東方電飾街   作:神谷涼

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(製作が)AIから始まった物語


001:Undercurse from Bottom

 

 空には、有毒にして強酸性の厚い雲。

 

 絶え間なく降り注ぐ雷が、随所の送電塔を焼き。

 

 街を鞭うつ如く如く、唸りを響かせ続ける。

 

 街は悲鳴をあげている。

 

 誰もが聞こえぬふりをする。

 

 誰もが気づかぬふりをする。

 

 悲鳴を踏みつけ、日々を生きる。

 

 弱者が、さらなる弱者を踏みつけ。

 

 悲鳴で悲鳴が、かき消されていく。

 

 街という贄の上、贄を積み上げる。

 

 ただただ頂点に立つ一人のために。

 

 頂点を見せぬよう。

 

 悲鳴を聞かぬよう。

 

 街はまやかしの光で溢れ、かりそめの快楽で覆われた。

 

 

 

 

     ――東方電飾街――

    ~Neon Lights Agony~

 

 

 

 

「こんなろくでもない世界に納得して

 へらへら笑って生きてられるなんて

 どいつもこいつも最悪に妬ましいわ」

 

「お前らが見て見ぬふりをするんなら

 いいさ、ぜんぶひっくり返してやる

 踏みつけたすべてに踏みつぶされろ」

 

 これは敗北の結末が待つ、反逆の物語。

 

 

 

 

EPISODE1:Undercurse from Bottom

 

 

 

 

 週末、夜のストリート。

 蛍光色の光と、電子性の音の溢れる場所。

 無数の雑多な人々が行きかう場所。

 

『通行人の皆様、停止ください、射撃します』

 

 警備ロボットの電子音声に、人々がピタリと足を止める。

 

「ッ! 撃ちながら言うんじゃないわよ! 妬ましい!」

 

 一人、少女だけが止まらず走る。

 その耳はゲームで知られるエルフの如く尖っている。

 数体のロボットは彼女を追っているのだ。

 

 背後から数発の熱線。

 人々の合間を正確に縫い、少女だけを狙う。

 少女の姿がブレる。

 一瞬、少女は二人になり、熱線は片方のみを通過。

 道路と壁面に焦げ跡を作ると同時に。

 射貫かれた少女の姿は消え、無事な一方が残る。

 

「あぶなッ! ちょっと、まだなの!」

 

 転がりながら、ロボットらの射線から離れんとする少女。

 巻き込まれまいと、近くにいた人々が慌てて距離をとる。

 ロボットに搭載された熱線銃に、特徴的な赤い光が灯った。

 

『射撃します』

 

 第二射撃が。

 

「お前をな」

 

 暴発したようにロボットは内から焼かれ、次々と煙をあげる。

 

「ヒャハハ! 相変わらず機械は融通が効かねぇな!」

 

 もう一人の少女が、ロボットの背後から現れた。

 一見すれば少年のようにも見える。

 黒髪に一筋だけ染めた赤い髪が印象的だ。

 

「アンタねぇ! 危なかったわよ! 能力使っちゃったじゃん!」

 

「チッ、うっせーな。間に合ったんだからいいだろ」

 

「あんな大手チェーン店じゃなくて、屋台ですればよかったのよ!」

 

「アアン? オレたちで弱い者いじめするってぇのかよ!」

 

「無銭飲食してる今の私たちって、絶対に屋台より立場弱いわよ!」

 

 ぎゃんぎゃんと喚き合う二人の周囲からは。

 みるみる人が離れていく。

 囁き声がざわめきとなり。

 恐怖と軽蔑の混じった視線が、二人を焼く。

 

「一瞬だけどあの女、二人に分かれたぜ」

「あのガキ、素手で警備ロボ壊しやがった」

「接続したんじゃねえのかよ」

「してねぇ、見ろよアイツ首に端子もついてねぇぞ」

「あの女もだ」

「なぁ」

「あぁ」

「まさか」「まさか」「こんな大通りに」

「あいつら……」

 

「“怪異”じゃないか?」

 

 その言葉だけ、やけに明確に響いた。

 一瞬の静寂。

 

「「チッ!」」

 

 二人が舌打ちする。

 

 同時に悲鳴。

 パニックが起きる。

 

「ああもう! せめて路地に入れてれば!」

「お前の脚が遅いからだろが!」

 

 言い争いつつも。

 ロボットから逃げていた少女の目が、緑色に輝いた。

 

 怖いもの見たさで二人を見ていた者たちに異変が起きる。

 

「ヒッ! ななななんでお前ら俺より後ろにいるんだ! おかしいだろ!」

「逃げるな! 俺を逃がせ! 俺より先に逃げるなぁ!」

「さささ先を走らないで! なんで私より先を走ってるのよぉ!」

 

 緑色の瞳を見た者たちがおかしくなる。

 煽られる嫉妬心、互いを見下し呪う心。

 狂乱が満ちて、群衆が乱れる。

 怒号。

 悲鳴。

 暴力。

 

「今の内に!」

「お、おう。やっぱ屋台相手だと弱い者いじめだぞ、コレ」

「言ってる場合!?」

 

 その隙に二人は路地へと逃げ込むのだった。

 

 

 

 

 テクノロジーで溢れたこの時代も、時に説明不可能の力を持つモノが現れる。

 人々はそれを“怪異”と呼び。

 理解を放棄した。

 怪異は、常人には危険極まりない存在。

 怪異を匿えば、怪異の協力者と見なされる。

 かつては一区画が住民ごと始末された例すらある。

 怪異に近づけば、命を失いうる危険ということ。

 その怪異自体が無害であろうとも、だ。

 

 怪異に近づき、怪異を捕縛または討伐できるのは……政府に認められた者のみ。

 怪異討伐業者……俗にクリーナーと呼ばれる存在。

 賞金稼ぎの如く活動する者たち。

 彼らが得た怪異討伐許可は、同時に殺人許可証でもある。

 

 怪異は多くが若い女性の姿をしており。

 そして立ち向かうクリーナーもまた多くが女性であった。

 

 

 

 

 路地裏で二人は呼吸を乱れさせながら、座り込む。

 

「食後の運動って言うにはハードすぎるわよ」

 

 ――『嫉妬心を操る程度の怪異』“橋姫”水橋パルスィ

 

「ハッ、無駄な肉がつかなくて結構じゃねぇか」

 

 ――『何でもひっくり返す程度の怪異』“天邪鬼”鬼人正邪

 

 これは踏みつぶされた地の底から湧き出す、二つの呪いの物語。

 

 




nijijourney(AI)で製作した主人公二人の画像
AIのため、指先とか関節におかしい場所は多々発生します

パルスィ
【挿絵表示】

正邪
【挿絵表示】


他にもTwitterの「#東方電飾街」でいくつか画像あげています
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