ゲーミングヒムラーと逝く!よう実世界の旅   作:産廃

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遂に両腕を得て、密かながらにアーリア人の栄光を掴むべく動き出された、我らが親衛隊全国指導者閣下、ハインリヒ・ヒムラー。
活動はまだ始まったばかりだが、ローマの道も一歩からである。古の闘士プラエトリアニの如き、彼の猛き右腕は早くも成果を挙げようとしている。
暗黒の太陽は徐々に世を照らしつつある。その日の出をもたらす、神より愛されし全国指導者閣下の大事業を阻むものは存在しない。


STRENG GEHEIM

 

善いことは重なる。

これは主神オーディンの神聖なるご加護を血統的に保有するアーリア人においては至極当然の自然的権利であり、劣等人種と一線が画されなければならない普遍の法則である。

 

だが、今日ほどに神々のご加護を実感し、感謝した日は、太陽を不屈のアーリア精神で人工生成したあの時以来だった。

 

 

私が遂に、私自身の手で偽アーリア人の傀儡を手にいれ、ゲルマンの神々に自らがアーリア人の救世主であることをお示しした民族的栄誉の日の次の朝であった。

 

私の愉快な非アーリア人の手先の一人である、須藤は興奮したような面持ちで一枚の報告書を寄越して来た。

 

「Bクラスのリーダーにな、一之瀬帆波って奴がいんだけどよ、あいつヤベーんだよ!こいつ絶対使えるぜ!?なあ、ヒムラー!?」

 

「まあ落ち着きたまえ。先ずは情報収集ご苦労。内容は精査させて頂くよ。」

 

私は報告書の紙の束を受け取る。

 

「おうよ、絶対見てくれよな!ハイル・ヒムラー!」

 

須藤は元気よくアーリア式敬礼をしてその場を去って行く。私は隠蔽を知らぬ右腕に若干不安を抱かざるをえなかった。

となると、この報告書も、非アーリア的な勘違いを詰め込んだだけの、つまらない駄文なのではないか、との疑念が頭をもたげる。

 

何せ、昨日のBクラスに対する調査活動を見ていれば、不安にもなる。奴は猥談しかしていなかったではないか!

女子生徒一人の胸部の大きさが分かったところで、一体何になるというのだ。

 

私は須藤には見えないように、そっと教室を後にしようとした。取り敢えず猥談の記録に過ぎないとはいえ、処分しておかなければ、我々の活動が露見しかねない。

 

すると、

 

「ヒムラー君、ちょっと。」

 

今度はもう一人の手先である、堀北鈴音が声を掛けてきた。何事かね、と問うと、こう耳打ちをした。

 

「須藤君の言うことは本当よ。」

 

「なぜそう言える?」

 

彼女らしからぬ他の劣等人種を認めるかのような発言に若干困惑しながらも問うと、

 

「私、彼が可燃ごみを貴方に提出しようとしてたから修正してやったのよ。全く、本当に同じ日本語話者なのか信じられないくらい汚い文章を書くんだもの。貴方からも何とか・・・」

 

「分かった、分かった。それに関しては何とかする。それで本題は何だね?」

 

堀北が劣等的孤立主義者ならではの内ゲバ傾向を見せたのを、アーリア的寛容の精神で必死に止めつつ、私は本題に移るよう促した。

・・・まあ、可燃ごみというのは否定しないが。何せ先程まで本当に可燃ごみとして破棄しようとしていたのだから。

 

「・・・!こほん。少し話が脱線したけれど、要は彼の報告書、私が推敲したの。だから分かるのだけども・・・」

 

堀北は間を置いて云った。

 

「あの一之瀬帆波って生徒、相当『使える』わ。・・・いろんな意味でね。私どころか須藤君ですら有用性に気づいたぐらいだもの。きっと貴方にとっては鬼に金棒、と言ったところでしょうね。」

 

「ほう、それ即ち?」

 

「なるべく早めにチェックして頂戴。必要なら高円寺君にも共有した方が良さそうね。こればっかりは只の須藤君の戯言じゃない、って事よ。」

 

「成る程な、報告感謝するぞ。アーリア人は君の働きを評価するだろう。須藤にも伝えてくれたまえ。」

 

「・・・!わ、分かったわ。役に立てて光栄よ。それじゃあ、ハイル・ヒムラー。」

 

相変わらず健気にも沸き上がる、歪んだ感激を抑えつつ、堀北は略式のアーリア式敬礼をして去っていった。

・・・やはり非アーリアの孤立主義者は甘言に弱くて便利だ。

 

さて、『使える』ねえ・・・どうせ知性に劣る劣等人種のことだ。噂レベルの話を根拠もなしに信じているに違いない。

そう侮りつつ、私はホッチキスで留められた表紙を捲ったのであった。

 

 

 

 

『対外情報に関する報告書 N.001』

 

この度、私須藤は、親衛隊全国指導者閣下にこのような有益な情報をお伝えする機会を頂き、光栄にございます。

閣下のアーリア人を前進させる偉大なる計画において、当該報告書が役立つならば、これ以上の栄誉はございません。

 

昨日未明、須藤はBクラス教室前にて、1-Bの生徒、「一之瀬帆波」を目撃致しました。彼女は頭脳明晰かつ眉目秀麗であり、Bクラスのリーダー的地位にあるとの事前情報があります。彼女を我々アーリア人の影響下に置くことはBクラスへの介入手段を我々に与え、偉大なる計画の遂行における戦略の幅を広げる上で非常に有益であると考えられます。

 

さて、須藤が彼女を目撃したとき、興味深い現象が見られました。彼女は強迫的に椅子のネジを締めるという奇行に走っており、さらには椅子の軋む音に連動し、時折泣き叫ぶ場面があったとのことです。

また、須藤の報告を受けた堀北が翌朝一之瀬帆波の排出したゴミ袋を調査した所、入学後日が浅いにも関わらず、大量の使用済み市販薬のゴミが発見されました。当該市販薬はオーバードーズ(劣等人種特有の医薬品の乱用的な過剰摂取)にてよく用いられることで一部の堕落した乱用者共の中では認知されており、一之瀬帆波もそのような行動をとっているものと思われます。

 

以上のような行動から、我々は一之瀬帆波は何らかの精神的な問題を抱えているのではないかと結論致しました。彼女は精神的に磨耗しており、何らかの救済を欲している可能性が高いと考えられます。従って、彼女は精神的救済を名目とした我々アーリア人による啓蒙に対し、非常に高い感受性を示すことでしょう。

 

彼女はアーリア人の手駒としてのみならず、閣下の国家社会主義の実験場としても非常に高いポテンシャルを秘めているものと思われます。我々は聡明なる全国指導者閣下にこの事実をお伝えすることで、閣下の計画が一層の前進を達成することと確信致しております。

 

アーリア人に栄光があらんことを!

 

ハイル・ヒムラー

 

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よくやったぞ須藤、君はアーリア人の勤めを確かに果たしてくれたな。

 

私は報告書の内容を疑っていたことを恥じなければならなかった。このような精神的に不安定な指導者というものは、まさに我々の偉大なるアーリア的前進における計略を実施する上で、この上なく有用な代物であるのだから!

 

かつて老い、退廃した総統閣下をテオドール・モレルが意のままに操り、マルティン・ボルマンが貪り、シュパイデルら堕落した国防軍が我々親衛隊の正義の叛逆に対する盾として用いたことが思い出される。奴等の頽廃は疑いようもないが、その手法の巧妙な有用さは我々真のアーリア人にとっても変わることはない。

 

実際、総統閣下は『我が闘争』にて敵たる英仏の資本主義者共が用いたプロパガンダに学んだと述べられていた。敵に学ぶ知性はまさに、アーリア人が文明種たることを如実に示す証拠である!

 

私自身、総統閣下の堕落に漬け込むウジ虫共に倣い、総統閣下暗殺計画を実行したこともある。計画自体は隠れユダヤの穢らわしい陰謀によって惜しくも不成功に終わったわけだが。

 

 

ともかく、哀れなBクラスリーダーの磨耗した精神に漬け込み、彼女自身、ひいてはBクラス全体を我々アーリア人の隠然たる制御下に置くことが出来れば、その民族的利益は計り知れないだろう!

 

だが・・・今はまだクラス間の生徒の交流は盛んではない。学年始めで新しいクラスに順応することで精一杯な劣等人種が殆どだ。この状況で他クラスに謀略を仕掛けても、あまり人種的旨味がない。

となれば、彼女を「切り札」として保持しておくのも手だな。それに、ここまで大規模な作戦となると、さすがに劣等人種共に嗅ぎ付けられる可能性も大きくなる・・・

 

ここは、来るべき機会に乗じて作戦を行うのがいいだろう・・・

その日が来るまでは、様子見に徹しようではないか。

 

 




第六話:グローバルプラン・象





※追記※
執筆中小説で腐っていた書き溜めを放出しただけなので、続きは春が来た後のヒムヒムくらい絶望的です。
最近はHoi4もほとんどやってないので、更新も多分しないでしょう。
(全てはブルグント体制の色が紫じゃなくなったのが悪い)

というわけで、考えていた展開などをうpしますので、優秀なアーリア民族の皆様におかれましてはご興味がありましたらご自由に続きを書いてくださいませ。
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