ボクっ娘 百合 同性愛   作:五十朗

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ミカコちゃんの部屋で(おやすみ前)‐2

 ぼくが刑事ドラマを愛してやまない理由は、と聞かれても、すぐに答えるのは難しい。

 面白いから好きなわけだが、ミカコちゃんが知りたいのは具体的にどこの部分が、ということだ。

 そこで、改めて考えてみた。

 さすがに、刑事ものであればなんでもいいとはいえない。コメディ要素が強すぎる作品はダメだ。また、主人公は銃や格闘の技術に優れるだけではなく、諦めない心と自分なりの強い正義感を抱いていなければならない。それさえ持ち合わせているなら、主人公の職業が刑事ではなくてもぼくは楽しめるような気がする。

 

「その……かっこいいキャラクターが好きで。ハードボイルドっていうか。それと、苦戦はしても最後には必ず主人公側が勝利する、みたいなストーリーが好き、なのかも」

 

 主人公側の敗北で終わる刑事ドラマは見たことがない。その点で、物語の展開に安心感がある。

 

「なるほどね。じゃあ、推しの俳優さんはいるの?」

 

「推し……」

 

 自分では使い慣れない言葉でややとまどったが、意味はわかった。

 

「ジュウゾウさん、だっけ。悪にはいっさいの容赦をしない刑事の役をやってた俳優さん。あの人はかっこいい」

 

 レギュラーではなくゲストで出演していた俳優さんだ。事件解決のために犯人を射殺して、仕方がなかったこととして処理され刑事を首にならずに済むが、その後に起きた別の事件で人質にされた子供を庇って胸を撃ち抜かれる展開が待っている。そして重症を負いながらも拳銃を構え、犯人の頭をぶち抜いて、追い詰められていた主人公の刑事を救って殉職するのである。

 

「そっか。ジュウゾウさんね。今度、調べて見てみるよ」

 

 ぼくの手を握っていたミカコちゃんの手が離れる。

 テレビでは犯人逮捕のシーンが流れて、エンディングとなっていた。ミカコちゃんがDVDをシリーズの2枚目に入れ替えて、新たなストーリーが始まる。

 ふと、あくびが漏れた。決して退屈感を覚えてはいないが、いつもなら眠っている時間だ。ミカコちゃんと一緒にいて、気を張っていた面もある。

 

「ねむい? テレビはおふとんに入って見ようか。そのまま寝ちゃってもいいからね」

 

 促されるままにベッドに横たわって、毛布を被る。

 

「部屋、暗くしようか」

 

 壁際のスイッチで消灯すると、ミカコちゃんも同じふとんに入ってきた。

 

「アマネはあったかいなぁ。猫ちゃんみたい」

 

 当然のように、背後からくっつかれる。

 ぼくもあったかい。ミカコちゃんといると。

 眠気に襲われているせいなのか、いやらしい欲求は沸いてこなかった。

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