戦乙女が放浪する話   作:猫を乗っけた青髪の女

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黒き肌を持つ耳長

声のする方を向くと木の枝のところに耳が長い特徴を持つエルフがいた。

しかし普通のエルフと異なり肌が浅黒く、その瞳は赤く見ていると吸い込まれそうになるほど澄んでいる眼だ。そして片方は閉じている。

服装も深緑のマントを羽織り、中は何か宝石のようなもので身を覆っていて肌をあまり晒していない。

 

また、体つきも良く身長は私を優に超し、

うゎ...すっごくボク好み。

見惚れていると、

 

「あんまこっち見なさんな。」

 

と、そうだった。

背後には大きく振りかぶった男がいた。

 

ボクはすぐさま離れあいつと距離を置いた。

どうやらあいつは近くにいるものを優先的に狙っているようだ。

男はボクを見失うと馬車の手前まで戻った。

 

ボクはさっきいた黒エルフのところまで跳んでいき近くまで来た。

 

「さっきはありがとう。

君の名前を聞きたいんだけど名前はなんていうだい?」

 

「俺かい、俺はカインっていうんだ。

そういうあんたは?」

 

そう聞かれ、ボクは少し考え悩む。

そういえばボクの名前がぼんやりとして思い出せない。

なんだったっけ...ふと思い、

 

「...そうだね。ボクの名前は確か、ヒュミル..だったかな。」

 

「なんだ嬢ちゃん、自分の名前覚えてないのかい?」

 

「実はそうなんだ。ボクはなんでここにいるか分かんないんだ。

でもそんなこと今はどうでもいいの。

あれはいったいなんなのさ。」

 

ボクはあいつに指差し聞いてみる。

カインは頭を掻きながら、

 

「あれは死に生きるものだ。なんだ切ったとて奴は効果はないんだ。

奴を操ってる術師をどうにかしないとどうにもならないんだ。」

 

そう言い、その術師を探しているようだ。

 

「その術師の特徴とかないの?」

 

「そいつはネクロマンサーで黒のローブを羽織ってる。

そんなの着てるのはいないからみつけたらやっても良い。

奴が倒れた瞬間掛かった魔術が解ける筈だ。」

 

「オッケー了解、じゃあ探すね。」

 

ボクはその特徴だけでその場を離れた。

 

「ちょ、まt...」

何か言い掛けたが遠くないか声が小さくなってく、まぁそんな大事なことじゃないしいいか。

 

木から木へと飛び移り森中を隈なく探し、ネクロマンサーを探す。

探す、がそれらしき姿は見つからず、気づいたらカインのところまで戻っていた。

 

「ねぇ、そんな人いなかったんだけどなんでかな。」

 

「そりゃあそうだろ。

誰が見つかるような場所に隠れる阿保がいるか。」

 

カインため息をつき動く死体に指差し、

 

「あれを媒体に操ってる術師を探る。

魔術と言っても何もなしにあれを操るのは無理だ。

あいつの中にある何かを基にして動かしてる。

その何かを見つければ俺が探すことができる。

だからあいつの行動を止めることは出来ないか。」

 

そう、カインに頼まれた。

ボクにとってはあれがどうなろうとどうでもいいこと、

でももしあれで人に被害を被ったとき、目覚めが悪い。

ボクはもちろんその頼みを請け負い、どう抑えるか考え込む。

 

あれは切ってもすぐに再生する。

まるで水のように、あの様子じゃ多分ロープのようなもので縛ってもぬるっとすり抜けるだろう。

 

じゃあ火力で押し切る?

ダメだ。それじゃあ中にあるものも潰してしまう。

 

 

あれを如何にして形を保ったまま、抑えることが出来るか。

熟考する。

何か、何かないのか、頭を悩ませる。

 

しばらく考えたとき、少しまとまった。

答えを出しちゃダメだな。戦いながら考えるか。

 

そう思いあいつのところまで飛んだ。

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