はぐれ艦娘と孤立小隊   作:小椋屋/りょくちゃ

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投稿忘れです本当に申し訳ございませんでした。
首切って詫びたい。


第19話

ついに見つかってしまった私たちの現本拠地、ポートモレスビー。

「南方進出作戦」時の空襲で壊滅したと思わせるための偽装の効果もあり、私がここで活動をし始めてから昨日までここの設備が生きていることは確定できていなかったと言っても過言では無いだろう。たがしかし、敵の攻撃に際して対空砲火などの迎撃によって未だ機能が残っていることが深海棲艦にもバレてしまった。

仮に人間的な「戦術」を理解している敵なら、ここの厄介さにはもう気づいているはずであり、攻撃の計画を立てているに違いないだろう。

「あ、長波ちゃん。おはようなのです。」

と、小難しいことを考えているうちにひょっこりと電が現れる。

「あぁ、おはよう電。とりあえず疲れは取れたか?」

攻撃の影響で宿舎の1部が崩壊し、いつも使っている部屋が使えなかった関係上、確認はしておきたかった。

「よく寝られたのです。少し心配なのは文月ちゃんですけど……。」

と電。本人がしっかり者だからかどうかは分からないが何ともなかったようだ。

「まぁ、文月の寝起きがあんまり良くないのはいつもの事だから大丈夫だろ。」

と話しつつ工廠へと向かう。大怪我を負った提督の様子を確認するためだ。

 

「提督、起きてるかー?」

一応治療室に入る前にノックをしてみる。

「えぇ、起きてます、どうぞ。」

といつものように堅苦しい返事が帰ってきた。元気そうな声ではあるので扉を開けて入ると、そこにはいつものように軍服を着た提督が…居るはずもなく、ギプスや包帯で覆われていた。

「…大丈夫なのです…?」

思わず電が聞く。

「……大丈夫です…と言いたいところですが、実際痛み止めが必須なほどです…。面目ありません。」

と何故か謝る。

「判断を誤って怪我したのは提督のせいかもしれないけど、怪我しちまったこと。そうなっちまったことをあたしらに謝る必要はねーんじゃねぇの?卑屈になりすぎだ。」

と、前々から思っていた事も含めて言ってしまった。

提督は何も言わない。

「この際だから言っておく。もし仮に、提督を置いて撤退しろなんて言い出したら、あたしが提督をぶん殴る。戦争は犠牲が付き物だけどな、犠牲前提で作戦を組み立てるような奴の下で戦いたくない。」

「長波ちゃん!言い過ぎなのです!!」

電が私に抗議してくるが、これは私の信念だ。綺麗事だなんだって言われようが曲げるつもりは無いし、曲げるくらいなら艦娘自体も辞めてやる。

「……そうですね。」

提督が小さくそう呟く。電もはらはらと提督の言葉を待っている。

「わたしが頭を使わないでどうするって話ですからね。誰も犠牲にならないように作戦を作ってみますよ。」

口調自体はいつもとあまり変わらないが、その目は確かに前を見据えていた。

「そういうことなら、どんな命令でもこの長波サマが全力でやってやるぜ?任せな!」

なんたって私は栄光の二水戦の一翼を担っていた最精鋭駆逐艦、長波なのだから。

「作戦立案は任されました。これからも頼みますね。」

私ら二人の目を見てそう言う。信念のこもった眼を見るのは好きだ。

「おうよ!」

「もちろんなのです!」

電も私も、自信をもってこれに応える。雨降って地固まる。私たちは再出発をしたのだった。

 

とまぁ、かっこよく締めたものの、そもそも鎮守府自体もボロボロで、物理的にも再出発しなくてはいけない。電と手分けして、修復された鎮守府施設内を総点検していく。とそのうち

「もぉ~うるさいなぁ~…。」

と文月がぼやきながら部屋から出てくる。

「どうした?」

と聞くだけ聞いてみるが、大方特殊艤装のリンクを切らずにいたのだろう。

「深海の飛び交ってるみたいで、ほんとにうるさいの…。」

やっぱり半ば自業自得だった。

「それで、どんな内容なんだ?」

不機嫌そうな顔に一瞬変わるが、すぐに処理を始める。

「えぇっとねぇ…。」

そのうちにみるみる表情が消え、困惑と狼狽の色が浮かぶ。

「どうしたんだ…?」

思わず聞かざるを得ない。

「深海棲艦が…平文で私たちに助けを求めてるみたい…。しかも深海水上艦の部隊が攻撃してるみたいだし…。」

しどろもどろになりながらも説明してくれる。

「『助け』を求めてるんだな?」

文月に念を押す。

「う、うん…。そうみたいだよぉ…?」

なら助けに行くしかない。善悪の判断は、後から決めればいし、今なら何とかなるかもしれない。救える命は、見捨てたくないからだ。

「ちょ、ちょっと、長波ちゃ~ん!!」

私の背中に文月の叫び声か届く。

「わりぃ!司令と電には文月から伝えてくれ!!」

そう叫びドッグへと急ぐ。

「駆逐艦長波、抜錨!出撃する!!」

駆け込み艤装を展開、緊急出撃する。もちろんフル装備で、電探を起動する。

「見つけた…!」

鎮守府近海なのをいいことに機関部が悲鳴を上げるギリギリまで加速する。

「おらぁ...!!」

トップスピードのまま敵艦隊に突進。追撃している部隊の先頭に思いきり体当たりをする。

そのまま返す刀でその後方にいる敵に主砲を叩き込み大きくバックステップ。

「大丈夫か!?」

追われていた深海棲艦を確認。中破しているようだが航行に支障はなさそうだ。

「マダ大丈夫。」

本人もそう言っているなら問題ないだろう。矢のようなスピードで突進をかまし、突如として新手が現れたことにいまだに混乱しているようだ。

「先行ってな!この先に鎮守府がある!!」

手傷を負っているその深海棲艦を横目に目の前の部隊に相対する。

アタマは一般的な重巡リ級だ。

「大丈夫、私ならやれる。」

大きく息を吸い込んで、足を踏み込みバネの要領で一気に加速する。狙いはまずアタマ。それをつぶせば有象無象の集団でしかない。

狙われたリ級は、ぎょっとした顔で私に向かって射撃を開始する。しかし…

「そんな反応速度じゃ二水戦の訓練すら潜り抜けられないねぇ!!」

タンタンタンと軽快なリズムで機関部と武装、そして胴体を撃ち抜きそのまま敵中を駆け抜け裏を取る。

最後尾にいた軽巡ト級がかろうじて反応できたようで、真後ろの私に対して弾幕を張り始めるが、軽快なステップで回避を選択。

「っとと…。あんたにゃこれがお似合いだ!!」

すぐさま魚雷を投射し牽制射撃。回避ルートを封鎖し魚雷を直撃させる。

私一人に攪乱され、統制を失い、あっという間に陣形も部隊そのものも崩れた。流れ作業のように追撃戦に移行し、各個撃破していく。

今倒さねば、どこかで誰かを殺すかもしれないし、私たちにいつか危害を加えるかもしれない。

電がここにいれば、私を静止しただろうか。そんな疑問を抱きながら私が最初にタックルを仕掛けた駆逐艦を屠る。

殺されるくらいなら、殺すしかない不条理を柄にもなく酷く憎んでしまった。




かっこいい波サマはやっぱりいいね。

そして銭湯パート、書き出すと止まらないです()
後半500文字楽しくなってしまったし…()
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