それから2週間後、三日月の元に無事、眼鏡が届いた。
フレームの色や形は三日月の希望通り、形は四角で色はオレンジの眼鏡だった。
さらにそれから1ヶ月経ち、例年より早く桜が咲き始めた頃、三日月の怪我は無事に完治し、自力で歩けるようになった。
また、リハビリの結果、左手で箸やスプーン等を持って食事をすることができた。
・・・3月・・・
静流は4人を車に乗せ、あるところに向かった。
数時間車に揺られ着いたのは山奥にある小さな小屋だった。
朝潮「・・・ここ、どこ?」
初霜「ちょっと、暗いね・・・」
三日月「うん・・・」
静流「暗い方が見つかりにくいからね」
花風「そうだね。隠すにはちょうどいいから」
朝潮「?」
静流「入って」
5人は小屋の中に入った。
小屋の中は埃まみれで、古びた家具がいくつか置かれてるだけだった。
静流「えっと、これをっと」
静流は床のカーペットをひっくり返した。
そこには鉄製のドアがあり鍵が閉まっていた。
静流は持っていたキーケースの中から一つの鍵を取り出すとドアの鍵を開けた。
ドアの先には梯子があった。
三日月「・・・これは?」
静流「・・・入れば分かる」
最初に静流が梯子を下り、その後花風が、そして、朝潮、初霜、三日月が恐る恐る下りていった。
そして、全員が下りたのを確認すると、静流は近くのレバーを引いた。
照明がつき、真っ暗で見えなかった射撃場が姿を現した。
三日月「・・・すごい・・・」
静流「旅に出るには、武器は必須だからね。好きなの選んで」
静流はそう言いながら改造されまくったライフルと拳銃を取り出した。
静流「・・・ほら、選んで」
全員「はーい」
それぞれ置いてあった銃を持って自分に合う武器を探した。
その間、静流は射撃練習をしていた。
静流「・・・(バン、バン」
花風「・・・よいしょ・・・、でも、こんなので深海棲艦に勝てるかな・・・」
静流「じゃあ隣の部屋にあるもの持ってきたら・・・、もうちょい右か・・・(バン」
花風「わかった。来て」
朝潮「あ、待って(タタタ」
花風達は静流の言われた通り、隣の部屋に入り電気をつけた。
そこには艤装が置いてあった。
初霜「し、静流さん!こ、これって・・・」
静流「・・・好きなの選んで・・・」
三日月「どうしてここに艤装が・・・」
静流「なんだっていいでしょ・・・っ!」
朝潮「・・・何者何ですか?」
朝潮は持っていた拳銃を静流の頭に向けた。
静流「・・・んー、そうね・・・、ある基地の提督の、娘よ、っと・・・」
朝潮「・・・っ」
隠していたナイフで朝潮の首に突きつけた。
静流「・・・下ろそっか?朝潮ちゃん」
朝潮「・・・うん・・・」
涙目になりかけていた朝潮は銃を下ろした。
静流「説明するから、艤装のある部屋に来て」
ライフルを壁に立て掛けると部屋に入った。
それを三日月達が追った。
部屋に入り、椅子に座ると話始めた。
静流「今から、そうね・・・、5年も前かな。朝見鎮守府って知ってる?」
三日月「・・・いえ」
初霜「私も・・・」
朝潮「名前くらいは・・・」
静流「そう・・・。じゃあそこからね・・・」
静流はいろいろ説明していた。
朝見鎮守府はトラック諸島から南に300㎞離れた前線基地のひとつだった。
深海棲艦の攻撃を10年以上防いでいてが、5年前に大規模な空襲と砲撃で陥落、基地にいた艦娘や妖精、人間の内、99%が亡くなった。
しかし、そんな中、静流は数人の妖精と艦娘と共に魚雷挺で基地から脱出、対馬に落ち延びた。
艤装はその時、持ってきたものだった。
静流「・・・っと、いうことよ」
初霜「そんなことが・・・」
三日月「・・・それで、妖精や、艦娘はどうなったんですか?」
静流「トラック諸島に送られたよ。皆、そこで死んじゃったけど」
花風「・・・」
静流「・・・そろそろ素を出したら?花風」
朝潮、初霜、三日月「・・・えっ?」
花風「・・・そうだね。いや、そうですね」
花風は髪を留めていたリボンを解き、カラコンを外すと三日月達の方に振り返った。
花風?「初めまして。いや、そちらの基地にもいたのではないでしょうか?」
朝潮「えっ?」
初霜「な、なん、で・・・」
三日月「潮、さん・・・?」