夜勤の合間縫って描くのって本当大変なんすよ……。
「うおぉぉぉぉ!!」
「ブギッ……!?」
眩い光と、駆の咆哮のような叫び声にボア・ワイルドは思わず怯む。
「せりゃっ!!」
「ギィッ……!!」
その隙を見逃さず、鋭い前蹴りを喰らわし、ボア・ワイルドを吹き飛ばす。
「うおおっ!」
さらに、ヴァレルバスターによる銃撃を浴びせながら駆け寄り、もう一度蹴りを繰り出す。
「グガッ……!!」
続けざまの攻撃に、ボアはよろめき膝を付く。
「よし……今のうちに……!
大沖さん!!」
駆は負傷している深見に駆け寄った。
「立てますか……!?」
「あ……あぁ……なんとか……」
「良かった……」
肩を貸し、ゆっくりと立ち上がらせる。
「ヤツは俺が引きつけます……!
その間に……!」
「なっ……!?囮になるつもりか……!?
素人が無茶言え!」
駆の捨て身とも言える行動に、深見は驚きと反対の声を上げる。
「時間稼ぎぐらいは出来ます!
お願いです!!俺を信じてください!!」
「……!!」
駆の目を見て、深見も覚悟を決めたようだ。
「分かった……死ぬんじゃないぞ……!」
「はい……!」
駆は力強く頷くと、踵を返しボア・ワイルドと正対した。
「お前の相手は……俺だ!」
ヴァレルバスターを構え、ボア・ワイルドに向けて叫ぶ。
「ゴガァアアッ!!!」
ボア・ワイルドは雄たけびを上げながら突進してきた。
「……っ!
はぁっ!!」
「ブギッ……!?」
駆はそれを横飛びで躱し、ボア・ワイルドの横腹に銃撃を喰らわす。
「どうした!?
そんなもんか!?」
挑発するように言い放つ。
すると、狙い通りボア・ワイルドは怒り狂い、突っ込んできた。
「(よし……これでいい……。
みんなから遠ざけるんだ……)」
そう考えつつ、距離を取り続ける。
「グルルルルゥ……!!」
「もっと来いよ……!!」
––––––––––––––––––
「担架!!こっちだ!!急げ!!」
「誰か包帯持ってこい!!」
駆がボア・ワイルドを惹きつけている間に、救護班は深見たち負傷者の応急処置と避難誘導を行っていた。
「すまない……助かった……。
でも……大丈夫なのか……?
駆のやつ……?」
不安そうな表情を浮かべる隊員。
無理もない。
相手はベテランのハンターでさえも一撃で戦闘不能にするほどの力を持つ怪物なのだ。
「へっ……俺が首を縦に振ったんだぞ?
……アイツならやってくれるさ」
しかし、隊長である深見だけは確信していた。
あの少年……駆ならば必ずやり遂げるだろうということを。
––––––––––––––––––
「ハァ……ハァ……」
駆はボア・ワイルドと一定の距離を保ち、突進を喰らわないよう、左右に動き回りながら銃弾を撃ち込み続ける。
「このままじゃジリ貧か……」
いくらヴァレルバスターが強力な武器とはいえ、ボア・ワイルドの硬い皮膚を貫くには威力不足だった。
「クソッ……!どうすれば……!」
このまま銃撃を続けても有効打にならないことは明白であった。
「グォオオオッ!!!」
「うわっ……!?とぉ……!」
しかも、ボア・ワイルドの突進で一気に距離を詰められると、繰り出される攻撃を避けることで精一杯になってしまう。
銃撃だけでは分が悪い状況だ。
「何か……何かないか……!?
ん……!?」
駆の手がバックルの左側のホルスターに提げられた短剣『ヴァレルスラッシャー』に伸びる。
「こいつで……!
はぁっ!」
「ブギャッ……!?」
突進を躱すと同時に、ヴァレルスラッシャーを抜き放ち、すれ違いざまに斬りつける。
切れ味は抜群であり、ボア・ワイルドの厚い毛皮を切り裂き、ダメージを与える事が出来た。
「よし……!
これならいけそうだ……!」
駆はヴァレルバスターの銃身にヴァレルスラッシャーを合体させ、銃剣へと変形させる。
「はぁっ!ふっ……!せりゃあ!」
「ブギィ……!?」
銃撃で牽制しながら接近し、斬撃を繰り出す。
先程までとは打って変わり、駆の攻撃は着実にダメージを与えていく。
「はぁ……!はっ……!そこっ……!」
「ブゴッ……!?」
さらに、至近距離からの射撃によりボア・ワイルドは堪らず転がりように後退する。
「よし……! この調子で……!」
駆も追撃を仕掛けようと走り出すが……。
「ブグォォォォォォォ!!」
「うわっ!?」
ボア・ワイルドは鼻から湯気を吹き出した。
湯気は霧となり、視界を奪う。
「くそ……!どこだ……!?」
「ゴガァアアッ!!」
「な……くっ……!?」
ボア・ワイルドは駆の背後を取り、突進を繰り出した。
駆はすんでのところで回避し、辺りを見回す。
「くぅ……!」
ボア・ワイルドの位置を探ろうと必死になるが、霧が濃くて姿を捉えることが出来ない。
「ゴハァァァ!!」
「ぐっ……!?」
ボア・ワイルドは再び突進してきた。
今度は避けきれず、肩を掠める。
「痛っ……!!
……!」
駆は声を殺し、場所を悟られないようにする。
「(まずい……!早く見つけないと……!)」
駆は焦りながらも冷静にボア・ワイルドの居場所を探る。
「……!」
「ゴガァアアッ!!」
ボア・ワイルドはまたも突進してきた。
鋭い嗅覚で獲物を探し当てているようだ。
「隠れても無駄か……。
だったら……!」
駆がヴァレルスラッシャーのグリップを握り、バイクのアクセルのように捻ると、刀身が分割され、ワイヤーで繋がった蛇腹剣『ヴァレルスラッシャー・ウィップモード』へと姿を変えた。
「これで……どうだぁ!!」
体ごと回転し、鞭を振るうように周囲を薙ぎ払うと旋風が巻き起こる。
「グルルルゥ……!!」
「見つけた……!」
ボア・ワイルドが放った霧はその風圧で吹き飛ばされ、その姿が露わになる。
「よし……!」
駆は蛇腹剣を振り抜き、構える。
「いくぞ……!」
駆はボア・ワイルドに銃撃を浴びせつつ、徐々に距離を詰める。
「グガッ……!?」
怯んだ隙に蛇腹剣による連続攻撃を喰らわせる。
「せいっ!やっ!だあっ!」
「ブギッ……!?
ブガァァァ!!」
「おっと……!?」
ボア・ワイルドは反撃とばかりに腕を振り回し、爪で攻撃してくる。
駆はそれを仰け反りながら避ける。
「ふっ……せりゃあ!」
「ギッ……!?」
ヴァレルスラッシャーを剣に戻し、ボア・ワイルドの懐に飛び込み銃剣による刺突を放つ。
「ブッ……ゴッ……!」
ボア・ワイルドはついに膝を付く。
「これで決める……!」
その隙を逃さず、ヴァレルバスターをバックルに戻し、引き金を2回引く。
『本能全開!!』
「はぁっ!!」
『レオ・クロウブレイク!』
右足にエネルギーを纏った駆が天高く舞い上がる。
「はああああっ……!!」
エネルギーが収束し、右足にライオンの爪の形をしたオーラが具現化する。
「うおぉぉりゃぁぁぁぁ!!」
「グギャァァァァ………!!」
ボア・ワイルドは胴体を真っ二つに裂かれ、爆炎と共に断末魔を上げる。
「……はぁ……はぁ……。
やった……のか……?」
着地した駆は後ろを振り返り、ボア・ワイルドを確認する。
そこには立ち込める煙と、ボア・ワイルドのものであろう白い欠片が散らばっていた。
「勝った……んだよな……。
はぁ……」
駆は安堵し、その場に座り込む。
それと同時に変身も解除され、元の特狩組制服の姿に戻る。
「ふぅ……。
で、ここは……。
どこだ……?」
駆は辺りを見渡す。
どうやらボ囮をするためにあちこち走り回った結果、自分がどこにいるのか分からなくなってしまったようだ。
「えっと……どうすりゃいいのこれ……?
大沖さん!?誰かぁぁぁぁぁ!?」
駆の叫び声が響き渡った……。
とちうわけで、久々の投稿になりました。
もっと文章力と執筆ペース上げれたらなぁ……。