戦乙女が放浪する話   作:猫を乗っけた青髪の女

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一難去ってまた一難

ヤバいどうしよう。気分上がって思わずやっちゃったけど、

奴の中身まで壊しちゃった気がする。

 

ボクがどうしようかとアワアワしていたら、

 

「派手にやっちゃってくれたねぇ。」

 

とボクの後ろあたりにカインの声がした。

恐る恐る後ろを振り返ると頭を掻き苦笑しているカインがいた。

 

「どうしようか、どうにかして操っていた動力源がどこにあるか

わからないんだよねぇ。」

 

「ダ、ダイジョウブダヨ。

多分中身までは壊れてないはずだから...。」

 

「そうかぁ?

嬢ちゃん、すっごい汗かいてないかい?」

 

「そ、それはあれだよ。

あれ、そうちょっと今炎纏ってるからじゃないかな。

ほら、火って熱いし。」

 

慌てて身体に纏ってる炎を払う。すると何故かカインはそっぽを向いた。

なんでだろうなと思ったが、そっか今ボク裸じゃん。

ボクはそこらへんの死体から衣類を剥ぎ着た。

男用だからか当然だがとてもぶかぶかで少し肌寒さを感じた。

 

「もう大丈夫だよ。そ、それにしてもキミぃ、ボクの身体を見ちゃってコーフンでもしたのかな?」

 

「馬鹿を言え、俺は嬢ちゃんのような貧相な身体は興味ないんだ。

興味があるのは胸とケツがデカいネーチャンが好みだよ。」

 

カインはボクを馬鹿にする様に言いやがった。

ムカつくなぁ。

ムカつくから反応してやんない。

 

不意に動く死体に目をやる。

下半身だけになったそれは動くことなく急激に乾き始めボロボロと崩れ始めた。

崩れいく最中赤く光る何かを見つけた。

 

ボクは気になりそれを拾った。

それは赤い色が淡く光って透き通っている宝石みたいだった。

 

それをカインに見せながら、

 

「ねぇカイン?もしかしてこれのことだったりしないかな?」

 

カインは振り返りその赤い石を受け取り、

 

「....うん、そうだな。これだ。」

 

しばらくそれを眺めたり軽く指で叩いてみたりと何かを調べていき、

地面にルーン幾何学模様を描き始めた。

 

「ねぇそれなに?」

 

と聞くと、

 

「まぁ見てからのお試しさ。」

 

と答えられ、どうなるのかワクワクする。

彼が幾何学模様を描き終えると赤い石を模様の中心に置いた。

彼がさっきの答えを言うかの様に、

 

「これはな、魔術陣なんだ。

ここのじゃないから見たことはないのだろうが。

ほんとはもうちょっと陣は小さいんだが、ただこれは自慢したいだけだ。」

 

なんかさらっと自慢されたがこれはルーン文字とか少なくともここにはない文字だ。

彼は何か形容し難い言葉を発し、魔法陣は光る。

 

すると赤い石は浮き上がりふわふわと一人に移動し始めた。

しばらくそれを追っていくと周りより一回り大きい樹木の前で止まった。

石は樹木に吸い込まれる様に入っていった。

入っていった所を触るとすんなりと入る。

どうやらここにいる何者かが敵からバレない様に細工したのだろう。

 

ボクとカインはその樹木の中に入った。

中は樹木の中にしては少し広く、あたり一面黒ずみしみのようになっている。

そしてその中心に何かの残骸と一人の男がいた。

そいつは青年にみたいに見えたがそいつの目は酷く冷たい目をしていて、

僕たちのことを人としては見ていない様な感じがした。

 

石がそれに向かいゆっくりと近づき、それの近くに来た時、

石を掴み砕いた。

 

「ほぉ、我の居所を掴むとはまた珍妙な奴もいた者だな」

 

その青年からとは思えないほど酷く老いた声が聞こえる。

そしてどうにも心が落ち着かない、何か途轍もない威圧感を青年から放っている。

 

「これがまさか壊されるとな、こいつにはあの道を通りがかった人を襲わせ心臓を抜き取る任を与えたはずだったが。

して、お二人は如何な要件でここにいらした。」

 

「おまえさんのそれが邪魔だったもんだから文句を言おうとここまで来たんだがな、へぇ...。

まさかそんなことをな。一体何が目的なんだ。」

 

そうカインが青年に問いかける。

すると青年はそこらにある新鮮な臓物を手に取り、齧り付いてみせた。

それはみるみるうちに萎んでいき、最終的にボロボロと崩れていった。

 

「我はこの通り人の血が好きでな、取り分け新鮮な血が好きなのだ。

ここに来てしまったのなら生きては帰さぬ。」

 

そいつはそう言うとぐちゃぐちゃと音を立て姿を変え、

化け物はと変貌した。

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