英霊城兵六番勝負   作:ブロx

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 英霊城兵達が突きつけた要求はカルデアが記録している全英霊霊基グラフのリスト。それが24時間以内に受け入れられない場合、彼女達は人質を処刑すると共にエリザ粒子砲を発射する!
 今作はカルデア側が主人公なお話です。裏テーマは『宇宙』。そんな妄想話になっております。

 今作、ゲームFGOのネタバレや前作『城兵として召喚されたんだが俺はもう駄目かもしれない』のネタバレが多々あります。
 ※よく分かる前作あらすじ=『キャメロット城の兵士フスカル・ローナルドは周りにもう味方いないけど城兵なので戦って死んだ』

 今作は死んでる奴が生きてたりとかストーリーがそもそもおかしいとか、え?誰こいつ?とか一杯です。許容出来ない方はブラウザバックをお願いします。一切豪遊!







ハロウィン カルデア本編
第一話


 

 

 

招待状を握りしめて、私は部屋をノックした。

 

「失礼します先輩。…今年もこの時期が来てしまいました」

 

「・・・」

 

「立香先輩は虚ろな瞳で食堂で食パンを頬張っていました。…恐らく現実逃避の類でしょうが、今から私と先輩でこちらに引き戻してさしあげましょう」

 

「・・・」

 

「現実を受け入れられないのは分かります。ですがともかく、これをご覧下さい。今年もエリザベートさんから招待状が届きました。中身はまだ確認していませんが、例によってハロウィンパーティー(ザ・リサイタル)へのご招待と思われます。

 更に微小特異点の発生をキャッチ。先輩、いつものです」

 

「・・・」

 

「私はご一緒できませんが、モニターの前にて先輩方と共にリサイタルを味わう所存です!どうかご安心を!先輩」

 

「・・・」

 

「? ――先輩?」

 

「・・・」

 

 ポワンという擬音と共に。眼と鼻の先にいる筈の場所に現れたのはカードだった。先輩の存在は影も形も無く、ただ無機質な紙片がそこにあるだけ。

 

――騙された。

 

 そう思ってカルデア管制室に通信を飛ばそうと思った時、けたたましい足音と共にこの部屋の扉を誰かが開けた。

 

「マシュ!兄さんは!?」

 

「立香先輩!大変です、変わり身の術でぐだお先輩が!!!」

 

「ジーザス!地獄に落ちても忘れるな!!そんなこったろうと思ったけども!!!!さては逃げたか!!」

 

『二人とも!今すぐ管制室に来て頂戴!非常事態よ!!!』

 

「いきまーす!!!!!」

 

 所長からの号令が建物全体に響く。と同時に封を切り、歩きながら招待状と思しき用紙の中身を確認した私は、事の重大さを考え直したのだった。

 

 

 

 

 

 

「皆集まったわね? 本日、ハロウィン未明の最中、例によって微小特異点が発生。チェイテ城城主からの手紙が到着と同時に、我らがカルデアのマスター・藤丸ぐだおが突如として消失したわ。―――さて招待状と思われるこの手紙だけど、マシュ。中身を読んでみて」

 

「…我はチェイテ城の真なる主。我は要求する。ハロウィン当日24時間以内に、人理継続保障機関フィニス・カルデアは、その所持する全英霊霊基グラフを差し出せ。

 それが受け入れられない場合、我らは人質であるカルデアマスター・藤丸ぐだおと、エリザべート・バートリーの両名を処刑すると共に、エリザ粒子砲をそちらに向けて発射する。以上です」

 

「ありがとう、マシュ。……立香、たった今私はカルデア所長として、貴女に二つの任務を依頼しなくちゃならなくなったわ」

 

「はい」

 

突っ込みたい事を力づくで呑み込むような顔をして、先輩は頷いた。

 

「出来上がった微小特異点であるチェイテ城に潜入して、人質として捕らわれている貴女の兄にしてカルデアマスター・藤丸ぐだお。英霊・エリザべ―トを救出する事。そして、チェイテ城のエリザ粒子砲なるものの発射能力の有無を調査し、事実ならばそれを阻止する事よ」

 

「潜入方法は?」

 

「勿論レイシフトだよ」

 

 クルリと振り向いて。私達が所属するカルデア、その技術局特別名誉顧問であるダ・ヴィンチちゃんが朗らかに笑いながら答えた。

 

「もう我慢できないから訊くけどエリザ粒子砲って?荷電粒子砲の類か何か?え?敵はゼネバス帝国の死恐竜なの?」

 

「自他ともに周知の事実の天才である私も断片的な事しか窺い知れないが、君の世界でいう核弾頭みたいなものだろう」

 

「ヤバくないそれ?でも特異点って、異世界ってことだよね?届くの?ここに」

 

「それも不明だ。しかし、エリザ粒子なるものが一体どういうものなのか?発射されたとすればその被害は?規模は?今の我々ではそれすらも分からない」

 

「じゃあ敵の正体は?カルデアに居た兄さんが拉致られた理由と方法は?エリちゃんのリサイタルは中止?」

 

「全て特異点を調査してみないと分からない。リサイタルが中止ならそれにこしたことはないが、何もあのエリザベートが消滅する事はない。だから頼む、マスター・立香」

 

「了解!何はともあれ行ってきます!!あと兄さんぶん殴ってくる!」

 

「お気をつけて先輩。きっと、今年も熱い季節になりそうですから」

 

 コフィンに入る先輩を見ながら、私はもうここに居ない一人の先輩に向けて想いを馳せたのだった。

 

 

 

 

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