俺と勇者と英雄   作:英雄譚に魅入られた者

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多分そう言う意味合いだと思うんですけど。


14 ハウディってやぁ元気かい!的な意味合い?

6月後半。

春シニア三冠の最後を締め括るグランプリレース宝塚記念が行われた。

アプリでもお馴染みの鎌倉武士系ウマ娘グラスワンダーがスペシャルウィークに3バ身をつけて快勝している。

スペシャルウィークも後続のウマ娘に7バ身差をつけておりいかに黄金世代と呼ばれるウマ娘が強いかよくわかるレースであった。

 

そして、デジタルのメイクデビュー戦。

結果はぶっちぎりの一着であり、大差とまでは行かずとも7バ身差をつけて勝利している。

まぁ、予定調和。しってた、というやつ。

グランプリレースがあったにもかかわらず、メイクデビュー戦なのに記事がネットに上がっているのを見れば注目されていたんだなぁとしみじみ思う。

世間的には宝塚記念のグラスワンダーはやっぱり強かったという話題になってはいるけども。

中央レースを駆けるウマ娘という界隈で見れば狭いこの世界で、デビュー戦にて大差勝ちしたウマ娘というのは良くも悪くも話題になるものだ。

やっぱり『神の子』は違うだの、どんなウマ娘なのか一目見てみようだの、練習風景をみて真似してみようだといった風に視線が増えていて鬱陶しい。

 

「ふぅ……ん?」

 

そんなこんなで話題になってしまっているので校舎裏の雑木林の中で隠れるように休んでいるのだが、なぜか煙の臭いが漂ってきて目を開ける。

木々の葉が生い茂る為、真夏の昼間にもかかわらず日光は届いておらず薄暗くて涼しく、木々や校舎だったりが火事になっているわけではないようだ。

アグネスタキオンの研究ラボという名の理科実験準備室が近くにある為そこがまた爆発したのかとも思ったが音がしなかったし違うだろう。

 

「……いや、気になるわ。

ありえないけど、タバコのポイ捨てとかじゃないよな…?」

 

学生たるウマ娘が吸うわけもないし、喫煙所まで行くのをめんどくさがったトレーナーが隠れて吸ってポイ捨てして引火した可能性。

考えたらなんか怖くなってきたし、一応見にいくか。

体を起こして木から飛び降りつつ煙の臭いがする方へ。

 

「人気が無いほうだし、マジでタバコだったりす…は?」

 

パチ…パチパチッ…

 

見間違いか?目が疲れているのだろうか?

雑木林の中不自然に開けた場所があって、なぜかその中心に火のついたバーベキューコンロが置いてあって肉が焼かれている。

テーブルにチェアー、テントまでありまるでキャンプだ。

いや、ここトレセン学園内だが???誰だよココでキャンプしてる奴。

予想できるのはまず破天荒ゴールドシップ、バーベキューでタイキシャトル、肉でナリタブライアン、よくわからんけどフリーダムだしミスターシービー。

ナリタブライアンはねぇな、自分で焼いてるイメージないし。

ミスターシービーも自炊のイメージないしハンバーガーのイメージだから違うな。キャンプとか好きそうだけど。

 

「オウッ?匂いにつられてきたんですかネ?」

 

「あ、タイキシャトル先輩でしたか」

 

「ハウディ!アナタはたしか……レギンスレイヴン?」

 

「レギンレイヴです。

ズボンでもカラスでもないですよ」

 

「it'sジョークデース!デビュー戦強かったデース!パワフルでベリーベリークールな走りでしタ」

 

まぁタイキシャトルだわな、本格バーベキューセット展開してるのは。

ゴルシなら間違いなく七輪で秋刀魚とかエリンギとか焼いてるだろうし、季節が違うわ。

ゴールドシップ、破天荒ウマ娘。

秋の寮の屋上もしくは学園の屋上に生息。

学園内で奇行を繰り返すが、秋になると食欲と風情を楽しみたい傾向にあるようで七輪を携帯してる所やラーメンの屋台を引いている所をよく目撃される。

近づけば絡まれるが美味しいものを分け与えてくれる。

昨年の秋に食べた魚介スープの醤油ラーメンはめちゃくちゃ美味しかったから、また食べたい所。

 

閑話休題。

 

テントの中から出てきたタイキシャトルの手にはビックサイズのコーラと大きなボウルに入ったにんじんや玉ねぎ、ピーマンといった野菜類。

それらをテーブルの上に置いて、既に焼いていた一本まるまる串刺ししたニンジンを手に取って渡してくる。

あ、どうも。うめぇ。

 

「それで此処には何をしに?

此処なら誰も来ないからバーベキューしても良いとエアグルーヴから聞いたのですガ」

 

「いや、そこらへんの木の上で休んでたら煙の匂いがしたもので。

火事の元だったりしたら怖いなぁって思って見にきたんです。

ところでこの人参めちゃくちゃ甘くて美味しいですね?」

 

「イェース!コレは愛知のにんじんデース!

ファン感謝祭で行われたにんじん食い競争で食べてからやみつきヤミーデース!」

 

「あー、なるほどコレは確かにやみつきになりそうな人参ですわ。

スイカより甘いとか噛めば噛むほど甘みが広がるとか言われてて何をバカなと思ってましたけど。

というか副会長から許可もらってたんですね」

 

エアグルーヴは結構こういう事には厳しいイメージがあったからてっきり会長が許可したか、いい場所見つけたからひっそりと無許可でやってるとばかり。

会長とか理事長は結構ウマ娘からの願いとかに弱い上にやる事がなぜか大きくなるからネ。

ここもお願いを聞いてから切り拓いたとかありそうだし。

 

「最初はゴールドシップを見習って中庭でバーベキューしようとしたんですケド、流石にやめろと怒られまシタ。

『ラーメン屋台にバーベキュー会場まで増えたら流石に手に負えん』との事でここのスペースを切り拓いて使うことを許されたんデス」

 

「それはそう。

エアグルーヴ副会長の胃が心配になってきましたわ」

 

会長のダジャレにやる気を下げ、もう1人の副会長は仕事をよくサボるし、学園内には問題児が多いし、同室はロイヤルウマ娘な上に割とおてんばでラーメン屋台まで開くし。

気が休まる時間があるのだろうか…?割と心配になってきたな?

 

「というか、ここやっぱり切り拓いたんですね。

え?この場所結構広いですけど、手作業です?」

 

「んー、木を切ったり地面を慣らすのはやりましたケド、切り株を掘り起こしたり地面を耕すのはトレーナーさんにお願いして重機を操作してもらいましたネ。

あ、あとは切った木を運びましたネ。

少しはバーベキューコンロに使う薪にしてるので残してますケド。

ほら、あそこで切ってマース!」

 

「…平然とトレーナーが重機の免許持ってて驚きを隠せませんね。

中央トレセンのトレーナーは一癖どころか二癖以上あるとは聞きますけど」

 

タイキシャトルが指差す方テントの裏には積み上げられた丸太があり、その横には切り株があって手斧が刺さっている。

結構な数な木が切られたんだなぁと思うと共に、やっぱり中央トレセンでウマ娘にG1レースを勝たせられるトレーナーは何処か一芸を持っているものだなぁと。

俺らのトレーナーも何か一芸を持っているのだろうか?機会があれば見たいものだ。

 

「それじゃ、俺は休みに戻りますね。

あ、にんじんご馳走さまでした…?なんか平然と渡されてもらってしまいましたけど」

 

「oh、帰ってしまうのですカ?

1人でバーベキューは寂しいデース…」

 

「いや、その…誰か誘わなかったんですか?それこそトレーナーとか」

 

「トレーナーさんは来月からの合宿関係の書類で忙しそうでしタし、スズカは走りに行ってていないですし、フクキタルはドトウと占いしてましたネ。

他もトレーニングだったりで時間が合わなかったんデース…」

 

見るからにシュンとしてへこむ様子はウマ娘ではなく大型犬のよう。

誰かが言った、人懐っこいゴールデンレトリバーの様だと。わかる。

特に接点もなかった今あったばかりの後輩にもこんなフレンドリーなのはアメリカンスタイルではなくタイキシャトルの性格なのだろうなぁ。

 

「じゃあ…ここで休んでもいいですかね?

別に帰ると言っても適当な木の上でひと眠りするだけなので」

 

「イェース!ウェルカム、レギンレイヴ!」

 

ぱあっと笑顔になった上に尻尾ブンブン力強くハグ。

やはり犬では?イヌ娘では??そしてやわらデッカ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なお、タイキシャトルのキャンプが予想以上に居心地が良くて門限を忘れており、たづなさんに追われたしフジキセキには叱られた。




デジタル視点でのデビュー戦?
ここになければないですね。

タイキがエルと混ざるけど、まぁ似たようなもんだよね。
いや、似てるわ、割と。(脚質と距離、場上、年代をみつつ)
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