【9級フィクサー必見!】特色式トレーニング!教えちゃいます! 作:道を失った乗客
深夜(圧縮言語)
「ブチョー、今日は早いっすね~」
ここは東部セブン協会3課支部。
東部の、3課の更に支部ということもあってか、かなり緩い雰囲気が感じられる。
「口には気を付けとなぁ何度も言ってる気がするんだが?カディア君」
部長と見られる男は寝癖がついた髪をかきながら重い腰を椅子に落とす。
部長も身なりがなっていない癖にと言わんばかりに不機嫌そうな顔を浮かべるカディアはソファーでふんぞり返っている。
「で、結局先輩帰ってきませんねぇ~」
横目には几帳面な性格が伺える整った机が一つ。コガマと呼ばれる職員...つまるところ現無礼者の机だ。
ある日、W列車で特色式トレーニングを行い精神がイかれて路地裏をさ迷うことになったが、彼れには知るよしもない。
「突然なぁお前全員先輩先輩って呼ぶからどの先輩の話なのかさっぱりわかんねんだ」
「もしかして部長はイカれてるんですか?帰って来てない先輩なんてコガマ先輩一人だけじゃないですか?これだから路地裏出身は」
おいおい早々に路地裏差別かよ巣出身らしいな
部長は拳を振り上げそうになったが後々もっとめんどくさいことを言われるので諦めた。
「お前なぁ...本当にそれでよく生きてこれたな。フィクサー落ちも納得の性格だな。お前にゃ翼なんぞ無理だ」
セブン協会らしく言葉で殴り会うのがココの流儀である。他のセブン協会も同じ流儀を持っているのかは定かではないが。
「で、結局どうなんです?芦田先輩*1が休みの合間にも調べてくれてるらしいんですけど」
「さぁーな?アイツ模擬戦闘に負けたからって特訓でもするかとか行ったきり消息が掴めねぇからなぁ。W列車に乗ったことまでは足取りが掴めてるんだがその後がサッパリだ」
ノートパソコンを弄りつつ頬杖をつく。
ツヴァイ協会の知り合いに頼っていくつかの監視カメラ映像を閲覧させてもらったが、R社行きのW列車に乗った跡の消息は以前としてつかめていなかった。
「にしても不思議ですねぇ~あの必要以上に高精度な監視カメラヤローにも映ってないなんて」
ここは科学技術が発達し過ぎた世界だ。監視カメラ一つ取っても金さえ払えばその精度と信頼性は際限がない。しかも巣に設置してあり、W列車ホーム近くともなれば富裕層の高級チケットを強奪しようと多くの盗人がまだかまだかと待ち伏せすることも多いため、その精度はかなり狂ったものになる。
人混みを分解して一人一人の人間にわけさせるなどは出来て当然であるが...
写っていない。
前例のない未知の事象であった。
「ハッキングってワケじゃないですよね」
「まぁそうだな。あの手の監視カメラがハッキング一つでどうこうなってちゃいろいろマズいからな...」
監視カメラ、とりわけは巣のものは巣が提供するサービスの一環である。巣が治安維持を目的に信頼の置ける会社のカメラを設置する。これに脆弱性があったとするならばある意味では巣を敵に回したといってもよいだろう。
さすがに都市の人間はそこまで愚かではない。少なくともそういった上を怒らせるようなマネはしない。
「除籍までは?」
「未定。死亡扱いでもいいとは思うが、人員不足なのかね。」
ここまで言っておいてアレだが、都市では唐突に消息不明になることは珍しくはない。それこそねじれとかいう人間のルールを外れた者が増えている昨今は特にそうだ。
一番の不思議はW列車に乗ったのに帰ってこない、それ一点につきる。
それはそうと、と彼女はいそいそとスマホを取り出す。
「部長は掲示板サイト理解できます?できますよね」
「なんだいきなり?一様情報特化のセブン協会所属なんだ。理解できなきゃマズいだろ。んでその掲示板サイトがどうした?また検閲でどっか潰れたんか?」
「いえまぁそういったサイトが潰れるのは日常茶飯事なのでそんなことじゃないんですが、これですよこれ」
R社の秘密を教えます
そうかかれたスレッドを見せる。
簡単に言えば
R社はクローン技術や強化手術によって強化され無限に湧いてくるのだ...
といったことが書いてあるだけなのだが...
「作成から1ヶ月以上もたってるのに消されてないのか」
掲示板サイトは基本翼の職員が巡回して不都合なモノを消すことが多い。デマであれなんであれ、翼としての威厳というモノがあるため取りあえず消されるのが一般的である。
消えていないのはおかしいのだ。
「翼がこういったモノを放置するはずが無いんですよね~気になりません?気になりまよね」
「いやまぁ気になるが依頼でもなんでも無いもののために動くのはなぁ...」
「じゃぁもう一つ、コレですコレ」
今度は動画サイトである。まぁ一つの動画シリーズしか存在していないようだが...
「特色式トレーニングシリーズ?なんだそりゃ」
「これもあれも翼の特異点を悪用しているようなものが多いんですよね」
「特異点の説明もそれらしいことばっかだな...嘘か本当かは関係なく翼そのものに喧嘩売ってるようなモンだな」
「そう、まさしくソレなんですよ。普通は管理者に問い合わせて消せるはずなんです。おかしいんですよね。ほら気になりますよね」
「だから金と依頼がなけりゃ動かないんだわ」
一時の沈黙
「セブン協会の支部長としてこう...情報に貪欲じゃなくてどうするんですか??」
「仕事が来たらやるんだよ。誰がカネが入らないのに面倒なことしなきゃならんのだ。自分で勝手にやってろ」
「ケチ臭いオッサンですねぇ?そんなんだから昇進できないんですよ」
まぁいいんですけどねぇとため息をつきながらスマホをポチポチと触る。
「でもこの映像ですよこの映像。リアルタイムで全ての監視カメラの映像が流れてるんですよ」
「....ほう?」
普通は許された者のみが入手できる映像群がこうも簡単にこんな場所にあるとは流石に興味を引くほかない。
確かに自分がみた者そっくりというかそのままの映像がここにのっている。しかもリアルタイムに。
「こここれです。部長が見せてくれた映像には写っていない先輩がいるんですよ」
「マジか...」
写っていないはずのコガマがそこにはいる。なぜ特定の人物だけ本来の映像には乗っていないのにここにはいる。
加工だったとしてもわざわざあまりにも危険な方法を取ってまでそんなセブン協会の一個人にそこまでのことをするのか
「...はぁ、しゃーねーから動くか」
「流石部長、話が分かりますね~」
「人員不足は面倒だからな、解決できるならそれに越したことはないってだけだ。(まぁ一人頭の報酬は増えるからそれはそれで嬉しいのだが)」
こうして未知の掲示板は公に広まることになる。
彼らは知らないが、バックにいるのはインチキを越した情報特化型E.G.Oの特色である。
しようと思えば完全な粗のないサイトを作れる。だが、それではおもしろくない。
『せや!セブン協会ぐらいなら調べれるようにしとくか...』
この意図的なガバが今後にどう影響するのか、それはまだ誰も知らない。
東部セブン協会3課支部:完全オリジナル部署。リウとかに南部だとかあるならセブンとかに東部とかあってもおかしくないとおもう(小並感)
所謂やるときはやる部署。仕事はあるが基本ちょっと暇してる珍しい場所。同僚からはただ飯食らいと酷評されている。
支部長:東部セブン協会3課支部の部長。名前は出て来てないがそこそこの実力。戦闘面は実はカディアの方が強い。情報系はしっかりしてる。
カディア:無礼者の部下。かなり強い。翼出身だが性格に難アリということで就職できなかったので協会までやってきた。約束は守る。