気が付いたらにじよん終わってましたね。今? 4話だよ!(血涙)
と、前書きはこの辺で本編どうぞー。
前回のラブ↓ライブ!↑
ホラー映画の鑑賞したら推しに爆破された。何を言ってるか分からねぇと思うが自分も何が起こったのか(ry
——進路とは、人生を歩んでいく上で訪れる選択肢達。そして、未来の自分自身を形作る土台となるもの。……ってな感じで、将来のことを考える時にはとても大事なことなんですよね。はい。
それでなんでこんな話をしてるかと言われれば、進路のお話をされてしまったからですね。まる。
「進路……か」
溜息をついた自分はプリントの傍らにあった本を閉じる。進路について参考になるかなと思って見ていたけども、全然そんなことはなかった。悲しいね、バナナ味……。
溜息を吐きながら席を立った自分は、本を戻すと図書室を後にする。そうして廊下を歩いていく自分は、いつの間にやら赤く染まり始めた空を眺めながら思慮に耽る。……自分のことだから、あまり宜しくはないのだろうが、身近な人達にどうするかを聞いてみるか。
その結論に至った自分は、身近な先輩がいる場所——某同好会の部室へと足を運ぶ。
「失礼します……」
ドアを軽くノックした後、扉を開いてみる。するとそこには、朝香さんと三船さん。桜坂さんに高咲さんの姿が。
「あ、御影君。今日はどうしたの?」
「えーっと、3年生の方に用事があったんですけど……やっぱり良いです……」
何事も無かったかのようにフェードアウトをかけていると、突然扉を掴まれ閉められなくなる。不思議に思い顔を上げてみれば、何処か黒みを帯びた笑顔をこちらへと向ける朝香さんの姿が。
「3年生なら、ここにもいるわよ?」
圧を感じさせる彼女の言葉に視線を逸らす自分。こう言う時は視線は合わせないようにする。古事記にもそう記されている。
「あ、えっと、そう……ですね」
冷や汗ダラダラの自分は、結局なす術なく部室に引き摺り込まれました。で、今は座らされて部室にいた皆さんに事情聴取されてます。
「それで、3年生に用事って言ってたけどどうしたの?」
「実は、進路について悩んでまして……1番進路決定の近い3年生にお話を伺おうかと思いまして」
困ったように笑いながら正直に答える自分。すると、一同から驚いたような顔を向けられる。ふぇぇ……?
「玲が進路について悩んでるなんて意外ね」
「アハハ……自分でも驚いてますよ。まさかこんなにも悩むなんて、思っても見ませんでしたから」
朝香さんの言葉に本心を返した自分は大きく溜息を吐く。中学時代はあまり考えてなかったけど、いざ高校になってみるとこんなに悩むことだったとは……侮っていたぞ、進路よ。
「何か、興味のあることや挑戦してみたいことなどはないのですか?」
「うーん、これといってないんですよね。はい」
桜坂さんの問いに応じた自分は小さく俯く。夢もなけりゃ願望もない。そんな状況だから、やりたいこととか興味があることっていうのが即座に出てこなくて……辛えよ……。
「御影さんがここまで悩んでいる姿、初めてみました」
「自分で言ってしまうのもおかしな話ですけど、普段はあまり悩んだりしませんから……」
その言葉と共に苦笑いする自分。本当に悩まない方なんだよね。あ、でも、上原さんが結構な頻度でこちらにアプローチしてくるっていう悩みがあるわ……それは悩みに含まないって? 寧ろそんなことで悩んでるのが羨ましい? 知らんな。
「というわけで、非常に困ってしまっているという状況なんです」
「そもそも何故、御影さんは進路で悩み始めたのですか?」
相変わらず困っていると、三船さんから根本的な問いかけをなされる。……そう言えば、同好会の皆さんにはお話ししていませんでしたね。
「今日、担任の先生と進路に関する面談を行ったんです」
「そしたら、進路のことが思ったよりも深く考えさせられた、ってところかしら?」
「その通りなんです。はい」
朝香さんの言葉に頷く。模範解答やん今の。アレだよ、『100点満点で完璧』って言葉が似合うくらいだよ。こういう時、朝香さんって凄い洞察力が高いよね。先輩として、尊敬に値するぐらいには。
最も、それ以外があまりにも残念なんですけど。まあそうですね、人生の進路のお話よりも前に、自室から学校までの進路を覚えてもろて。
「何か今失礼なこと考えてなかったかしら?」
「いえそんな、滅相もございません」
「仰々しいわね」
首を横に振った自分に対して相変わらず疑いの目を向けてくる朝香さん。ここまで含めての洞察力の高さですね。マジで下手すると『THE END』案件ですよ。
「子供の頃になりたかったものとかないの?」
「なりたかったものですか……」
内心ソワソワとしていたら高咲さんから新たな問いかけをされる。子供の頃になりたかったもの……なんかあった気がするんだけど、なんだっけなぁ。
「あった、ことにはあったんですけども……」
「「「「けど?」」」」
「忘れちゃいました」
哀愁を織り交ぜた笑みと共に述べる自分。それを聞いた一同が大きくバランスを崩しているではないですか。一体誰のせいなんだ。あ、自分か……。
「忘れちゃったの?」
「一度夢を捨てちゃいましたからね」
答えた後に視線を床に落とした自分はため息を吐く。改めて自分を見つめ直すと、夢を忘れた古い地球人なんだよなぁ。
「夢を捨てた……それは、何故です?」
「中学生の時に色々ありまして、ね」
「どんな……?」
はぐらかしながらも返答すると、恐る恐ると言った様子で高咲さんが尋ねてくる。気になりますよね。でもこの話ね、
……ってなわけで説明やらなんやらして一悶着あった後、改めて進路について悩み始める。
「また振り出しね」
「そうですね……」
朝香さんの言葉に返答しながら腕を組み険しい表情を浮かべる。多分険しい顔してるよね自分。知らんけど。
それはさておき、好きなこととやりたいことが直結しない人類になってしまってるの大事故なんだよね。現状を顧みながら項垂れていると、不意に朝香さんが口を開く。
「確かに私達3年生は今年卒業だから、進路確定までを済ませなくちゃいけないけれど、玲はまだ2年生なんだから今すぐ決める必要もないと思うわ」
「……朝香さん」
「だって、玲達にはまだまだ考える時間があるでしょう?」
凛々しげな笑みと共に問いかけてくる朝香さん。なんだことの人めちゃめちゃ顔が良いし説得力が高え……普段ポンコツ的要素の方が強めに見えてるだけであって、元々こういう人だったわ。
「そう、ですね……」
「なら今から、いろいろなことに挑戦して行ってみるのも1つの手じゃないかしら?」
真っ直ぐとこちらを見据え問いかけてくる朝香さん。確かに……そうかもしれない。朝香さんの言う通りかも。自分達にはまだ、決定に至るまでの時間がある。その時間内に、何をするかで将来を変えられるくらいには。
「……ですね」
頷きを伴って顔を上げた自分は朝香さんとしっかり目を合わせる。そうして幾らかした時、不意に朝香さんが頬を綻ばせる。ふぇ……自分の顔なんかついてたかな? 内心首を傾げていると朝香さんが口を開く。
「玲、今すごくいい顔してるわね」
「いい顔、ですか?」
「憑き物が取れたみたいな感じだよ」
朝香さんの言葉に疑問を感じていると、高咲さんから補足をもらう。確かに、ちょっとスッキリしてる自分がいる。悔しいかな、自分があまりにも単純に感じられて。でもさっきの朝香さんの言葉は、素直に嬉しかったし救われた気もする。はい。
「そう、かもですね」
小さく笑みを浮かべながら首を縦に振る自分。たまには、前を向いてみないと、だね。
内心で自身に言い聞かせた後、徐に立ち上がる自分。決めたなら、善は急げということで行動に移さないと。
「御影君?」
思慮に耽つつ動いたせいか、高咲さんに不思議そうな顔をされる。何の前触れもなく立ち上がったらそりゃ首傾げるか。驚かせたという意味では、間違いなく自分に非がありますね。つまり自分の罪は止まらない、加速する……ってコト? あたりまえだ!
内心にて1人虚しく茶番を行っていた自分だが、その思考を切り離し現実へと意識を戻す。
「早速、自分がやりたいと思えそうなことを探しに行ってきます」
「有言実行ですね」
「そうなりますね。——決めたのなら、貫き通さなきゃ、ですから」
短く述べた自分はプリント類を纏めるとその場を離れる。新しい大陸を見つけた冒険者宜しく、きっと感動とか見つけられる……とか一瞬思っちゃったのでとりあえず。はい。御影、動きます。
「朝香さん、ありがとうございます」
「少しでも参考になったのなら良かったわ」
扉の前で振り返り一礼した自分が扉を開こうとすると、突如として扉が開かれる。さ、触ってないのに開いた?
驚きと戸惑いを内心で抱えていると、扉の向こう側にいた人物と目が合う。
「あ、御影君」
「うえ、はら……さん? それに近江さんも……」
視線の先にいたのは我が最推しの上原さんと、本日頼ろうと思ってた先輩こと近江さん。アレ、もしかして今日って集合のタイミングよりも早い時間にここに来てたのかな自分? そもそも部屋の中に4人しかいない時点で察しろよ。
……で、えーっと、丁度上原さんと近江さんが来るタイミングで自分は扉の前に立ってしまったと。不可抗力だと信じたい。そうだと言ってくれ。
「玲君は何してたのかな〜?」
「進路、相談、を」
しょうもない思考が在しているせいか、近江さんへカタコトな返事をする自分。なんていうか、こう、もっとあるだろ。
己の不甲斐ない部分に語彙力の無い罵倒をしている最中、不意に視覚情報が鮮明になり頭へと流れ込み罵倒を中断する。あれれ〜、おかしいぞ〜? 今、上原さんの真ん前に立ってるじゃん自分。ん、上原さんの……前?
「御影君?」
自身の置かれている状況にギョッとしていると、上原さんが不思議そうに首を傾げてくる。あの、そのお顔は反則なので……えっと、自分以外に向けてください。死んじゃいます。というか待って、今上原さんとどれくらいの距離感でいる?
ハッとした後、即座に目測で互いの距離を測っていく。恐らくだが10cm未満……パーソナルスペースなんてとうの昔に死んでる距離じゃないですか。実質的に推しと触れ合ってる……?
「ヒュッ」
「御影君?!」
1つの結論が出ると同時に自分の情緒はオーバーフローし、情けない鳴き声をあげ卒倒する。は、はは……重罪、じゃないか……。微かに聞こえる上原さんの声と己の愚行に感情を乱しながら、自分の意識はフェードアウトしていくのであった。
朝香さんすいません。自分の進路を探す旅の始まりは、まだまだ先みたいです——