今回は実質番外編と言うかお遊び回
現在、私の目の前ではある光景が広がっていました。
それはライバルと後輩が一緒にいる光景です。
え?そんなの当たり前に見る光景じゃないかって?
あぁ、説明が足りてなかったですね。一緒にいると言っても。
その土下座は、もう見事としか言えないくらいのキッチリとした土下座です。多分グラスちゃんに怒られてる時もなかなかお目にかかれないくらいの綺麗な土下座です。なんなら、顔面蒼白で汗もダラダラ出てます。
「エルコンドルパサー先輩。私がなんで怒ってるかわかってますか?」
「ハイ.....反省してマス」
「『別にデスソースをかけるな』とは言いませんよ?えぇ。かけるのは個人の自由ですから。
でもね?エルコンドルパサー先輩。流石に勢いよく出しすぎるのは良くないと思うんですよ」
「ハイ.....以後気をつけます...」
「わかってくれればいいんです。わかってくれれば。次やったらわかってますね?」
「ハイ....本当に申し訳ございませんでした...」
まぁ、何があったかと言うと遊んでこれからお昼という時にリギルのみなさんからのお誘いでホテルでお昼ご飯を食べることになり、エルちゃんが前にグラスちゃんにやっちゃったような事を隣に座っていたルインちゃんにもやってしまった。
ということです。
やった瞬間、目にも止まらない速度でアイアンクローをかけた時はビックリしました。会長さんですら反応出来てなかったらしいです。
そこから何とか落ち着いてもらいさっきに至ります。
☆☆☆☆☆
「はぁ....すぐキレる癖治さないとなぁ....久しぶりにアレでストレス発散するかなぁ...」
ん?アレ?
「ルーちゃん、"アレ"ってなに?」
「ん?あぁ、結構前からやってたフルダイブ型のVRMMOゲームがありまして」
「ほぅ....そんなのやってたんですね。意外です」
「私、一応漫画とかゲームとか結構そこら辺嗜む方でして。まぁ知り合いの影響もありますけどね」
意外だ...。結構ゲームとかやらなそうな雰囲気あったけど。こういうの、見た目によらないって言うのかな?
それはそれとして、ルーちゃんが前からやっているというゲーム。それが気になる。というかプレイしたい。
「ふーん....。ボクもやってみたいなぁソレ」
「やってみます?幕末。
正式なタイトルは『辻斬・
「パッと調べてみましても。結構和気藹々としてるゲームみたいですわね」
マックイーンがすぐに調べてくれたものを見たけど、確かに肩を組んだりして楽しそうにしていた。
「ほほーん。楽しそうじゃん!ちょっとやらせて!」
「えぇ。いいですよ」
ボクはルーちゃんからVRヘッドセットを借り、ニューデータで始めるのだった。
遅れてきたゴルシとリギルのオルフェーヴルちゃんが、ボクがゲームを始める前にルーちゃんからなんのゲームをやるかを聞いた時の顔が引きつってたのをボクは見逃していた。
そう。あのゴルシが引いてるものがヤバくないはずがなかった。
☆☆☆☆☆☆
テイオーさんがログインしてすぐ、ゴールドシップさんが話し始める。
「おいおい...。あのゲーム勧めるとか正気か?」
「ゴールドシップさん。どういうことです?」
「いや、アレ勧めるとかド畜生を通り越した鬼だぞ....」
「「「「「へ?」」」」」
その場にいた、スピカの面々とリギルのエルコンドルパサーさん、ルインさんのルームメイトのディープインパクトさんが何を言ってるのか分からないという顔をしていた。
「いや、さっき見た公式サイトに上がってる画像はみんな和気藹々としていたじゃないですか」
「そうですよ。公式じゃなくても攻略サイト見ても同じように和気藹々としてますよ?」
「あー、それ擬態ですよ....。幕末の本性はサイコパスしか生き残れない地獄ですから」
「は?」
「あながち間違ってないな」
「違いますよ。思考回路が若干幕末仕様に塗り変わるだけです」
「ルーちゃん、それ洗脳より悪質な人格汚染ではないですか?」
「フェーちゃんに続けますがちなみに、初心者が体験するのはチュートリアルガン無視でPKとリスキルかましてくる先達プレイヤー達からの襲撃です」
「なんですのその地獄」
「人の善意をぐちゃぐちゃの肉片にしたものを蒔いて耕したような世紀末ゲーとも言われてますからね」
なんですのその地獄。そんな土壌踏みたくないですわ...。
「あそこの住人、大概話が通じないですからな。『こんにちは、死ね』じゃなくて『死ね(意訳:こんにちは)』だからな...。会話能力を殺傷力に変換してるとしか思えねぇ」
「....なんでそんな世紀末が一周してさらに煮詰まった地獄のようなゲームを笑顔でやってるんですの?」
「楽しいからぁ...ですかねぇ....。探せばトレセン学園にもプレイヤーいるんじゃないですかね?多分」
「頭が痛くなって来ましたわ....」
それから数十分後。テイオーさんは起き上がりました。
☆☆☆☆☆☆
ボクはあそこに耐えきれずログアウトし、ルーちゃんに詰め寄る。
「ルーちゃん!アレなに!?ログインした瞬間斬られたし、リスポーンした瞬間にも斬られたんだけど!?というかあの人たちの叫ぶ『天誅』って何!?」
「天誅は天誅です。理由は無いです。それと、ソレは実質的に幕末の真のチュートリアルみたいなものと思ってください。みんな通る道です」
「そのあとに、何とかヤバい人たちから逃げきったけど....。刀に手をかけただけで周囲の人達から斬られたんだけど!?」
「あぁ、ソレはあそこでは喧嘩売ってる証拠なんで」
「ワケワカンナイヨー!!!!ルーちゃん、実際にプレイして見せてよ!ベテランなルーちゃんがどんなプレイしてるか見たい!」
「えぇ、いいですよ。ゴルシ先輩、それテレビに繋げてください」
「おう....。ヨシッ、OKだ」
「それじゃ、行ってきます」
そうして、ルーちゃんはゲームの世界に旅立っていった。
テレビに映ったのは、どこかの建物の中だろうか?見知らぬ天井が映っていた。
2本の刀を腰にかけたルーちゃんは入っていた布団から起き上がると、部屋の中にある襖を見た。
アレ?よく見ると少し開いてる...?
『ド素人め。そこだ!』
ルーちゃんは開いてるのを確認した瞬間、襖を蹴り飛ばす。するとそこには新撰組のような羽織を着た数名の剣士がいた。
『なぜ分かった!?』
『襖から光が漏れてんだよボケェ!襖の陰から襲おうなぞド三流リスキラーだ。覚えておけ。というわけで天誅!!!』
『『『ぐあぁぁぁぁ!!』』』
ルーちゃんはなんの躊躇いもなく手に持つ刀で斬り伏せていく。うっわ、容赦ない....。
家から出た瞬間にもプレイヤー2人が正面から襲いかかって来るが、さらに上空から刀を振り下ろすプレイヤーが来る。
「あっ!ルインさん危ない上から敵g....」
マックイーンが上から敵が来た事を言い切る前に、ルーちゃんはとんでもないことをやりきった。
上から来る敵の攻撃が来る前に、前の2人の首を居合で斬り飛ばし、もう一本の刀で上空からの敵の頭を撥ねる。
だが、撥ねた敵プレイヤーの胴体からさらに刀が飛びててくる。まさかの4人目!?
『んなもんで、天誅できると思うな!オラァ!!』
4人目の刀を横から蹴り飛ばし、落下方向を変えると4人目の姿が見える。見えた瞬間、ルーちゃんは囮の囮にされた人ごと右手に持つ刀で斬り捨てる。
それでもまだ終わらず、周囲から複数人出てくるも、ルーちゃんはそれすら読んでいたのか出てきた瞬間、プレイヤーをキルしていく。
『あっ!お前、この前のイベントでレイドボスさんをトレインしてた私を横から刺したやつだな!天誅!
そこのお前も、あの時私の邪魔しやがったな!天誅!!!
お前は誰だか知らんがとりあえずくたばれ!天誅!!!!』
全員をキルし終わるとその後もルーちゃんは色んな所を歩いて行くが、刀に手が触れたプレイヤーが入れば天誅。前のイベントで斬りかかって来たから天誅。
過去のイベントでランキングをかっさらわれたから、同志を集い
それらを一通りやったルーちゃんはログアウトして帰ってくる。
うーん、ルーちゃん化け物過ぎない?
「ルーちゃん、よくアレ生き残ったね....最初の家から出たヤツ」
「あぁ、上空肉盾貫通型奇襲式袋叩き天誅ですね」
「なんて?」
「上空肉盾貫通型奇襲式袋叩き天誅です。上空からの奇襲まではランカーとか、私の知ってる実力ある2つ名持ちなら当たり前に対処出来ますからねぇ。ソレをさらにねじ伏せるために考案された天誅です。ちなみに、上空からの奇襲の1人目は何も知らされないまま上のやつにぶっ刺されます」
「地獄すぎないかな!?」
「幕末ですから。天誅と唱えれば天があらゆる所業を許してくれるので問題ないです。天がやれって言ったんです、だから私は悪くない」
「つまりは責任転嫁ワードではありませんの!?」
「だいたい合ってます。責任転嫁ではなく魔法の言葉と言ってほしいところですけども」
「で、他にやってみたい方います?」
もちろん全員首を横に振った。
ルインミーティア→やってるゲームの一部が知られた。割とクソゲーも嗜む。神ゲーもやる。
幕末は何も知らない赤お姉さんにもわざわざ買って海外にまで押し付けた。幕末の洗礼を受けてる光景を見て団子とお茶を楽しみながら笑った人。キレる癖は多分幕末のせい。
テイオー→幕末の洗礼を受けた人。
エルコンドルパサー→後輩にガチで怒られた人。