これはただの自己満足だ。
後戻りができない所まで来てしまったんだ
僕はただ、愛する人を、大切だった人たちを守りたかっただけなのに
それは一瞬で奪う
どんなに叫んでも、手を伸ばしても届くことはない
あんなに、幸せだったのに
幸せは一瞬で壊れるし壊される
本当に世界は無情だ
「お兄ちゃん、どうして泣いてるの?」
「僕が泣く?そんなわけないじゃないか?」
「でもお兄ちゃん、目から涙がこぼれているよ」
「ふふっ…そうなのか。でも僕は泣き方を忘れてしまった。それでもこれは泣いてるってことになるのか?」
「泣いてるよ、だって、僕は君だから」
「嗚呼…でも君は僕じゃない。ただの幻想だ」
「でも僕には分かる、心が苦しくて息ができない、それは悲しいからでしょ?」
「悲しいなんて何百年も感じなかったのにね。急に感じるようになったのだってあいつが原因だよ。本当ならあいつはこの世界にいない存在だ」
「だけど少なからず僕はあの人間の子を好いている、好ましく思っているでしょ?」
「黙れ、もう君は不要なんだ、消えろ」
「僕、思い出してよ。君にはまだ感情があるでしょ?」
「うるさいうるさい!もうお前はいらないんだ!僕の中から消えてくれ!!」
「…なら、後悔だけはしないでね狂冥」
「ははっ、後悔なんてしないよ。それはもうずっと前に終わらせた」
僕はただの復讐者なんだから
もう誰も信じない
全ては消え失せる
約束だって守れないのだから
もう長くないことは気づいてる
こんな体でもいつかは腐ちて消えるのだから
なら、やれるべきことをやるしかない
「今日は夜空がよく見える…」
だけどそんな夜空すらいつか見れなくなるときが来るだろうね
月に手を伸ばしても届かない、いないものにも手は届かない
伸ばしても届かないなら伸ばせるところに伸ばすしかない
だからこそ伸ばせる奴らがどれだけ絶望するのか、どんな表情をするのか
いまから楽しみだ…だからこそ邪魔はさせない
「さて、次はどんな話を書こうか」
「じゃあね愚かな者たちよ。ああ、もう息なんてしなかったか」
命が散れば何も残らない
形がなければそこにないんだ
例え死んだ人がその場に現れたってそれは実体がない
死んだ人間が生き返るなんて夢物語でしかないんだ
触れられないものに手を伸ばしても無駄だろう?
だからこそ僕は孤独へ進む
どこまで行けてどこで散るのかわからない
なら僕はこの世から消えて届かなくなってしまう前に
「すべての物語をこの手で終わらせて棺にいれよう」