山育ちの流星の学園生活   作:不知火 秋

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前回のあらすじ

ダサT発見伝


ウェミダー!

 

 

 

 

 

 月は7月。待ちに待った気がしないがついに夏合宿の始まりである。

 

 

 沖野Tの運転する車に乗り、合宿所まで走らせる。長いこと車に揺られるのは初めてだ。今まで乗った乗り物なんてこっちに来る時に乗った電車くらいだ。

 

 見える景色も電車と車では当然違う。そんなことから景色を楽しんでいると視線を感じたのでそちらに向くと、テイオーさんやウオッカさん達から珍しいものを見たような目で見られているのに気づいた。

 

 

 

「どうしたんですか?」

 

「いや、ルインが目をキラッキラさせながら景色を見てるなんて珍しい光景だなって思ったんだ」

 

「あ、確かに。いつも目をキラッキラというよりは、ギラッギラさせてますよね」

 

 ギラッギラってなんですかスペさん。初めて聞いたよそんな擬音。

 

 

「あ!もしかしてぇー....車に乗ったことないとか!」

 

 

 

 

「え、なんで分かったんですか?」

 

 

「えっ....」

 

「「「「「「「「えぇぇ!!??」」」」」」」」

 

 

 

 何故そんなに驚く!?あまりの声量に沖野Tのハンドル操作が今ブレてましたけど!?

 沖野T大丈夫ですか?あ、耳がキーンってしてるだけで大丈夫?良かったです。

 

 

 

「今まで車というか乗り物とは無縁の生活してたんですよ。ちょっと歩けば自分の行きたい目的地に着きましたしね」

 

「実はそんなに移動しないって意外とお嬢様?」

 

 スペさんの発言を皮切りに、私が実は箱入りお嬢様説、令嬢なお嬢様説、乗らなければ願いが叶うジンクスを信じた説など色んな説が車内で飛び交うようになった。

 

 まぁ、全部の説が大ハズレもいいとこですが。

 

 

 

 

 説が飛び交う中、スカーレットさんが何かを思い出しように沖野Tに話しかける。

 

 

「そういえばトレーナー。今回は宿はどうなってるの?」

 

 あ、確かに聞いてなかった。

 

 

「ん?言ってなかったか。今回もリギルの宿泊施設の近くの宿を取ったんだ」

 

「てことは、海か!やったぜ!」

 

 ウオッカさんが嬉しそうだ。ん?今回も?

 

 

「話戻すけど、近くってことは今回もまた去年みたいなことやるの?」

 

「おう。当然やるぞ。流石に同じことはやらんけどな」

 

「「違うとはいえまたかぁ〜」」

 

 ちょっとダルそうな声を上げるゴルシさんとテイオーさん。

 

 

 

 

 それからしばらく車を走らせると、海辺のホテルの前で車は止まる。

 

 

 

「おっし、到着だ。降りていいぞ」

 

 

 沖野Tの掛け声でみんなが降りると、目の前には写真や映像でしか見たことのない青い海が広がっていた。ちなみに後ろには山が聳え立っていた。

 とりあえず、大きく息吸い込んで.....

 

 

「ウェミダー!」

 

「ウェッ!?ルーちゃんどうしたの!?」

 

「いや、言わないといけない気がして....」

 

 それはそうとなんというか山の方からピリピリとした気配がする....。なんだろ、コレは警戒?

 近くに小鳥が飛んできたので、指に止まってもらい話しかけると小鳥さんは教えてくれた。

 

 

 ちょうど、マックさんとゴルシさんのような芦毛2人と、スカーレットさんみたいな赤毛のウマ娘達を含めた、合計7名のウマ娘が去年に近くの山の森の中を爆走したらしく、最終に水辺にドボンしたらしい。この事から、この時期は警戒態勢に入ろうと山の会議で決まったらしい。

 

 

 何してるんですか先輩方。

 

 とりあえず、あの人たちは私の友人ということで警戒態勢を解いてもらうことに。

 

 

 小鳥さんが伝令を頼まれてくれるので、指から飛び立たせるとその光景を見たウオッカさんが『漫画の世界のお嬢様みてぇ...』と言ってきた。

 言われてみばそうだ。お嬢様大体、小鳥さんとお話してるわ。だが悲しきかな。実情はただの野生に近い山育ちの一般ウマ娘なだけである。

 

 間違ってもYAMA育ちでは無いのでそこのとこよろしく。

 

 

 とりあえずトレーナーからは練習は明日からという通達があり、今日は全力で遊ぶこととなった。

 

 

 

 

 

 買っておいた水着に着替え、初めての砂浜へ足を踏み込む。

 

 

 

「あ゙っ゙っ゙づ!!!!」

 

 

 

 

 

「大丈夫!?」

 

 私の声を聞いたウマ娘がこちらへやってくる。そのウマ娘の声に聞き覚えがあり、そちらへ向くとそこに居たのはディーちゃんとオルフェーヴルことフェーちゃんだった。

 

 

「え、大丈夫っスか?」

 

「だいじょばない....砂浜ってこんな熱いの?なんで2人平気な顔でここに立てるのさ....」

 

「まぁ、慣れてるからね....」

 

「同じく。まぁ、もっかい立ってみてよ。次は大丈夫だから」

 

「わかった....」

 

 フェーちゃんの言葉を信じ、私はまた砂浜へ足を乗せる。おや?ほんとに大丈夫だ。

 

 

 

「ホントだ大丈夫だ...。そういえば2人は練習無いの?」

 

「こっちはあるよ。集合時間より少し早めに来たの」

 

「その水着を見るからに、そっちは練習ないみたいっすね。それにしてもその水色の水着似合ってるね」

 

「ありがとうフェーちゃん。あっ、向こうに東条トレーナーが.....」

 

「ホントだ。それじゃ行ってくるね」

 

「それじゃ、また後で!」

 

「行ってらっしゃーい」

 

 

 2人を見送ると、入れ替われるようにスピカのメンバーがやってきた。

 

「ルーちゃん早いよー。もう着替えたの?」

 

「まぁね。ちょっと水着の着方が分からなかったけど何となくでやったらできたし」

 

「えっ、なんとなく?」

 

 キタちゃんがそう言うと、私の水着がズレていく。えっ、あの結びじゃダメだったの!?

 

 

「危ない!」

 

 咄嗟にマックさんが私の水着を胸を鷲掴むようにして抑える。

 

 

「このサイズ....私の敗北....?」

 

「何か言いました?」

 

「ナンデモアリマセンワ....」

 

 なんかショックを受けてるような顔にしか見えないが大丈夫だろうか?

 そんな心配をしているとキタちゃんがお助けしてくれたので何とか紐を結ぶことが出来た。ありがとうお助けキタちゃん。

 

 

 

 

「.....ねぇねぇ。ルーちゃんって車に乗ったことないだけじゃなくて、もしかして海にも来たことない?」

 

「ないですね。今日が初めてです。言ってませんでしたっけ?」

 

「いや、車の件もそうだけどこれも初耳だよ!」

 

「よぉーし初めてか!ならよし!それならこのゴルシちゃんが手取り足取り海の遊び方ってモンを教えてやるぜ!」

 

「ゴールドシップさん、ほどほどにしてくださいね....」

 

「任せとけって!」

 

 

 

 私はゴルシさん主導の元、全力で海で遊んだのだった。

 

 

 

 




ルインミーティア(水着の姿)→夏の砂浜の洗礼を受けた。初めてだったので大ダメージ。
多分産まれて初めてあんなに大きい声を出した。

メジロマックイーン→唯一勝っていたと思っていた後輩に敗北。

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