世界一幸せなトレーナーとエアグルーヴ   作:たわけ

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エアさんの育児指導1

お母様「うーん、その日はどうしてもねぇ…ちょうど繁忙期なのよね今時期は」

お母様「私もお父さんも難しいわ」

 

『そうですか…』

 

お母様「あっ!せっかくならカーリーにでも頼んでみれば良いんじゃない?あんたの頼みなら喜んで引き受けるでしょ?」

 

『ですが…』

 

お母様「リンならまだしもカーリーなら大丈夫じゃない?別にひとりで留守番させるわけでもあるまいし」

 

『そういうことなら…』

 

 

数日前に夫が絶望的な表情で仕事部屋から姿を現したかと思えば泣きそうになりながら私に告げた

「エア…週末なんだけどさ…仕事になっちゃった…ワンチャン泊まりで…」

 

あの時の夫の悲壮感に溢れた顔はしばらく忘れられないだろう

 

夫が一日いない…それはただ寂しいだけでなく、怪獣2名を含む子どもたち4人を一人で見なくてはならないということも意味していた

 

普段であれば実家を頼るところなのだが、先程の電話その実家も両親の経営するスクールの繁忙期で時間がとれないときた

 

最悪アドマイヤは幼稚園の午前保育という手もあるのだが…

 

『やはりお願いするしかないか…』

 

心配は尽きないが手は多い方が良い

 

妹たちに連絡をとることにした

 

 

 

 

 

[newpage]

 

大号泣寸前の夫を見送り可能な範囲で朝の家仕事を進める、が

 

まったく手につかない

 

今日に限ってショパンはおとなしくベビーベッドに居てはくれず、抱っこ紐もいや

 

腕に抱いているしかない、シップや結翔に関しては言うまでもないだろう

 

アドマイヤがどうにかお手伝いをしようとしてくれるのが救いだが

 

『頼むから大人しくしていてくれ…』

 

 

そんな私の悲痛な叫びが届いたのか

 

 

ピーンポーン

 

 

『きたか…!』

 

 

頭を下げて手伝ってもらうというのになんだが、これは賭けだ

 

妹たちでは全くダメだった場合はゼロどころかマイナスになる

 

 

ガチャ

 

リ、カ「おじゃましまーす!」

 

『よく来たな』

『早速で悪いが手を借りたい、洗面所に行ってから手伝ってくれ』

 

 

 

カーリー「おまたせー」

 

洗面所で手洗いうがいを終えた妹たちが戻ってくる

 

『あぁ、悪いが洗濯物をお願いしてもいいか?』

 

リン「どこに干すの?」

 

『小物類はもう干してあるんだ。残りは庭に干してもらいたい』

『ハンガーなんかは洗濯機の横にある』

 

リン「りょうかーい!」

 

マイ「あっ!りんちゃんだ!」テクテク

 

リン「おはよーアドマイヤちゃん」ナデナデ

 

マイ「えへへ」ブンブン

 

『アドマイヤ』

『リンとカーリーのお手伝いをしてやってくれるか?』

 

マイ「おてつだいする!」ピコピコ

 

リン「レッツゴー!」

 

 

3人が洗濯物を干している間にもやらねばならないことはあるのだが

 

 

シップ「まま!しっぷもだっこ!」グイグイ

 

結翔「かーさん、ぶーぶとって!」

 

ショパン「あぁー!」オギャー

 

『はぁ』

 

 

とてもじゃないがこの子たちを相手しながらでなんて出来たものではない

昨晩の夫との交わりで体力も削がれ腰も痛む、睡眠だって足りていない状態でコレはキツイ…

 

 

カーリー「おわったよー」

 

『あぁ…ありがとうな…』

 

リン「次は?何すればいい?」

 

『悪いが子どもたちの相手をしてやってくれ…』

『ショパンにご飯をあげなくては』スクッ

 

カーリー「?ごはんならここであげればいいじゃ

ん」

カーリー「まだおっぱいなんでしょ?」

 

『ん?ああ、搾乳してあるのを温めるんだ』

『シップの分も少しあるからな』

 

リン「ねえ!それリンがやってもいい!?」

 

『構わないが…大丈夫か?』

 

マイ「りんちゃんぴあのやろー!」

 

リン「うん♪」

 

『では温めはカーリーにお願いしよう』

 

カーリー「わたしミルクあっためたことなんて無いけど…」

 

『私だってアドマイヤが生まれるまではなかったさ』

『だが今のうちに経験しておけば将来役に立つことは間違いないぞ、ちょうどウチにはいい実験台がいるからな』

 

 

母がミルクを温めにキッチンへと向かったのを見て落ち着かないものが1人

 

シップ「!」テクテク

 

リン「あっ!シップちゃん、ダメだよ邪魔しちゃ」ダッコ

 

シップ「やっ!まま!」

 

結翔「りんちゃんぶーぶする!」

 

マイ「むぅ、りんちゃんはまいとあそぶの!」

 

『やれやれ、こまった奴らだ…』

 

カーリー「…体いくつあっても足りないね」

 

『全くだ…もう少し期間を開けて産むべきだったかもな』

 

 

他のきょうだいよりも凛々しい顔つきをして短いしっぽをブンブン、ウマ耳をぴこぴことご機嫌に動かしながら哺乳瓶を持っている母のもとへ駆け寄るちびっこ

 

シップ「まま!」グイグイ

 

はやくよこせ

 

そんな主張が丸見えな次女に母は告げる

 

『まだだ』

 

 

おかしい、いつもならすぐにくれるのに

 

 

『カーリー、リン、あげてみるか?』

 

リ、カ「うん!」

 

 

そうしてリンはシップ、カーリーはショパンをお膝にのせミルクをあげることに

 

 

シップ「ん!ちゅーちゅー!」グイグイ

 

自分の哺乳瓶を手に持っているリングレットの服をぐいぐいと引っ張り、耳を絞って不満を抗議する

 

リン「ちょっと待ってよぉ…はい、」ダッコ

 

シップ「んくっ…ん…んくっ」チューチュー

 

リン「おいしーい?」

 

シップ「んくっ……んくっ…」チューチュー

 

リン「夢中だね…」ナデナデ

 

 

一方ショパンはというと

 

『抱くときは腕をだな…』

 

『そうだ、頭は特にしっかり支えるんだぞ』

 

 

ショパン「あ"ー!」オギャー

 

大好きな母に抱いてもらえず、腹も空かせてすっかりご機嫌ナナメだった

 

カーリー「ほーら、ショパンちゃん、ミルクだよぉ…」

 

ショパン「うー」

 

ショパン「んくっ………んくっ…」チューチュー

 

『なかなか上手じゃないか』

 

 

 

その後もお昼頃まで細々した家事や姪たちの世話をしながら過ごし

 

『ご飯できたぞ』

 

バタバタバタ

 

お腹を空かせたちびっこたちが一斉に食卓へと押し寄せる

 

 

『こーら、おててを洗ってからだ…お前たちもだぞ』

 

リ、カ「はぁい…」

 

 

洗面所でしっかり手洗いをすませて今度こそお昼ごはんだ

 

 

いただきまーす

 

 

シップ「ん!ちゅーちゅー!」グイグイ

 

リン「へ?あー、お姉ちゃんシップちゃんのミルクは?」

 

『いや、シップはお昼は離乳食だ』

『ミルクは決められた時間にしか与えていない、どんなにねだられてもあげるなよ』

 

『ほら、せっかくだから食べさせてもらえ』

 

『のどにつまらせないように少しずつな、スプーンの先端にのせるくらいでいい』

 

 

どうにかしてお昼ごはんも終わり、

 

 

リン「もう!全然寝てくれないよぉ」

 

『お前たちがいて興奮しているのかもな』

 

 

 

カーリー「やっと寝てくれたぁ…」

 

『まだだぞ、子どもたちが寝ている間に残りの家事をするんだ』

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