今後もゆるゆる続きを書いていくつもりです。
不定期投稿ですけれども。
助けを求めていた駆逐棲姫を無事救助し、提督と面会させることに成功した。
その「ハル」と名乗った深海の姫曰く、「深海には深海のルールがあり、それを守れぬ無頼者から離反した。」との事のようで、その無頼者が、どうやらインドネシア、マレー諸島近海に陣取る深海棲艦部隊の頭目のような存在らしいということがわかったのだった。
「なるほど。理解しました。」
何か考えていたのだろうか、数瞬の間を置いて提督が返答する。
「デ、協力シテクレルノカ。」
ぶっきらぼうに言い放つが、その瞳には期待の色が映る。
「そうですね…。あなたはルールと約束と言うものを大切にしているのですね。」
何かを確認するように相手を伺う。
「アタリマエダ。ソレガ我ラ深海ノ生キ方ノ基本ダカラナ。」
と自信満々に返すハル。
「でしたら、あなたと私たちの協力体制に関しても"約束"を交わして置きましょう。いいですか?」
と切り出す。深海棲艦であっても対等な交渉相手と扱える胆力はどこから湧いてきてるのだろうか。
「……イイダロウ。内容ハ?」
不敵に、しかし興味深そうに返答する。
「一つ、我々とあなたは目標達成まで完全な停戦、協力関係を結ぶことについて、互いに提供できる情報、物資は惜しまないこと。二つ、互いにとって利益に反することであっても協力関係が失効しない限り停戦は継続すること。三つ、協力関係の失効に関しては、相手方へ通知してから一週間後とする。で、いいですか。」
条件だけ見ればこちらにかなり有利なように見える。
「…モシ破ラレタラドウスレバイイ?」
そのあたりはやはり抜け目ないようだ。
「その時は、私の首でも持って行ってください。」
目が据わっている。
「おい、提督」
さすがに口を挟ませてもらう。私としても、聞き捨てならない。
「長波さんは静かにしていてください。あなたたちを無事に帰すために、私に賭けられるものはこれなんです。」
いつぞやに見た信念のこもった目に、私は何も言い返せなかった。
「…ハハハハハ!気二入ッタ!!乗ッテヤロウジャナイカ!!」
盛大な笑い声と楽しそうな声が執務室に響く。
「受け入れて貰えますか。」
安堵したような声色で確認をとる。
「イイダロウ。モシ違約ガアレバ、ソノ首貰ウゾ。」
一瞬空気がヒリつく。これはガチだ。自分の命を賭すことになろうと、刺し違えてでもそうするだろうという確信めいたなにかがあった。
「では、これからよろしくお願いしますね。」
「アァ、貴様ラヲ信頼シテイル。」
握手を交わす。
こうして、人と深海の、奇妙な協力関係が生まれたのだった。