キャンプ 1日目 夜
『みんなすっかり眠ってしまったな』
「まあウチの子たちにとっては初めての体験だったしな…カーリーちゃんたちもレースと勉強とで息も詰まってただろうし」
『あなたは平気か?』
「ん?」
『疲れてないか?』
「うーん、疲れてはいるよ」
「でも楽しくてまだ寝れそうにないかな」
夜、子どもたちも両親もテントに籠ったあとエアグルーヴ夫妻は未だ外でコンロの火を眺めながら2人語り合っていた
「エアは?楽しかった?」
『あぁ、子どもたちの新しい一面も見れたしな』
「虫持って迫られても?」
『あなたよりは悪質でないだろう』
「そうかぁ?でもきっとシップとかはやるようになるぞ」
『そうだな』
『まったく…困ったものだ』
「大変だねぇ」
『誰のせいだと…』
「ふふっ」
「エア、寒くない?」
『うん?へいき…いや、少し冷えるな…』
「だね、俺も…」
「寒いからさ、こっち来てよ」
『あぁ…寒いからな…』
夜でもまだまだ熱の残る真夏の深夜
2人は椅子を近づけて身を寄せあう
「ん、手冷たくない?」
『…ずいぶんと気が利くな…』
「そりゃどーも…女帝の杖ですからね」
暑くてもかまわない
汗をかいていることも、体温が高いことも分かっている
分かっていてもなお
『あなたは暖かいな…』
「エアのほうが体温高いハズなんだけどなぁ…」
口ではなんやかんやと不毛な音を発しながらも愛しい人の手の感触を楽しむ
にぎって
はなして
またにぎって
もんだり
なでたり
くすぐってみたり
爪で軽くひっかいたり
しばらくはしていなかったプラトニックで、官能的なスキンシップ
『…なんだか恥ずかしいものだな……最近はすっかりこんな時間はとれていなかった…』
「そうだね」
「でも、俺はこういう時間も大事にしたいよ…たまにしかできないけど」
『…たまにだからこそ良いのだろう…しつこい程にしていては有り難みも何もなくなってしまう』
「そっか…うん、そうかも…」
『…』ポスッ
「!」
「珍しいね、あたま預けてくれるの」
椅子の垣根など関係ない、と言わんばかりに女は男の肩に頭を預ける
『いいだろう…"たまに"は』
「これは、たまにじゃなくても嬉しいなぁ」
『…たわけ…』スリスリ
「ふふっ…」ギュー
『…』
「…あー」ギュー
『うん?』スリスリ
「どうしよ…すっげーすき」ギュー
『…今に始まったことでもないだろうに…』
「うん…そうなんだけどさ、なんかこう…気づいたらさ、どんどん好きになってくの」
「ずっと100%なんだけどさ、容量がおっきくなってく感じ?」
『それは分かる気がするな…』
『惚れ直す、というと少し違うが…改めてあなたが好きなのだと…愛おしいのだと再認識することがある…』
「…今日はずいぶん素直なんだな///」
『"たまに"だからな…照れてるのか?』
「…こまってる……うちの奥さんかわいすぎて…」
『なっ!?///』
「エア…」チュッ
『っ!///』
『だっ、誰かに見られているかもしれないだろう……』
「いいだろ…ちゃんと教えてやらないと」
「このコは俺の奥さんなんだって…」
『すぐにそういう…///』
「ほら、もう一回」チュッ
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一方その頃
リン「ねえねえ、なんかお姉ちゃんたち"イイカンジ"じゃない?」
カーリー「ホントだ…くっついてる…」
リン「あっ、手ついないだ」
カーリー「なんか手だけでイチャイチャしてるっぽくない?」
お母様「いいわねぇ…アツアツじゃない♪」
カーリー「!あたま預けてるよ…お姉ちゃんが…あのお姉ちゃんが」
リン「お兄ちゃんも嬉しそうにしてるね」
お母様「羨ましいわぁ…」
リン「ちゅーした!お姉ちゃんちゅーした!!」
カーリー「ラブラブだぁ…///」
二人きりだと思っていた世界は完全に家族に見られていた…漏れなく全て見られていた
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翌日
「忘れ物はないか?」
『大丈夫そうだな』
お母様「バッチリよ」
「じゃあ行きましょうか」
---------------------------------------------------------------------------数時間後
「ふぅ…ついたぞー」
『長時間運転してもらってすまないな…』
「ぜんぜん…これからゆっくりするんだし」
リン「温泉だぁ!」
カーリー「すでに高級感がすごい…」