はぐれ艦娘と孤立小隊   作:小椋屋/りょくちゃ

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第3話

「なぜなら今のここは......孤立無援の、最前線に取り残された、連絡不能の前進基地ですから。」

提督の口から衝撃的な話が通告される。

「うそ…だろ……?」

「嘘ではありません。おそらくですが、我々は行方不明…最悪、戦死扱いになっていてもおかしくありません。」

極めて冷酷に、淡々と衝撃的な内容が説明される。脳が理解を拒む。

「順を追って説明しましょうか。電さん、地図をお願いします。」

「はいなのです。」

スラウェシ島からソロモン方面までが書き込まれた地図が広げられる。

「ここが我々の居るポートモレスビーです。先日オーストラリア奪還作戦前哨戦として南方進出作戦が行われました。結果に関しては…あなたも充分ご存知だと思いますが。

その際ニューギニア島北方のラバウル前進基地とここポートモレスビーが敵別働隊による空襲を受けました。ラバウル基地の方は航空隊が充実していたこともあり損害は軽微だったようですが、こちらは通信設備に深刻なダメージを負いました。連絡不能になったことにより大本営はここポートモレスビーの部隊は空襲により壊滅したと判断し、ラバウル基地は放棄、ニューギニア島制圧作戦は破棄されました。長距離通信が不可能な我々はラバウル基地による中距離通信中継という望みもなく孤立してしまったという訳です。」

「なるほど…な………。」

生真面目な長ったらしい説明を聞いているうちに冷静になってきた。

「1ついいか…?」

「なんですか?」

説明を聴きながらずっと気になっていたことを尋ねる。

「なんでその情報を持ってるんだ…?私と通信できたのは、まぁ中距離通信設備の復旧に成功したからだと思ってるが…。」

「それはねぇ〜あたしが頑張ったからだよぉ〜。」

「文月!?いつの間に!?!?」

不意に背中に飛びつかれ声が裏返る。

「えへへぇ〜、ついさっきだよぉ〜。」

「びっくりしたなぁもう……それで、文月が頑張ったってのは…」

制服を整え改めて聞き直す。

「ん〜とねぇ…あたしの逆探で傍受した…ってのが正しいかなぁ…?」

やけにフワッとした回答が帰ってくる。

「えっと…どういうことだ…??睦月型の逆探がそんなに高性能だと聞いたことは無いんだが…。」

「えぇっとねぇ、旧式化しつつある1部の艦娘に、試験目的で様々な試験装備改装が行われたんだよ〜。あたしはその時に、逆探設備と、強力な傍受設備を貰ってて、それを使って情報収集艦としての活躍を期待されてたんだよねぇ…。」

「それを味方に使う羽目になるなんて皮肉なのです…。」

「お陰様で、情報を手に入れることは出来たんですけどね。」

「なるほどなぁ……。」

妙に納得させられてしまった。

「ところで…これからどうするんだ…?ここ…。私は三十一駆から除隊させれてそうだし…。」

根本の問題に立ち返る。

「一応既に、今後の方針は既にいくつか立案してあるんですが…折角ですし長波さんの意見も参考にしてみましょうか。」

「おぉ!そういうことなら任せておけ!!」

こういう話なら私は得意だ。

「まず第1案ですが、西へ退却することです。西へ行けばある程度島伝いに人類側勢力圏へ帰ることができます。第2案はニューギニア島東端を迂回し北進してグアム島方面へ退却することです。グアム方面軍は未だ撤退再編が行われて居ないので、西方撤退より短い距離で勢力圏へ合流が可能です。第3案は…ここで粘り強く戦い続けることです。ニューギニア島最大4000m峰を踏破し陸路移動することは全く現実的ではありませんから。」

論点を整理した案だと思う。

「…私は……第3案しかないと思う。」

「電は…撤退する方が吉だと思うのです。資源も食糧も、その他物資も圧倒的に不足してるのです。」

資源収支の面から反対するのは電だ。

「でも…無事に辿り着ける保証はどこにもないよ…?司令官も一緒に連れていかなきゃだし……。」

「自分のことは、切り捨ててもらっても構いませんよ…?」

文月が身を案じるような発言をすると、即自分には構わないよう否定する。

「そういうわけにはいかないのです…!!」

「ならどうするの…?」

電が見捨てる選択肢を取る訳にはいかないと反発するがそうすると答えがさらに遠のく。

「…深海棲艦は、先の戦闘の勝利で、グアム方面か…あるいはジャワ方面に逆侵攻をかけるだろうから敵の最前線へ飛び込むような真似をするのは……やはり第3案が妥当…だと私は思う。私たちのこの位置は、南太平洋を拠点とする深海棲艦の中枢と前線を繋ぐ補給線上にあるとも言える。ゲリラ的に補給を圧迫させることが出来れば、前線への支援に繋がるし、補給物資をうばえれば、その分私達が長く動けるようになるはずだ。」

「なるほどぉ……。」

「散発的に攻撃を行えば"ここ"がバレる心配も少なくなるしな。もちろん、偽装は充分行ってもらわなきゃ困るが…どうだ??」

「……反対できる理由がほとんど無いのです。」

「…これでどうだ?提督」

司令官を伺い見る。

「自分は、基本的にあなた達の意見を尊重するので、皆さんで結論を出していただければ、ですね。」

どうも自棄思考が入ってるのが気になるが、承諾は出た。

「よし!じゃあ決まりだな!!駆逐艦だけの小隊だが、やれるだけやってやろうぜ!!」

こうして、地獄の戦場へ飛び込む事になるのだった。




なんというか、拙い書き方になって来てる気がする
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