獣電戦隊キョウリュウジャーMAGI・DE・カーニバル!? 作:ゼルガー
~氷結城~
百面神官カオスは、氷漬けになっている獅子と鬼を模した化物を溶かしていた。
氷が溶けると、獅子は怒りをあらわにしながらも、身体を動かして調子を確かめた。
「・・・・・・ふぅ、やっと解凍完了か!腹ただしい!」
「君の名前は?」
「腹ただしい、お忘れか!俺は怒りの戦騎ドゴルドだ!」
「解凍は完璧だな。400年前の傷はどうだ?」
「すっかり癒えてますよ。全く、腹ただしいぜ」
「では、君の同胞を紹介しよう」
「同胞?ああ、遂に動き出すんですねカオスの旦那」
「さあ、来るがいい。我がデーボス軍の戦騎達よ!」
カオスの声と共に、四つの姿が現れた。
一人は水色のブリキ人形のような怪人
一人はピンク色の女性の怪人
一人は人形のような怪人
そして、ただ一人だけ、白いコートを身につけた人間がいた。
「俺様は悲しみの戦騎、アイガロン。怖そうな奴が増えたなぁ。染みるわぁ~」
「私は喜びの戦騎、キャンデリラよ♪美貌の秘訣は笑顔。キープスマイリングよ♪」
「僕は、ラッキューロ。キャンデリラ様の直属の部下で楽しみの密偵だよ」
「戦騎が二人に密偵が一人か。で、何で人間がいるんだ?腹ただしいぞ!」
ただ一人の人間である少年は、腕を組みながらドゴルドを睨んだ
「俺は、空野ミコト。欲望の戦騎だ」
「戦騎だぁ?ふざけるな!どう見ても人間だろうが!」
「だろうな。俺は元々は人間だ。だが、同時に戦騎でもある。意味は解るか?ドゴルド」
「その通りだドゴルド。確かに彼は人間だった。だが今は、立派なデーボス軍の戦騎だ。この私が保証しよう」
「・・・・・・っち、カオスの旦那が言うなら信じてやる。だが、妙な真似すんじゃねーぞ!」
「しないさ。俺の目的は、人類全ての滅亡。その為なら、どんな手段も選ばん」
ミコトはそれだけ言うと、壁に寄り添い、腕を組んで目をつむった。
「所でラッキューロよ、頼んでいたことは?」
「ああ、はいはい。現代人の情報ッスよね~。まだ調査中ですよ~、だってこの街広いし。あの馬鹿デカい樹のこともまだ何も分かってないッス」
「それ、俺様も分かるよ~!最初、この街のデカい樹を見たとき、ヤダ嘘マッジ~!?って叫んじゃったし」
アイガロンは涙を流しながら、ラッキューロに同意した。しかし、カオスは微妙な顔をしていた。
「いや、確かにそれも大事だが・・・・・もう一つの方だ」
「え?ああ、アレっすね。はい、買ってきましたよ!」
「おお!これだこれだ!」
カオスに言われ、ラッキューロがお腹のバッグから取り出したのは
「「本?」」
「漫画本だと?」
「あら♪」
何と、一冊の漫画本だった。
「おー、この最新刊待っていたぞ。長年生きてきたが、この本だけは最近の楽しみだったのでな」
「いやぁ、まさかカオス様もラブタッチの愛読者になるなんて予想外っすよ~」
「ら、ラッキューロ。何なんだ、そのラブタッチとかいう本は?」
「はい、ドゴルド様。ラブタッチ。通称【らぶbeボールタッチダウン】で、人間達のスポーツであるラグビーを中心に描いた、恋愛漫画っす」
「・・・・ああ、最近有名になった少女漫画か」
くだらねー・・・。と思いつつ、ミコトはため息を吐いた
「だが、あのカオスの旦那が夢中になるってことは、相当の代物なのだろうな」
「そうっすね。僕もすっかりハマってるっす!」
「たかが漫画なのにな・・・・・」
「あら♪漫画だからって馬鹿にしちゃ駄目よ、ミコト」
そして、キャンデリラも何冊かの漫画・・・・・是、かなり薄い・・・・・を取り出して鼻息を荒くした。
「私はこの本を読んで、胸に熱くなるものを感じたもの!」
「へ~、キャンデリラちゃんがねぇ。染みるわ~。俺様もちょっと読んでみ・・・・・・・・・え?なにこれ」
キャンデリラの本に興味を持ったアイガロンは、一冊手に持って表紙を見た。しかし、そこに描かれていたのは
「な、何で裸の男の人間が・・・・抱き合ってるんだよ!?しかも、顔めちゃくちゃ近っ!?」
「・・・・おいミコト、これってまさか」
「・・・・・ボーイズラブ。男同士の恋愛漫画だな」
「今の時代、流行ってるのか?いや、400年前にもそういう連中はいたが・・・・・・」
「残念だが、腐女子と呼ばれる連中には流行っている。忌々しいことにな」
「・・・・・・人間って、何だ」
「俺が聞きたい」
「あ、あはははは。流石の僕も、この手の漫画はねぇ~」
どうやら、キャンデリラは腐女子に染まってしまったようだった。おそるべし、現代日本。
鼻息を荒くする彼女を何処か遠くを見るような視線をする男どもであった。
恐らくだが、予感しているのだろう。きっと彼女の脳内で、自分たちが掛け算されているのだと。ちなみに、その薄い本の作者の名前には【パル】と書かれいていた。
カオスはそんな状況をスルーし、新刊のラブタッチを黙々と読んでいた。
「あ、あのー。俺、復活したんですけどー」
そんな混沌とした幹部達の状況について行けず、たった今、恐竜の時代から蘇ったデーボモンスター【デーボヒョウガッキー】は、しばらくのあいだ、正気に戻ったアイガロンに気がつかれるまで無視され続けるのであった。
◇
その頃、ダイゴとネギはまたまた別の場所に転移していた。
今度は市街地ではなく、何処かの施設の室内のようであった。
「ここは?」
「なんだろう、初めて来たのに、懐かしさを感じる・・・・・」
「来てしまったのか」
「「トリン!」」
「ココはスピリットベース。我々の基地だ。・・・・・・ちょうどいいのかもしれないな。今の君達では、他のキョウリュウジャーの足でまといになるだけだ」
彼の冷たい意見に、ダイゴは思わず反発する
「ちょっと待てよ!この銃だけじゃ、ダメなのかよ!」
「駄目だ。それでは奴らには勝てない」
「・・・・・僕達が、ガブティラとトバスピノに認めてもらえないからですか?」
「そうだ」
トリンとしても、未だにそこが腑に落ちない。他のキョウリュウジャーと同じ条件はクリアしている。なのに、何が彼と彼女に足りないのだと。
「・・・・まあ、焦っても仕方ねぇ。取り敢えず、時間はあるし、色々教えてくれよ。獣電竜やデーボスについてな」
「そうだね。まずは己を知り、敵を知ることが大事だもんね」
「わかった。それぐらいなら良いだろう。まず、デーボスからだ。」
今から億千年前、太古の昔、遥宇宙の彼方から星の生命全てを絶滅させる存在であるデーボスが現れた。
奴は、いくつもの惑星の生命を絶滅させてきた。
私は、そんなデーボスに立ち向かう為、恐竜達と共に戦いを挑んだ。
しかし、デーボスは自らの細胞で配下を作り、その中でも一番協力な存在である百面神官カオス率いる軍により、恐竜達は次々と倒されていった。
私は、倒された恐竜の中でも、ブレイブに満ちあふれた者達を選び、その肉体を改造し、無念で亡くなった恐竜達の魂を込めた獣電地をベースに起動する獣電竜を生み出した。
トバスピノはその試作0号機で、ガブティラはトバスピノを元に開発された1号機だ。
彼らは悔しかったのだろう。目の前で次々と殺されていく仲間達を見るのは・・・・・今でも覚えているよ。彼らの悲痛の顔を。
「なるほどな・・・・・ん?まさか・・・・・・」
「そっか、そういうことだったんだ」
「どうした、二人共?」
「いや、ガブティラ達が俺達を選びたくない理由がわかっただけだ。ったく、アイツめ」
「うん、そうだね。でも、優しいんだよ。二人共」
「だな」
「???」
トリンは二人が何を言ってるのかわからない様子だったが、きっと二人は気がついたのだろう。あの二匹が選ばなかった理由を。
ならばと、もう一度二人を二匹に合わそうと思い、ダイゴ達に声をかけようとする。だが
「っ!?この気配は!?」
トリンは感じた。地上に、近くにデーボスの魔の気配を感じたのだ。
「動き出したか・・・済まないが、話はまた後だ。君たちはここに「まてよ」」
「俺は行くぜ。例え今、ガブティラに認められてなくてもよ、奴らが迫ってるなら、黙ってるわけには行かないぜ!」
「うん、キングの言う通り。僕達にとって、何もしないって行動が一番怖いんだからね」
この二人から感じるブレイブは・・・・ふ、ふははは。臆病になっていたのは私の方か!全く君たちは・・・・・
「君たちは、なんてブレイブなんだ!」
パチン!
「っし、行くぜネギ!」
「OK、キング!」
「待て、二人とも。これを着ていくがいい」
そう言ってトリンが手渡したのは、赤と紺色のジャケットだった
「私からの選別だ。受け取ってくれ」
「サンキュー、トリン。ありがたく着させてもらうぜ」
「ありがとうございます。トリン!」
そして二人はガブリボルバーを足に装着して、スピリットベースから出て行った。
「見せてもらうぞ。君達のブレイブの力を!」
ども、ゼルガーです
デーボス軍を少し混沌にしました。後悔はしません。
そして、オリジナル戦騎である人間も登場させました。
彼が、オリジナル獣電竜の使い手でもあります。モデルは、アバレンの仲代先生です
つまり、終盤までずっと敵の可能性もあります
ではまた。次回、遂にキョウリュウチェンジ!