上越新幹線「あさひ」特急「かがやき」上原歩夢のひとり旅 作:新庄雄太郎
次の日、2人は高岡駅へやって来た。
「でも、あなたは氷見線に乗るんですね。」
「ええ、今日は雨晴へ行こうと思って。」
「そうですか、今日は見送りまで来てくれてありがとう。」
女は歩夢に言った。
「それで、帰りはどうするんですか。」
「ええ、高岡から特急「しらさぎ6号」に乗って名古屋から新幹線に乗って東京へ帰ります。」
「そうですか。」
「はい、あなたも元気で。」
「うん。」
ホームに、9時56分発のL特急「しらさぎ6号」が入線して来た。
「じゃあ。」
「それじゃあ、気を付けて。」
プルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルーッ
まもなくー、4番乗り場に9時56分発特急「しらさぎ6号」名古屋行きが発車します、ドアが閉まります、ご注意ください。
と、駅のアナウンスが流れた。
ファーン!。
L特急「しらさぎ6号」は高岡を発車し、女は名古屋から新幹線に乗って東京へ帰ったのであった。
「さて、氷見線に乗るかな。」
歩夢は、氷見線乗り場へ向かった。
「氷見行か、これが氷見線ね。」
10時11分、歩夢が乗った氷見線は高岡を発車した。
ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリーッ
まもなくー、10時11分発氷見行がはサッシャします、ドアが閉まります、ご注意ください。
ファーン!。
と、警笛を鳴らして高岡駅を発車した。
氷見線は、北陸本線から分岐するローカル線のひとつであり、富山湾岸を走る。高岡駅 - 能町駅間では万葉線高岡軌道線と並行し、伏木駅付近は工業地帯となっている。急行はなくすべて鈍行である。歩夢のひとり旅は東京から7時36分の上越新幹線「あさひ1号」に乗り、長岡へ降りて、そこから9時04分発の特急「かがやき2号」に乗車し、高岡で下車、3日目は氷見線に乗って雨晴へ行くのだ。帰りも高岡から「かがやき」に乗って長岡から「あさひ」に乗って東京へ帰京するのだ。
10時51分、歩夢は越中国府で下車した。
「ん、そうか、歩夢は高岡へ行ったのか。」
と、南は歩夢の後を付けた。
万葉ゆかりの景勝地、雨晴海岸。
万葉の歌人、大伴家持は、この雨晴の風景をこよなく愛し多くの歌を詠みました。その美しい景色は今も昔も変わらず、浜から眺める岩礁、富山湾越しに見る3,000m級の立山連峰の雄大な眺めは格別。息を呑む美しさです。
歩夢は、美都家でもらったパンフレットを見て、こういった。
馬なめていざ打ち行なか渋谷の清き磯見に寄する波見に
「あの人と一緒、又行けれたらね。」
と、歩夢は言った。
そこへ、南がやって来た。
「歩夢ーっ。」
「あっ、南さん。」
「ここにいたのか、心配したよ、ひとり旅に出たって聞いたから。」
「ええ、私、何か気持ちを落ち着くためにはひとり旅に出た方がいいかと。」
「それで、高岡へ行ったのか。」
「そうよ。」
「なるほど、歩夢にもつらい事があったんだな。」
「ええ。」
そして、南と歩夢は越中国府で氷見線に乗り、高岡から13時08分発の特急「かがやき7号」に乗って長岡へ行き、長岡から15時20分発の上越新幹線「あさひ318号」に乗って東京へ帰京した。
彰は歩夢に言った。
「そうか、歩夢にもつらい事があったのか。」
「うん、彰くんにはどうしても言えなかったの。」
「なるほどね。」
「でも、歩夢が無事て良かったわ。」
と、侑は言った。
ところが、歩夢のひとり旅で事件が起きることは誰も予想はしなかった
そして、歩夢のひとり旅が事件が起きるとは予想もしなかった。