基地を立った4人は、津軽海峡を通って無事、太平洋にでた。
その間に、5回ほど、人形艦隊と交戦したが、ほぼ損害なし。
そして、盛山で補給し、仙台からは東京湾に向かう輸送船に乗せてもらい、仙台から東京までの人形艦隊をやり過ごした。
・・・仙台を出発してから数時間後・・・
東京、江戸海軍基地・・・
初霜「着いた〜」
朝潮「しかし、東京周辺は人形艦隊が多かったね・・・」
潮「輸送艦の艦長の話では、あれは横須賀の人形艦隊だそうです」
朝潮「・・・すぐそこ、っ!」
朝潮達の周りは、いつの間にか武装した兵士に囲まれていた。
三日月「な、なに?」
朝潮「なんですか?」
兵士「あなた達は、若葉の臼口司令が言っていた4人ですか?」
潮「・・・ど、どうする?」
朝潮「・・・はい、そうです」
兵士「・・・。閣下」
兵士が後ろにいる老人に声をかけると、後ろから一人の老人がやってきた。
???「君達が、臼口が言っていた子達か」
朝潮「は、はい・・・」
???「申し遅れた。私は、日本海軍総司令官の桐谷修海軍大将と言う者だ」
潮「そ、総司令官!?」
三日月「・・・え?」
朝潮「・・・は、初めまして・・・」
桐谷「さて、話はすでに聞いてる。まあ、ここで立ち話はあれだ、車の中で話そう。ついてきてくれ」
桐谷はそう言うと、後ろに止めてあった車の扉を叩いた。
すぐに運転席の扉が開き、中から人が出てくると、後部扉と助席の扉を開けた。
運転手「どうぞ」
桐谷「うむ」
桐谷は助席に座ると、朝潮達に後ろに乗るよう促した。
それに従い、朝潮達も後ろに乗った。
桐谷が乗ってきた車は後部が広く、前の席を倒せば、荷物置き場にある椅子にも座れるほどの大きさがあった。
前の方には、体力があり、話を理解できる朝潮と潮が乗り、一番歳が下の三日月と、その次の初霜が後ろに乗った。
全員が乗り込むと、運転手は運転席に座り、車を発進させた。
桐谷「さて、続きを話そうかね」
潮「臼口司令とはどういう関係なんですか?」
桐谷「仁助は私の元部下でね。まあ、生き残った部下は仁助だけだが。あいつは、なんでもできるやつだったな・・・」
朝潮「いや生きてるんですが・・・」
桐谷「おお、そうだったな。まあ、話は戻して、仁助は元部下で、同時に私の一番弟子だったんだよ。妻は私の娘だから親族でもあるがな」
潮「弟子と言うと、剣術の、ですか?」
桐谷「ああそうだ。相模心道流のな。朝潮はたしか・・・」
朝潮「はい。若狭海迅流の門下生でした」
桐谷「聞いてる。あの技の多くは心道流を受け継いでるんだ。まあ、2つは仁助独自の技だがな。朝潮、技は全部言えるか?」
朝潮「えっと、だるま落とし、鳥居崩し、花吹雪に海切りに飛炎、そして、鬼神と辻褄、ですね」
桐谷「そう。最後の2つだ。あの技は、なんだ?少なくとも、人がやれるような技ではないぞ・・・」
朝潮「鬼、ですかね?」
若狭海迅流の中で、最強の技が鬼神と辻褄だった。
しかし、この2つの技の特徴は、一つとして、共通しない。
鬼神は主に守りの技で、素早く刀を振ることで、銃弾を弾き、砲弾を切り裂くことができた。
その速さと威力は異常で、「大人3人分の巨木を一振りで斬り倒す技」、と言われるほどで、海迅流最強の技たった。
一方、辻褄は、主に攻めの技で、斬った相手が一瞬で塵になるほどの威力がある技だった。
しかし、「この技を使えば悪魔が憑き人を斬る」、と言われており、実際、この技を習得した門下生8人がこの技を使った大事件を起こしていた。
桐谷「朝潮は・・・」
朝潮「・・・全部、習得しています・・・。鬼神も、辻褄も・・・」
桐谷「・・・そう、か。・・・、使い方、間違えるんじゃないぞ」
朝潮「は、はい・・・」
運転手「・・・着きました」
桐谷「っと、そうか。ここでよい」
屋敷の前に着くと、桐谷は車から降り、屋敷の中に入っていった。