リン「やったー!!!」
マイ「おみずいっぱい」
シップ「たき」
結翔「やま」
ショパン「うっ!」ブンブン
カーリー「やっぱりいいとこだよねココ、ありがとうお兄ちゃん」
今は待ちに待った夏休み
毎度お馴染みのメンバーで以前にも妻とその妹たちとも来たキャンプ場に来ていた
本当は海に行きたかったのだが生憎我が家の末っ子ウマ娘ショパンはまだ乳児で体調管理も大変だし母であるエアグルーヴもあまり楽しめないのではないか、ということで山でキャンプになった
山で一泊二日、帰りに温泉で一泊二日の予定だ
「まずはテント建てよっか」
力持ちなウマ娘ちゃんたちに指示を出して数年前に購入したテントを張る
「リンちゃん、そのパーツはあっちに付けて」
『うん?ショパンもやりたいのか?』
『お前にはまだはやいと思うぞ…』
「ショパンはまた今度、もっとおっきくなったらお手伝いしてね」ナデナデ
ショパン「あっ!」キャッキャッ
「うーん、可愛いねぇ」チュー
『ふふっ、まったく』
マイ「おとうさま!できたよ!!かんせー?」
「うん、あとは防水スプレーだけやっておこうか」
お父様「春翔くん、もう火を起こしておいていいかい?」
「お願いします、着火材も木炭と一緒に置いてあります」
お母様「あらあらお父さんったらカッコつけちゃって、できるの?」
お父様「まかせろ」
お母様「あなたたちもあまり遠くに行ってはダメよ?」
ちびっこ「はーい」
マイ「かーりーちゃん、あっちいこー!」
カーリー「うん、いいけど…」
マイ「あっちにね、てんとーむしさんいたの」
結翔「ねーちゃん、かぶとむしさ、いた」
リン「うーん、これクワガタじゃなかったっけなぁ?」
シップ「ぐねぐね」
カーリー「ミミズじゃん!」
マイ「あっ!いっぱいとっておかあさまにみせてあげよう!」
近くの木や土をほじくりかえして虫を見つけようと躍起になる子どもたち
当然そんな事情を知らない母は
『みんなそろって何をしているんだ?』
『花でも探しているのか?あまり植わっているようにも見えないが…』
呑気に子どもたちの背を見守っていた
結翔「いっぱいとれた」
マイ「まいもいっぱいだよ」
シップ「しっぷも」
たったったったったったっ
可愛い可愛い我が子たちが両手に何かをのせてこちらへと走ってくる
『どうしたんだ?』
マイ「おかあさま!みてみて!」
結翔「いっぱいとれたよ!!」
シップ「ままもいる?」
あぁ、なんて可愛らしい子たちなのだろう
まして自分の獲物を分けようだなんて
優しい子に育ってくれて母は嬉しい限りだ
手に乗っている獲物が虫でさえなければ
マイ「すごいでしょ!」ブンブン
『あ、あぁ…すごいな…本当に…うん』
『よくこんなに捕れたな…』
あぁ、頼むから虫をこれ以上近づけないでくれ
なんでそんなものを素手でもてるんだお前たちは?本当に私の子か?
結翔「かーさんもいっしょにとる?」
『い、いや、私はいいぞ…お前たちで楽しんでくれ』
シップ「ままにいもむしさんあげるー!」
『へっ!?い、いやいやいや、虫さんが可哀想だろう、土に戻してあげてくれ、頼む』
『お前たちだってずっとおうちに帰れなかったら辛いだろう?』
マイ「たしかに…ごめんねむしさん…おうちかえろうね」
『よし、いいこだな』ナデナデ
『ちゃんとお手々洗うんだぞ!念入りに!綺麗にな!!』
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「ふっ…くくっ…ぷっ…ふふふっ…」
あー、だめだ、面白い
お義父さんの火起こしを手伝って、ふと妻の方に目をやると
椅子に座ってしっぽを膝のうえにしまい、耳をくるくると動かし目に見えて同様している愛妻の姿があった
対して彼女の目の前に立つ子どもたちは母に両手を差し出してニコニコと
娘たちはしっぽもブンブン耳もピコピコと楽しそうだ
ほう、どうやらウチの子たちは捕ってきた虫を大好きな母に自慢しようと…だがエアグルーヴは大の虫嫌い、今すぐに虫を遠ざけたい気持ちと母としてたくさん虫取りをできた子どもたちを誉めてやりたい気持ちとで対立しているようだ
あっ、虫を逃がしに行った
しっぽも耳も落ち着いてきたな…ふむ
ひっそりと妻の背後に近づく、足音で悟られないようにゆっくりゆっくり
膝のうえから下ろされ椅子の端から垂れている鹿毛に指を近づけ
もぞもぞもぞ
『ひゃー!!!』ダンッ
「いっっった!!」
しっぽに指を潜らせてみると蹴られた
痛かった
すごく
そんなことのために鍛えさせた訳じゃないぞ、その足は
トレーナーさん心外
『び、びっくりした…あなたか…』
「何も蹴ることないだろ?」
『あなたがイタズラするからだろう!』
『虫かと思ったぞ…』
「だってエアちゃんがかわいくてぇ♡」
「ホントは虫を近づけようかと思ったんだけど、流石に俺殺されると思って」
『あぁ、私もその年で夫を手にかけたくないぞ』
『まったく…あの子達のイタズラ好きは間違いなくあなたの血だな…』
「そこは疑ってない」
『たわけ、そういう意味ではない』
カーリー「お昼もうできるよ」
「ん、ありがと」
「いよっし!ちびども!ごはんだぞー!!」
ちびっこ「はーい」
『このにんじんは絶品だな』ブンブン
「だな、友達にもらったんだよ…ほらあのジュースくれるやつ」
『そうか、今度礼を言っておいてくれ』ブンブン
「おう」
「そんなにしっぽ振って…バーベキューするの嬉しいんか?」
『違う!さっきのしっぽの感覚が取れないんだ…虫がいるみたいで気持ち悪い』
「えー?なんでだろー?かわいそー」
『貴様?』
「ごめんなさい」
シップ「ぱぱ!しっぷもにんじん!」
「はい、ちゃんとふーふーしろよ?」
ショパン「んっ、んっ」グイグイ
『ショパンもご飯か?』
『少し行ってくる』
「いや、哺乳瓶持ってきてるよ…ほら」
『ありがとう』
お母様「ふふっ、ショパンちゃんが大きくなったらまた来たいわね♪」
「ですね、今度は海にも行きたいです」
リン「海!?いいなぁ、楽しみ!」
「夏の海は暑いぞー?」
『あなたは大丈夫なのか?スケジュール的に』
「なんで?」
『仕事に完全復帰したら夏合宿があるだろう?』
「あー、うん、そうかも」
「でも夏合宿行くほど育てたい娘いないんだよなぁ」
「エアちゃん一緒に行く?」
『行くわけがないだろうたわけ』
お母様「あらあら仲良しね♪」
「いーじゃん、札幌記念はしろーよ!」
『無茶を言うな!』