くそッ...‼︎嬢ちゃんがやられた。
だが、完璧にやられたわけじゃない。
少し眠ってるだけだな、だったら俺がやるべきことはただ一つ。
「おいおい、おいたが過ぎるねぇ。
女の子に手ェ出すたぁ感心しないねぇ、
まさかあんたのとこの世界では男が女に手をあげることが普通なのかい。」
少しでも時間を稼いでお嬢ちゃんが起きるまで耐えるしかない。
「呵呵、何を言うか。戦いに男も女も関係あるまい。
何故我が貴様らの
容赦ねぇなこのジジィ、弓を構え放つ。
ただ次は闇雲に打つのでなくあいつの死角を狙う。
一矢目はそのまま直接、二矢目はあいつを通り抜けるように、
しかし逸れるだろう。
「だがそれは予想の範疇なんだぜ。」
弓を逸れた矢を狙う、折れた矢を二本持つ。
『
折れた矢が光を放ち、同時に放つと二つの光線がそれぞれの軌跡を辿る。
一つは逸れた矢に、もう一つはまた真っ直ぐに飛ぶ。
光線は矢に当たり、あいつの後ろに跳ねてもう一つの矢に当たる。
すると光線は全方向に弾けちょうど死角から飛び、
真っ直ぐ飛んだ光線は何か大きなそうに阻まれジリジリと火花が飛び散る。
「フン...小癪な。『
奴の頭上から何か先程と似たようなものが見える。
だが先程よりも威力が違い、俺が放った光線が中心に吸い込まれ消えた。
その勢いは少し離れたところでもあれに若干吸い込まれそうになる。
「呵呵、無駄なことをするものだな。
我の前では全て無力を知れ、『
奴は腕を前に出し、手を握る。
すると突然強烈な光を放つ。目を覆いたくなるほど強い光は渦を起こしだんだんその渦は高速に回り出す。
無限に加速し続け徐々に収束し、一つの球体になる。
吸い込まれそうだった見えない何かが弱まり、逆にあの光は吹き飛ばされそうになる。その場に立つだけでもやっとだ。
全く分からない、どこの魔術かが不明だ。弱点が見当たらない。
収束した光はより一層光を増している。あれを放置したらやばそうだな。
俺はあいつの裏に回るように走りながら矢を放つ。だが全て届かず弾かれる。ならばこれはどうだ、とさっきの光線で対抗する。
しかし届く前に光線は分散し光を失う。
(これもダメ。こりゃ手詰まりだな、どうにもならん。)
思案するがいいアイデアが思い浮かばない。だが何故あいつはあそこから動かないんだ?
戦闘を始めてから最初から今に至るまで一度も動いていない。俺らは相手にならないと煽っているのか、それともそこから動けないのか。
気になるが、...さてどうしようか。
あの光がある限り動かすことが出来ない。近づこうにもあの風圧で近づかない。
いっそのこと撃たせるか?
どうやらそれぞれ違う魔術は同時には発動しない、どれか一つだけしか出来ないみたいだ。
「あんたあんな大層なこと言っておきながらなることがそれかい?
笑わせてくれるねぇ。」
物陰に隠れ挑発する。
光線を撃ったら絶対隙は出来るはずだ。ほんの少しでもいい隙を作ればその瞬間で頭を射抜く。弓を引きその時を待つ。
「なぁに貴様が如何やって引導を渡そうか考えていただけだ。
だが、貴様の最期の言葉がそれか。つまらん男よな。」
奴は呆れたようにため息をつき手を解放する。すると光が急速に縮んだかと思うと何もないところから大きな光が出て俺に来る。
この時を待っていた。身を乗り出し目を見開く、ジュウッッと脳が焼ける音がし、それと同時にさっきまであった光に穴が空き光が霧散した。
奴はそれを見た時少し驚いた顔をしていた。あまりのことに思わず止まってしまった。
「終わりだぜ、ジジィ。」
構えていた弓を放ち奴の頭に飛ぶ、この矢は
どこへ避けようがそこにいる限り必ず当たる、勝ちを確信した瞬間である。
ザクッ
何かが貫き身体が前に倒れ込む。何が起こったのか理解できなかった。
「貴様...魔眼を持っていたか。なるほどな、それで余裕があったか。
多分だがそれは未来視ではあるが視るだけではない、都合の良い未来に変えることが出来るのだろう。それは恐ろしい力よな。我でなければ曲げていたであろう。」
な..ぜ...生きている...。
俺の目は如何なる障害も意味をなさないはずなのに。
「我は頭を撃ち抜かれた程度で倒されるとでも思おたか大うつけめ。
我は死なん不死の体なり。」
なんだよこいつ化け物かよ。不死身と勝ち目ねぇじゃん、
だがな、俺はまだ負けたわけじゃねぇ。死んだわけじゃねぇ。ただ立ち上がれないだけだ。この身朽ち果てようが倒してやる。
嬢ちゃんが起きるまでは死んでもしなけれない。
願う。 どうか少しでいい数刻でもいい、力が...力が欲しい。
何か、何かあるか必死に考える
死が迫ってきた時ある男の声がした。