戦乙女が放浪する話   作:猫を乗っけた青髪の女

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何か足りない

ボクは洞窟を出ると柔らかい光が出迎えるように包み込む。

どうやら夜を越し朝日が昇っていたようだ。

ポカポカと差し込み、暖かい風が流れてくる。

森にいる動物などが匂いでたくさんいることがわかりいい匂いもする。

 

 

...あれ、ボクってこんなに鼻よかったっけ?

そんな考えが浮かぶが遠くから微かに血の匂いが匂ってきた。

ボクは血の匂いを頼りに進んでいき、あるものを目にした。

 

血の海だ...。

一面には無数の亡骸がゴロゴロと転がって、鼻を刺すような匂いを放っている。

ここにいるだけで気分を害すような感じがする。

今すぐここから離れたいがその先にどんな奴がいるか好奇心の方が上回る。

自然と足が進む。血はまだ色鮮やかでまだこの犯人は近くにいるのだろう。

 

 

進むごとに亡骸はだんだんと多くなっていき、そいつはいた。

どうやら犯人は人のようだ。

 

そいつは返り血を全身に浴びて、どんな顔かわからない。

ただ、顔は血で覆われているのに対し眼は、黄色い眼で印象残る。

体付きはとてもがっしりしてボク好みだ。

手にはとても大きい剣で切るというより叩いて人体を壊すのだろう。

もし彼が普通の出会い方であればボクが惚れていたけど彼は多分生きていない。

彼から吐息の音が一切聞こえないし、血塗れで匂いが分かりずらいがほんの少し甘い匂いを放ち死臭の匂いがする。

 

彼の向いている方向には馬車、彼は馬車を襲っていたのだろうな。

さらにここら一帯の無数の亡骸はこの馬車を守っていたことも分かる。

それほどの偉い人が乗っているんだろうなあ。

 

すると彼はボクに気づいたのかこちらを向いた。

 

「啞ァ..,..」

 

気力のない声と共に大剣を振り上げこちらに寄ってくる。

...遅い、あまりにも遅い。なんでこんなにも遅いのに負けていったんだろう。

そんな不安が過ぎったが、考えても無駄かと思い剣を薙ぎる。

剣は綺麗に入り切れた。と思ったのも束の間彼の大剣はそんなのお構いなしに振り下ろす。

 

まじかこいつ...!

あまりので出来事に避けることを忘れてしまい大剣が肩に直撃する。

ガコンッ‼︎と鈍い音を立てて肩に振動が伝わる。

イッツゥッ!?肩が裂けることはなかったが肩は絶対外れた。

 

ボクは後ろに下がった、彼は顔の表情が変わることがない。

走らずゆっくりと近づく、幸いにも走ったりすることがないとわかった。

おかしい...ボクはさっき切ったところをを見た。

すると彼の身体は切られた場所はなく何も変わっていない。

 

でもさっきの感触は確実に切った筈だ、なのに痕も何もない。

頭が少し混乱したが頭を切れば倒せるのではないか、

そう思いそこらへんにある無数の亡骸から剣を取り奴の首目掛け投げつける。投げた剣は首をスパッと綺麗に切ら抜ける。

だが空気のように避け、抜けた先から何事もなかったかのように元に戻る。

 

ならばこれでどうだ。と素手で奴の顔を掴み握りつぶそうとする。

だが、これもニュルっと液体のようにすり抜けつかめなかった。

 

これもダメか...?

次の手はどうするかと考える。

 

相手は切っても潰してもダメで、決して足は速くないが一切怯むことがない。

そして大剣を片手で扱えるほどの筋力。

 

恐るべきはその再生力。

切った側から再生が始まっていて、物怖じしない精神性。

弱点は足が遅く知性の方が一切感じられないぐらいだ。

だがどちらものを天秤掛けても釣り合わないほど、強い。

 

どう戦うか悩んでると、

 

「邪魔だそこの嬢ちゃん‼︎」

 

とどこからともなく声がする。

ボクは周りを見渡すと遠くの木々の枝に何か人影が見えた。

その影は何かを構えた状態から何か放たれた。

それはまっすぐ飛び奴の頭にクリーンヒットし、少し後ろに飛ばされる。




ブーリの子供たちはどうやら私を殺したいらしい。

理由が私が邪魔だから、だそう。
なんだか悲しいと思ってしまった。

だけど仕方ないよね、だってもうこの世界に続きなんてものはないのだから。
この世界の存在証明は私がいることで成り立たず、
私がこの世界に楔を打ちつけているようなものだ。
逆に私はこの世界でしか生きることが出来ないのだ。

多分きっと彼らはそのことを知ったのだろう。
だから彼らは私を殺そうとする。
まだ見ぬ新しい世界を自分たちが作りたいのだろう。

それはとても悲しい、だがこれもまた運命。
だけどその過程で沢山の血が流れるだろうな。
たくさん、死んじゃうんのだろうな。
嫌だな、まだもう少し長く行きたいな、
私の体はもう動かない。あまりにでかくなってしまい足では支えることができないのだ。

あぁ、私がもっと小さく足で熱い地面を歩きたい。
あの子達みたいにもっと自由に、何にも縛られることがない世界で行きたい。
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