久しぶりに顔を合わせたミカコちゃんのママは大変な美人さんだった。
以前に会ったのは何年も昔になるが、あまり変わっていないように見える。髪の毛をゴム紐で後ろでまとめていて、うなじのあたりに大人の色気があった。
いただいた晩御飯の中では、卵焼きとアスパラベーコンが特においしかった。
ミカコちゃんのママはぼくのことを憶えてくれていたとかで、ぼくが忘れていた当時の思い出話をされるのは気恥ずかしかったが、なごやかな雰囲気で食事を終えられてほっとした。
ごちそうさまをして、ミカコちゃんの部屋に戻って過ごしていると、準備できたからお風呂に入りなさい、と夜の8時過ぎになってから声がかかった。
言われるがままに脱衣所でジャージを脱ぎ、浴室に足を踏み入れる。すると、お手本のような幼児体型が目の前にあった。
姿見の鏡が設置されていたのである。
裸になった自分の全身を眺める機会はぼくの家ではない。まじまじと眺めてしまったが、面白くはなかった。成長期前のボディだ。おっぱいはたいらでも問題ないが、身長はあと10センチ以上は伸びることが望ましい。
遅れて来る、とミカコちゃんは口にしていた。
彼女は都会的でとてもお洒落だ。髪の毛を肩まで伸ばしていて、日によって髪型を変える遊び心がある。人望も厚く、大勢の友達に慕われていた。母親に似て顔立ちも整っていて、学校で一番の美人さんなんじゃないか、とぼくは思っている。そんな子を世間が放っておくわけもなく、雑誌で読者モデルをやっているらしいと噂になっていた。
ぼくが普段使っているのとは別の、おそらくはなんらかのこだわりのある銘柄のボディソープとシャンプーを使わせてもらって、さっぱりしてからバスタブに張られた湯の中に浸かる。
子供のぼくはもちろん、育ちきった大人でも足を延ばして浸かれるくらい大きなバスタブだった。
癖で湯の中に顎上まで沈み込む寸前で、自分の家ではないことを思い出してやめた。
バスタブ以外にも浴室自体が広めになっていて、どうにも落ち着かない。いや、狭かったとしても落ち着くとは考えられないが。
「お待たせ」
音を立てて脱衣所に通じる扉が開いたその一瞬、息が止まった。
奇麗なお姉さんとエッチなことをする妄想をした経験は何度もある。
現実でそういった行為をするのは難しいだろう、という諦めもあって、最低でも週に三回は寝る前にするのが癖になっていた。
夢の世界でのぼくのパートナーは多くがテレビや雑誌で見かけた大人の美女たちだが、ごくまれに同級生の女の子にお相手を願うこともあった。
すぐに視線を逸らしたものの、ミカコちゃんの裸が目に焼き付いて離れない。実際に目の当たりにした彼女の裸は、ぼくが思い描いていたよりもずっと魅力的で、むちむちはしていなかったが非常にエッチだった。