・・・数日後・・・
朝潮「・・・っ・・・(ここ、は?)」
朝潮は起き上がって辺りを見渡した。
医務室のような部屋で、近くの椅子には春雨が座っていた。
春雨「っ!大丈夫ですか?」
朝潮「春雨、さん。じゃあ、ここは・・・」
春雨「はい、若狭基地です。近くの浜辺に流れ着いていて・・・」
朝潮「そ、そうだったんだ・・・」
???「失礼しまーす」
春雨「あ、ちょっと待っててください」
そう言ってドアの方に走っていった。
???「春雨ちゃん、朝潮ちゃんは?」
春雨「さっき目を覚ましました」
???「じゃあ・・・」
春雨「・・・はい、はい・・・」
時折会話が聞こえ、しばらくし、ドアが閉まる音がすると春雨が戻ってきた。
朝潮「今のは・・・」
春雨「吹雪さんです。ここの艦隊旗艦の・・・」
朝潮「・・・ああ、思い出した。吹雪さんは、なんて?」
春雨「提督室に来てほしいって」
朝潮「・・・分かった・・・、いてて・・・」
春雨「ま、待っててください。今、車イスを・・・」
朝潮「だ、大丈夫。歩けるから・・・」
そう言って片足を引きずりながら医務室をでた。
それを春雨が追いかけた。
数分後・・・
提督室に着いた朝潮はドアをノックした。
菜「はーい」
朝潮「し、失礼します・・・」
提督室内には菜と仁助がいた。
菜「朝潮ちゃん。怪我の具合は大丈夫?」
朝潮「な、なんとか・・・」
仁助「朝潮、立つのも辛いだろ。そこに座れ」
朝潮「は、はい・・・」
朝潮と春雨は仁助の前にあったソファに座った。
その後、数分間、誰もしゃべらなかった。
朝潮「・・・あ、あの・・・、さ、3人は・・・、三日月達は・・・」
最初に口を開いたのは朝潮だった。
少しして、仁助が小さい紙を渡した。
そこには、3人の安否確認がされており、「全員不明」と、書かれていた。
朝潮「・・・、まだ、見つかっていないのですか?」
仁助「ああ・・・、どこにいるかはまだ・・・」
白露「し、失礼します!!」
基地に所属している白露が突然部屋に駆け込んできた。
菜「ど、どうしたの?」
白露「初霜ちゃんと三日月ちゃん!見つかりました!」
仁助「ほ、ほんとか!」
菜「ど、どこ、なの?」
白露「近くの林の中です!もうすぐここに!」
朝潮「・・・っ」
春雨「あ、朝潮さん!ど、どこに!待ってください!」
朝潮は慌てて部屋をでて、建物の外にでた。
そして、基地の入り口に向かった。
朝潮が入り口近くの駐車場に着いて少しすると、一台のトラックが基地に入ってきた。
そのトラックは、バックで近付き、朝潮達の前で止まると、荷台の扉を開けた。
朝潮「三日月!初霜!無事でよか・・・った・・・」
中に入った朝潮は絶句した。
2人の状態は酷かったのだ。
全身は包帯で巻かれており、酸素マスクを付けられ、何本ものチューブが腕に刺さっていた。
また、2人とも意識が朦朧としており、朝潮の呼び掛けにもほとんど応じず、ただ呻き声をあげていた。
隊員「2人とも、体内にもかなりのダメージがあるようで・・・」
仁助「すぐに手術を」
隊員「はっ!」
2人を医務室に運ばれるのを見届けた朝潮は、その場に座り込んだ。
朝潮「・・・三日月・・・初霜・・・」
仁助「・・・今日は、もう休め。明日には結果が分かるだろう・・・」
朝潮「・・・はい・・・」
仁助「・・・手伝ってくれ」
放心状態の朝潮を、仁助と春雨が部屋に運んだ。
・・・翌日・・・
朝潮達の部屋・・・
春雨「朝潮さん、おはよ、う・・・」
朝潮「・・・っ、春雨さん、おはようございます・・・」
早朝、春雨が朝潮の様子を見に来た。
春雨「大、丈夫、ですか?目のくま、酷いですよ?」
朝潮「あはは・・・、大丈夫大丈夫・・・、それで、どうしたの?」
春雨「・・・2人の手術が終わりましたので」
朝潮「・・・今行く」
春雨「分かりました」
朝潮は、脱ぎ捨ててあった自分の服を着ると、部屋の外に出た。
そして、春雨の案内の元、朝潮は医務室に着いた。
春雨「失礼します」
春雨が先に入り、その後、朝潮が入った。
医務室の中は広く、ベッドがいくつかあり、消毒液の臭いがしていた。
三日月と初霜は一番奥のベッドに寝ており、そこに仁助と菜がいた。
仁助「来たか。・・・大丈夫か?」
朝潮「は、はい・・・。あの、2人は、助かりますか?」
仁助「・・・いい知らせだ、助かる。初期型の艦娘で助かった。かなりタフだからな」
朝潮「・・・初期、型・・・?」
仁助「ああ、簡単にいえば、オリジナル。最初に造られた艦娘達だな。人形よりも人間性があり、タフで、可愛らしいとこがある。朝潮も初期型だな」
朝潮「そ、そうだったんですか・・・」
???「そして、もう一ついい知らせ」
後ろから声が聞こえ、朝潮は振り向いた。
朝潮「っ、潮・・・」
潮「駆逐艦潮、無事、帰投しまし、わっ!」
朝潮は潮に思いっきり抱きついた。
朝潮「潮、潮・・・、よかったよ・・・(ギュゥゥゥ」
潮「・・・あ、朝潮さん・・・。っ、よしよし・・・(ナデナデ」
菜「・・・ふふっ、朝潮が一番しっかりしてると思ってたけど、ほんとは潮が一番しっかりしてたんだね」
潮「そんなことないですよ。朝潮さんだって甘えたい時が・・・って、・・・もう」
朝潮「・・・スースー・・・」
いつの間にか、潮の胸の中で、朝潮は眠っていた。
菜「そういえば、寝てなかったね。ずっと心配してたから」
潮「そうだったんですか・・・」
朝潮「・・・うひお・・・(スヤスヤ」
潮「・・・ふふっ、可愛い///」
潮はしばらく、朝潮を抱き締めていた。