヴ先輩まで…」

『構わない、うちの生徒に気安く手を出されては困るし、なにより彼が助けてくれたからな』

『ほら、お前たちももう行け』

『今度は人の多い所を歩くんだぞ』

ab「はっ、はいっ!ありがとうございました!」

 

 

 

『一件落着、か?』

『私からも礼を言わせてくれ。ありがとう』

「…エアグルーヴ」

『!なんだ?』

「なんで、1人で行ったんだ」

「一昨年だって、エアグルーヴはナンパされる当事者で怖い思いしていただろ」

「今度は俺も近くに居たのに、どうしてっ!」

「そんなに俺は頼りないか…?」

『そんなことない!』

『その、それこそ一昨年にも私を助けてくれたとき、春翔さん殴られてしまっただろう?』

『それに、あの時怯えてもいた』

『またあなたが傷つけられるかもしれないのに、あなたが怖い思いをするかもしれないのに、わざわざそんな選択肢はとれない』

「それでも!」

「俺はどんだけ怖い思いをしても、どんだけ傷ついても良いんだ、エアが他の男に触れられたり、ましてや俺の前から居なくなるほうがよっぽどつらいんだ!」

『それがだめだと言ってるんだ!』

『わたしは!あなたに痛みに慣れてほしくない…、もう傷ついて欲しくないんだ!』

『それに私はウマ娘だ、本当に危険だと判断したら力ずくで何とかする』

「どうにかなんなかったら?」

「もし、無事に退けられたとしても、エアグルーヴが一般人に暴力を振るったって一元的な情報が流れてレースに出られなくなったら?」

「どうするつもりだったんだ?」

『それは…』

「いくらウマ娘でもエアだって1人の女の子なんだ、俺にとって1番大切な人なんだ」

「…分かったらもう2度とあんなことしないでくれ」

『…分かってないのはあなたの方じゃないか…』

「何がだよ」

『っ、もういい!私は帰る!勝手にしろ!』

「!そうかよ…」

 

 

 

 

その日結婚して以来初めて床を別にし

2年前のあの日から続いていた髪としっぽのケアも、結局自分でした

 

花火は…見れなかった

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