いつもの夕方、アドマイヤの幼稚園へお迎えの時間
マイ「せんせーさよーなら」
ドーベル「はい、さようなら」
ドーベル「アドマイヤちゃん、がんばってね」コゴエ
マイ「うん!」コゴエ
「?」
「マイ、先生と何話してたんだ?」
マイ「えへへ…まだひーみつ!」
「えー?また秘密?いいじゃん、お父さんにも教えてよ!」
マイ「だめー、ひみつだもん!」
「ちょっとだけでいいからさ」
マイ「だめだもーん」
「ずるいなぁ…」ワシャワシャ
マイ「えへへ」ブンブン
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帰宅
マイ「ただいまー!」バタバタ
『おかえり』
『まったく…最近はアドマイヤもすっかりやんちゃというか…』
「ふふっ、まあ元気でいいことじゃないか?」
「ただいま」
『おかえりなさい』
「なぁマイちゃんや?そろそろ教えてくれても良いんじゃないかい?お父さん気になっちゃうなぁ」
マイ「だめ!まだひみつなの!」
「えー?」
『なんだ?』
「お迎え行ったときにマイとドーベルがなんか小声で話しててさぁ、気になるじゃん?」
『そういうことか…まだ、と言うからにはいずれ分かるのではないか?』
「そりゃそうかもしれんけど、いま知りたいじゃんか」
『ふふっ、あなたも子どものようだぞ?』
『ほら、ご飯が出来たぞ!』
子どもたちも一斉にその声に反応すると洗面所へダッシュ
みんな「『いただきます!』」
みんなでしっかり手を合わせていただきますの挨拶をすれば、もう我が家のちびっこたちは止められない
シップ「…はぐっ…ふっ……むぐっ…」モグモグ
結翔「ん…はぐっ…んぐ……」モグモグ
『こら、シップ…結翔もそんなに急いで食べるな、誰も取らないから落ち着いて食え…喉につまらせてしまうぞ』ニコニコ
マイ「…んくっ……はぐっ…おいしー!」ブンブン
『そうか、口に合ったならなによりだ』ニコニコ
ショパン「ん~あっ!」グイー
「ん?ショパンも気になるのか?」
「ショパンはまだ食べられないぞ、もうちょっと大きくなってからだ」ナデナデ
みんな「『ごちそうさまでした!』」
食後にちびたちの手も借りながらお片付けをし、ゆっくりとティータイム…というところだったのだが
マイ「おかあさま!おとうさま!」
「『うん?』」
マイ「はいっ」
アドマイヤグルーヴの小さなおててから渡されたのは便箋用には少しだけ大きく、ハートのシールで留められた真っ白な封筒
「これは?」
何かと思い裏返してみると、そこにはピンクのクレヨン、大きな文字で
しょうたいじよう
『招待状…だろうか』
『開けてもいいか?』
マイ「うん!」ブンブン
アドマイヤは先ほどからウキウキと忙しない
しっかりとした素材で出来たそれを開封し、中から半分に折られた紙を取り出して開くと
ようちえんのがくげいかい に
おかあさま と おとうさま を
ごしょうたいします
ばしょ: ようちえんのほーる
にちじ: 10がつ20にち 13じから
ぜったいきてください
あどまいやぐるーう"
ドーベルによって穴埋め形式にされた厚手の紙に愛娘の文字で内容が埋められ、所々シールやイラストで器用にデコレーションされている
「ははっ、うん、ありがとうマイ」
「確かに受け取ったよ、お父さんもお母さんも絶対行くよ」ナデナデ
マイ「ほんとぉ?」ブンブン
「もちろん」
『私も必ず出席しよう』
マイ「やったぁ!」ブンブン
[newpage]
そんなやり取りがあったのが約1月前のこと
いま、俺たち夫婦は宣言通りアドマイヤグルーヴの幼稚園に足を運んでいた
途中でバッタリ会ったフジキセキ夫妻も一緒だ
フジ「そういえばエアグルーヴ、君のところにはもう少しポニーちゃんがいたと思うんだけど」
『うん?あぁ、真ん中2人は実家に預けてきたんだ』
『この子はまだ乳児なのでな』
フジ「そうだったのか」
フジ「よろしくね、ポニーちゃん♪」ナデナデ
ショパン「ん~」
ーまもなく開会いたしますので、ご着席ください
「おっ、もう始まるみたいだな」
『アドマイヤは大丈夫だろうか…』
「まっ、幼稚園の劇だしな…そんな気負うもんでもねぇだろ」
俺たちは無事に最前列アリーナ席を確保していた
劇の演目は3女神伝説だ
偉い大学の教授たちによって書かれた論文から幼児向けの児童書まで幅広く知られているウマ娘を代表する作品のひとつだ
ブー
開幕の合図がなり劇が始まる
主役はフジキセキ夫妻の娘キンシャサノキセキだった
キセキ「あぁっ…わたしはいったいどうすればっ……ちちうえ、ははうえ…3女神さまっ…」
そして我が家の長女はというと
マイ「ついてこられるかしら?」
3女神のひとりゴドルフィンバルブ役だった
癒し系だもんな、分かるよ
キセキ「ありがとうございますさんめがみさま…どうか、どうかこんごともごかごを…」
ブー
パチパチパチパチ
素晴らしい、素晴らしかった
娘の演技だけでない
マイの魅力を最大限まで引き出す衣装
そして少し悔しさはあるもののキンシャサノキセキの演技は圧巻だった
『おまえの娘だったか……演劇の習い事でもさせているのか?』
フジ「あはは!うん、ご名答」
フジ「まだちっちゃいけどね」
「そろそろ行くか」
こうして長い学芸会は終わりを告げた
帰ったらマイをうんと誉めてやらねば