『「ふぅ…」』
夜、我が子たちを寝かしつけ自分たちも寝室のベッドに腰かける
「今日もなかなか大変だったよ、怪獣さんたち」
『だろうな』
『アドマイヤは絵本を読んで感想を言い合っていたら興奮してしまったみたいでな…』
「そっちもか、おつかれ」チュッ
『!』
『急に、なんだ…///』
「エア…メンテナンス、しよっか」ナデナデ
『めんて、なんす…』
「うん」
かつて…結婚前、いや付き合う前に彼が言っていた
私がいつも尽くしてくれる彼に何を返せるのかと話したときだ…
「ほら、おいで」パッ
『っ!///』ポスッ
「うん…いいこだね」ナデナデ
『…子ではないだろう…』ギュー
「どうだろ…年とったもんね…2人とも」ナデナデ
『あぁ…速いものだ…ほんとうに』ギュー
「10年以上一緒にいるんだもんな…」ナデナデ
『付き合ってからちょうど10年だ…』ギュー
「ふふっ、よく覚えてるね」ナデナデ
『…あなたは…覚えてないのか……?』ウワメヅカイ
「思いだせはするよ…あんまり意識はしないって感じ」ナデナデ
「これからも一緒にいてくれるでしょ?」ナデナデ
『あたりまえだろう…そんなこと』ギュー
「つーか、それを言うなら結婚10周年もすぐそこだな」ナデナデ
『もうそんなになるか…』ギュー
「覚えてないのか?」
『ふっ…まさか……あなたとの日々を忘れるなどあり得ん』
「ふふっ、そっか」ナデナデ
『…あぁ』ギュー
「…エアはいつまで経っても可愛いねぇ」ミミサスサス
『…そんな年でもあるまいに……あなたこそいつまでも見てくれは変わらんだろう』スリスリ
「えっ、先週髪切ったんだけど…気づかなかった?」
『たわけ』スリスリ
ベッドの上、左腕で腕枕をしながら右手で妻を愛でる
頭を撫でて、手櫛をいれて、耳も揉んで…
申告せずともどこでも安心して触らせてくれるような関係になれたことはなんとも嬉しい限りだが、もう照れ隠しは見れないのかと思うと寂しくもある
左腕を後頭部から回して耳をマッサージしながら右手は彼女の腰…しっぽに向かわせる
「エア」サラサラ
『うん?』スリスリ
「なんでもない」サラサラ
『たわけ…』ギュー
『…こうしていると安心するな……』ギュー
『あなたの鼓動が聞こえる……』ギュー
「…死んでると思われてる?」サスサス
『…そうかもな』ギュー
「!」
『心音だけではない』
『呼吸して胸が上下したり…くっついて体温を感じたり…声がきこえたり…あなたの存在を感じられるのが…安心する……』ギュー
「…俺もそうかも」ナデナデ
「エアに抱きしめられたり、撫でられたり…そういうの…なんか落ち着く……好きだなぁ、って思ったり」ナデナデ
『そうか…』ギュー
『あなた…』ギュー
「うん?」ナデナデ
『なんでもないぞ…』ギュー
「なんだそれ」ナデナデ
『「ふふっ」』
『そうだ…せっかくだから交代だ』パッ
「おじゃましまーす」ポスッ
「すぅー…あーめっちゃいいにおいするー」ギュー
『…嗅ぐな』ナデナデ
「やっぱりエアのおっぱいはいいねぇ…」ギュー
『セクハラだぞ』ナデナデ
「夫婦にセクハラも何もないだろ」ギュー
「俺だけの特権なんだし」モミモミ
『…揉むな』ナデナデ
「…」ギュー
『…』ナデナデ
「…」ギュー
『…』ナデナデ
「あー、やばい…寝そう…」ギュー
『そうしていると子どもみたいだな』ナデナデ
『あの子達とそっくりだぞ』ナデナデ
「おやこだからな…」ギュー
「でも子どもみたいではないだろ、おれもうアラフォーだし」ギュー
『関係ないだろう…私にはそう見えるんだ』ナデナデ
『眠いなら寝ても良いぞ』ナデナデ
「んー、ねない…」ギュー
『…説得力の欠片もないぞ』ナデナデ
「せんしゅこーたい」パッ
『!』スポッ
「ほら、寝かしつけてやるよ」ナデナデ
『…1人で寝れるぞ、あなたと違って』ギュー
「はっ、俺だって1人でも寝れますけど?」ナデナデ
『強がるな』ギュー
「好きな女の前ではカッコつけたくなるもんだろ」ナデナデ
『っ!///』
「寝てもいいんだぞ?」ナデナデ
『ふんっ、あなたと一緒にするな』ギュー
「…」ナデナデ
『…』ギュー
「…」ナデナデ
『…』スリスリ
突如訪れる沈黙
恋愛関係になる前のそれとは違って不思議と心地よいそれはこの2人を微睡みに落とすには充分なBGMだった
『…たまには、いいのかもな』
『こういうのも』ギュー
「たまにじゃなくてもいいものだろ」ナデナデ
『そうだな』スリスリ
「…エア」ナデナデ
『…なんでもない、は聞かんぞ』ギュー
「ううん」
「愛してるよ」
『!』
『…わたしも…愛しているぞ……ずっと』ギュー
「奇遇だな」ナデナデ
『あぁ、奇遇だ』ギュー
「おやすみ」チュッ
『おやすみなさい』
きっと、これが幸せなのだ
多くは望まない
でも、今ある全てにあって欲しい
失いたくない
平凡な日常こそが特別で、幸せだ