とある平日の夕方頃、愛娘のアドマイヤグルーヴのお迎えに行き夕飯までの時間を各々まったりと過ごしていた
ちなみにだがアドマイヤグルーヴは難しい顔をしてオモチャ箱を眺めており、選ばれたのはブロックのオモチャ
長男と次女は段ボールをぶっ壊すというまたまた物騒な遊びを笑顔でしており、末っ子ショパンはハイハイでひたすら妻と俺の間を往復している
行く先々でたくさん撫でられて嬉しそうだ
そして俺はというとテキトーに情報番組を垂れ流していた
キャスターが言うことには本日のトピックは"イクメン"だそうで、なんでも近年育児に協力的な父親が増えてきており子どもたちもパパ大好き、というのが珍しくないと
一昔前の一家の大黒柱たるもの亭主関白たれ、といった昭和の価値観とは180°打って変わった内容だ
では、だ
我が家の子どもたちはどうなのだろうか
自分で言うのもなんだが、俺は割と育児には力を注いでおり子どもたちとも関わっていると思う
うちのちびっこたちは俺と妻のどちらが好きなのか
この議題は父親として非常に興味深いものであった
別にどちらが好きだとしても俺からの愛情は変わるものではないし?そもそも普段からあの子達に好かれてるのも自覚あるし?まあそんなにヒドイ結果にはなんないよな、2対1とかそんなんだろ、3対0はないだろうし、うん、気にしないし大丈夫
誰に対してかよく分からない強がりを発揮し、いざ口に出す
「ねーねー、みんなはさぁ、お父さんとお母さんどっちの方がすき?」
『?』
マイ「おかあさま!」
結翔「かーさん」
シップ「まま!」
「…」
そんなヒドイ結果にはなんない
「…は、はは」
好かれている自覚がある
「ふふっ、そうだよな」
3対0はないだろ2対1くらい
「みんなママ派かぁー…まあこんなに可愛くて美しく、優しさと母性も兼ね備えていて料理上手なんだから当たり前だよなぁ」
「そんなに幼くしてお母さんの素晴らしさが分かるだなんて凄いじゃないか、うん、流石は俺の子だなぁ」
「俺もお母さん大好きだからなぁ」
あー、つらい…どーしよこれ
恥ずかしいのとショックとで死にそう
『まったく…』
シップ「ままだいすき!!」ギュー
結翔「ぼくも!」ギュー
マイ「まいも!」ギュー
『おっと…』ナデナデ
いや別に羨ましいなぁとか思ってないし
俺も混ざりたいなぁとかも思ってないぞ
どうして誰も俺のところに来ないのかなぁとかも考えたことすらないし?
ぜんぜん泣いたりもしてないからね!!
そんなこんなで俺の心に酷く大きな傷を残して人気投票は幕を下ろした
かに思われた
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夜
今日は妻がこども部屋に寝かしつけに行っている
大好きな母から美味しい母乳も飲ませてもらってご機嫌なショパンは俺が寝かしつける日だ
「よーしよしショパンお父さんだぞ~」ダッコ
ショパン「ん~んっ!あー」キャッキャッ
「ふふっ、可愛いなぁもう」ギュー
「ショパンはお父さんのこと大好きだもんなぁ?そうだよな、そうに決まってる」
「ショパンはお父さんが大好きになーる」ギュー
ショパン「うー!あっ!」キャッキャッ
そうして末の娘とじゃれあっていると
ガチャ
「『あっ』」
ショパン「うー?」
あまりの気まずさに固まる両親
何が起きたか分からず不思議な娘
先手必勝、そう言わんばかりに先に動いたのは俺だ
「おかえりエアどうだった?おとなしく寝てくれるかなぁ」
『…あぁ、みんな今日はすぐに寝付いたぞ……ぐっすりだ』
「そっかぁ」
『…あなたはどうだ?』
「いや、ちょっとその、ショパンと遊んでたんだ」
『寝かしつけろと言っただろうに…まったく』
「あはは、ごめんごめん」
厳しい言葉とは裏腹に優しい声色と表情で娘を胸に迎え入れると、あっという間にちびウマ娘は眠ってしまった
ゆっくりとベビーベッドに置き、よし起きないなと小声で確認すると夫婦のベッドに潜り込む
俺も横になると突如、体が柔らかく暖かい何かに包まれる
「エア?」
それは俺の胸板に埋めていた顔を上げると、少し赤面して言う
『わ、わたしは、旦那さま派、だぞ……?///』ウルウル
だめ
むり
はんそくだろ、これ
オレの嫁がかわいい
「へ、へぇ…そりゃ光栄だ、俺のイチオシも女帝さまなんだよ///」
なんだか落ち着かなくなって、俺まで恥ずかしくなる
『…ホントは悔しかったくせに…』
『ショパンを洗脳しようとしてまでモテたかったのだろう?』
「そりゃ、かわいい娘たちにはいつまで経ってもパパ大好きで居てもらわなきゃ困るからな」
『ふんっ…わたしでは不満か?』
「んなわけ」
「俺の大本命はいつだってエアだよ、子どもたちとはベクトルが違うさ」
『っ!さっきまで恥ずかしそうにしてたくせに…よくも』
「ふふっ、愛の成せる技だな?」
『たわけ…』