黒髪駆逐隊の大冒険   作:秋月雪風

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11.帰投

・・・数日後・・・

 

朝潮「・・・っ・・・(ここ、は?)」

 

朝潮は起き上がって辺りを見渡した。

 

医務室のような部屋で、近くの椅子には春雨が座っていた。

 

春雨「っ!大丈夫ですか?」

 

朝潮「春雨、さん。じゃあ、ここは・・・」

 

春雨「はい、若狭基地です。近くの浜辺に流れ着いていて・・・」

 

朝潮「そ、そうだったんだ・・・」

 

???「失礼しまーす」

 

春雨「あ、ちょっと待っててください」

 

そう言ってドアの方に走っていった。

 

???「春雨ちゃん、朝潮ちゃんは?」

 

春雨「さっき目を覚ましました」

 

???「じゃあ・・・」

 

春雨「・・・はい、はい・・・」

 

時折会話が聞こえ、しばらくし、ドアが閉まる音がすると春雨が戻ってきた。

 

朝潮「今のは・・・」

 

春雨「吹雪さんです。ここの艦隊旗艦の・・・」

 

朝潮「・・・ああ、思い出した。吹雪さんは、なんて?」

 

春雨「提督室に来てほしいって」

 

朝潮「・・・分かった・・・、いてて・・・」

 

春雨「ま、待っててください。今、車イスを・・・」

 

朝潮「だ、大丈夫。歩けるから・・・」

 

そう言って片足を引きずりながら医務室をでた。

 

それを春雨が追いかけた。

 

数分後・・・

 

提督室に着いた朝潮はドアをノックした。

 

菜「はーい」

 

朝潮「し、失礼します・・・」

 

提督室内には菜と仁助がいた。

 

菜「朝潮ちゃん。怪我の具合は大丈夫?」

 

朝潮「な、なんとか・・・」

 

仁助「朝潮、立つのも辛いだろ。そこに座れ」

 

朝潮「は、はい・・・」

 

朝潮と春雨は仁助の前にあったソファに座った。

 

その後、数分間、誰もしゃべらなかった。

 

朝潮「・・・あ、あの・・・、さ、3人は・・・、三日月達は・・・」

 

最初に口を開いたのは朝潮だった。

 

少しして、仁助が小さい紙を渡した。

 

そこには、3人の安否確認がされており、「全員不明」と、書かれていた。

 

朝潮「・・・、まだ、見つかっていないのですか?」

 

仁助「ああ・・・、どこにいるかはまだ・・・」

 

白露「し、失礼します!!」

 

基地に所属している白露が突然部屋に駆け込んできた。

 

菜「ど、どうしたの?」

 

白露「初霜ちゃんと三日月ちゃん!見つかりました!」

 

仁助「ほ、ほんとか!」

 

菜「ど、どこ、なの?」

 

白露「近くの林の中です!もうすぐここに!」

 

朝潮「・・・っ」

 

春雨「あ、朝潮さん!ど、どこに!待ってください!」

 

朝潮は慌てて部屋をでて、建物の外にでた。

 

そして、基地の入り口に向かった。

 

朝潮が入り口近くの駐車場に着いて少しすると、一台のトラックが基地に入ってきた。

 

そのトラックは、バックで近付き、朝潮達の前で止まると、荷台の扉を開けた。

 

朝潮「三日月!初霜!無事でよか・・・った・・・」

 

中に入った朝潮は絶句した。

 

2人の状態は酷かったのだ。

 

全身は包帯で巻かれており、酸素マスクを付けられ、何本ものチューブが腕に刺さっていた。

 

また、2人とも意識が朦朧としており、朝潮の呼び掛けにもほとんど応じず、ただ呻き声をあげていた。

 

隊員「2人とも、体内にもかなりのダメージがあるようで・・・」

 

仁助「すぐに手術を」

 

隊員「はっ!」

 

2人を医務室に運ばれるのを見届けた朝潮は、その場に座り込んだ。

 

朝潮「・・・三日月・・・初霜・・・」

 

仁助「・・・今日は、もう休め。明日には結果が分かるだろう・・・」

 

朝潮「・・・はい・・・」

 

仁助「・・・手伝ってくれ」

 

放心状態の朝潮を、仁助と春雨が部屋に運んだ。

 

・・・翌日・・・

 

朝潮達の部屋・・・

 

春雨「朝潮さん、おはよ、う・・・」

 

朝潮「・・・っ、春雨さん、おはようございます・・・」

 

早朝、春雨が朝潮の様子を見に来た。

 

春雨「大、丈夫、ですか?目のくま、酷いですよ?」

 

朝潮「あはは・・・、大丈夫大丈夫・・・、それで、どうしたの?」

 

春雨「・・・2人の手術が終わりましたので」

 

朝潮「・・・今行く」

 

春雨「分かりました」

 

朝潮は、脱ぎ捨ててあった自分の服を着ると、部屋の外に出た。

 

そして、春雨の案内の元、朝潮は医務室に着いた。

 

春雨「失礼します」

 

春雨が先に入り、その後、朝潮が入った。

 

医務室の中は広く、ベッドがいくつかあり、消毒液の臭いがしていた。

 

三日月と初霜は一番奥のベッドに寝ており、そこに仁助と菜がいた。

 

仁助「来たか。・・・大丈夫か?」

 

朝潮「は、はい・・・。あの、2人は、助かりますか?」

 

仁助「・・・いい知らせだ、助かる。初期型の艦娘で助かった。かなりタフだからな」

 

朝潮「・・・初期、型・・・?」

 

仁助「ああ、簡単にいえば、オリジナル。最初に造られた艦娘達だな。人形よりも人間性があり、タフで、可愛らしいとこがある。朝潮も初期型だな」

 

朝潮「そ、そうだったんですか・・・」

 

???「そして、もう一ついい知らせ」

 

後ろから声が聞こえ、朝潮は振り向いた。

 

朝潮「っ、潮・・・」

 

潮「駆逐艦潮、無事、帰投しまし、わっ!」

 

朝潮は潮に思いっきり抱きついた。

 

朝潮「潮、潮・・・、よかったよ・・・(ギュゥゥゥ」

 

潮「・・・あ、朝潮さん・・・。っ、よしよし・・・(ナデナデ」

 

菜「・・・ふふっ、朝潮が一番しっかりしてると思ってたけど、ほんとは潮が一番しっかりしてたんだね」

 

潮「そんなことないですよ。朝潮さんだって甘えたい時が・・・って、・・・もう」

 

朝潮「・・・スースー・・・」

 

いつの間にか、潮の胸の中で、朝潮は眠っていた。

 

菜「そういえば、寝てなかったね。ずっと心配してたから」

 

潮「そうだったんですか・・・」

 

朝潮「・・・うひお・・・(スヤスヤ」

 

潮「・・・ふふっ、可愛い///」

 

潮はしばらく、朝潮を抱き締めていた。

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