戦乙女が放浪する話   作:猫を乗っけた青髪の女

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戦乙女、海に出る

私は今、海の近くにある村にいる。

波風が穏やかで心地よい音を奏でている。

浜辺では小さな船が三隻あり、木箱を浜辺に揚げている。

 

私が浜辺に沿って歩いていると遠くから二人組の男がこちらに向かってくる。

二人とも筋骨隆々で逞しく、身体には所々傷が見えそれなりに戦っているようで、一人は剣、もう一人は斧を持っている。

きっとここの村のものだろう。

 

そんなことを思っているとその二人組に話しかけられた。

 

「おい、そこのお前、止まれ。

ここのものではないな、名を名乗れ。」

 

男たちは武器を構えこちらを見つめている。

 

ここで事を起こしても後が面倒になるので普通に答えよう。

 

「私の名前はフォルティナ。

私はただの旅人だ、あなた方とは争う気はない。」

 

こう言えば何とかなるだろうと思ったのだが、

 

「旅人か....お前のような青髪を見た事がない。

と言うよりかここら辺に旅人がくるようなことがない。

少し大人しくしてもらおうか。」

 

あぁ、悲しきかな。

敵意はなく穏便にすませようと思ったのに、こうなっては仕方ない。

戦うほかない。

大人しく捕まってもいいが、それはこの二人に屈することになるのでそれはムカつくので勝ってから行こう。

 

私は素手で構え抵抗の意思を見せる。

 

 

剣を持った男は剣を大きく振り上げ、私のところまで一気に飛び込み剣の届く間合いまで入った。

振り上げた剣は私目掛け振り下ろされた。

私はその振り下ろされた剣をハイキックで弾き、

剣を砕いた。

 

男は剣を砕かれたことにより驚き硬直した。

その隙に私は胸に肘打ちを決め、男は悲痛な声を上げその場で蹲った。

 

もう一人の男は斧を捨て、両手を上げ降参した。

 

「我々の負けだ。さぁ煮るなり焼くなりしろ。」

 

私を化け物か何かと勘違いをしているのだろうか?

もしそう思ってるのならば即刻あらためてもらわなければいけない。

 

「私は別に君たちを取って食うわけではないんだ。

ほんとに旅をしているだけなんだ。誤解をかけてしまいすまなかった。」

 

あまりここに居てもいい事はないだろうと軽くて頭を下げ、その場去ろうとした時、

 

「少し待ってくれ、こちらこそ疑ってしまい申し訳無かった。

近頃人攫いが多くてな、警戒強めていたんだ。」

 

「人攫いが起こっているのか。ならばこの私がそいつを倒してやろう。」

 

あまり口に出してはいけないのだろうが、今の私は少しワクワクしている。

この感覚はお姉様たちが連れてった英雄と同じなのだろうか。

そんなことを考えていたら男は少し驚いた表情をし、

 

「それは本当か?ならばとてもありがたい。

俺たちは今すぐにでも攫われた人を救出しに行きたいのだが、

いつまたあいつらがこの村を襲いにくるかわからないからずっと歯痒かったんだ。」

 

とても嬉しそうにしている。

 

「攫っていった奴らはダークエルフだ。

あいつらは全員肌が浅黒く赤色の目を持っている。

そして頬に髑髏の入れ墨が彫られているんだ。」

 

そう言って砂浜にそいつらの特徴を描いた。

 

「それでそいつらの居場所は?」

 

そう尋ねると男はすこし困った顔をして、

 

「それが奴ら海の向こうから来て襲ってきやがったんだ。

数がだいたい十何人といたはずた...。

略奪したあとすぐ海ににげていきやがったんだ。

それ以上のことはわからないんだ。」

 

「そうかならそいつらの落としたものとかは何かないかい?」

 

そう聞き、彼は少し考え、

 

「そうだ、こんなものがあった。」

 

と切り落ちた黒い腕を渡してきた。

 

「まぁ...これでも大丈夫か。」

 

私はその腕を受け取り、赤黒く血を抜いて刻まれたルーンを埋め込んだ。

すると、腕は一人でに動き始め、手首がぐちゃぐちゃと生々しい音を立てて海の方に向けた。

 

そうか、そっちの方にいるのか。

私はルーンの腕を紐で結び繋げた。

彼は私に少し引いているように見える。

 

「これでどこへ向かうかわかるようになった。

ありがとう、あとは海を渡るだけなのだが....」

 

「ならば俺らの船を使ってみてはどうだろうか。

小さいが頑丈に出来てる簡単には壊れないさ。」

 

男は船に指差した。

その船は彼の言う通り小さいが造りは悪くない。

これなら多少の波風なら壊れないだろう。

 

「すまないな、ありがたく使わせてもらう。」

 

私は船を押し込み海上に浮かせ乗り込む。

風は...いい風だ。帆を揚げ、船は加速した。

村がだんだん小さくなっていく。

 

さっきの男たちはこちらに手を振り何かを言っている。

よく聞こえないが多分応援だろう、

そう思い私は目的の方向に船を進ませる。

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