戦乙女が放浪する話   作:猫を乗っけた青髪の女

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毒を喰らわば竜までも

猫を追いかけはや数日、枝から枝へ飛び移り休む事なく進み続ける猫。

それを追いかける私、本当なら攫われた人を助けなきゃならないのにあの中から目を離すことが出来ない、いや、離してはならない。

この子から目を離すととても嫌な予感が起こると私の直感がそう告げる

 

すると猫は急に立ち止まり私の方を向いた。

猫はまた私に何かをさせようとしている、私は周囲を見渡し何かあるか確認する。

すると猫の止まっている近くに大きな穴が見えた。

それはあまりに大きくここの中にいる何かが出入りしている足跡も見える。

 

ここに入れ、と言わんばかりに猫は目で私に訴えている。

仕方なく私は大きな穴の中に入っていった。

 

 

中には何かが通っていたであろう痕跡がそこらじゅうにあり、

それもそいつはかなり大きいとみた。

まだまだ奥へと続きそうなので辺りを灯すルーンを施し明るくさせた。

 

道なりに進んでいくとそこには金銀財宝が眠っていた。

これは驚いた、ここまでのものはなかなかみないものだ。

と感心したがこれだけのために猫は連れてこないだろう、とまだ何かあるだろうと思い探した。

 

探し続け見つけた。

あれは竜だ、財宝に囲まれうずくまり寝ている。

それはかなり大きいもので私なんか簡単に飲み込めそうなほど大きい口があり、翼はあまり大きくなく逆に足はとても頑丈そうで空を飛ぶのではなく地を這って動くやつだと思った。

...こいつ竜じゃなくて蜥蜴じゃないかな。

 

 

まぁいい蜥蜴だろうが竜だろうが関係ない、人に害をなしそうなら倒すだけだ。

私は剣を構えゆっくり近付く、そいつの腹らへんまでいき、剣を大きく振り上げる。

 

 

その腹掻っ捌いてやる‼︎

 

振り下ろし腹に刃がすんなりと入る、だが致命傷に当たることはなく竜が目を覚ます。

あいつ肉分厚ッ...!!

どうやら私が切ったところは脂肪みたいで思ったより血が出ない。

 

そして竜も私の存在に気付いたようでその巨大に見合わず過敏に動き私と距離を離れる。

私も負けじと追いかけるが心が読まれているかのように避けられ尻尾で反撃を喰らってしまった。

 

流石は竜名前に負けずパワーがある。

尻尾の反撃で向かいの壁まで吹っ飛ばされる。

ドカッ!と壁に窪みができ、そこに叩きつけられる。

 

まずい、今ので右腕が折れ、そして剣を落としてしまった。

早く拾わなければ、そう思い剣を拾おうとした。

その隙を竜は見逃さなかった。

 

私が剣を拾った時には気付くのが遅く、

あいつの方を見た時そいつは口を開け黒い霧状のブレスを吐いていた。

すぐに動くことが出来ずモロにそのブレスを吸ってしまった。

 

その瞬間身体全身から焼けるような痛みが走る。

次に視界が歪み、色が鮮明になる。

そして急に吐き気がし、思わず吐いてしまう。

眩しいほど明るい赤色液体が床に広がる。

 

さらに全身に虫唾がハしリ掻きムしりタくナル、

ダめ、疼イてしかたない。

早ク、ハヤクアイツ、タオサナイト。

狂っテ狂イジンでじまう。

 

デモ、アタマがパーッてナッてスごく気もチイ。

そっか、あいつ喰えばいいんだ。

 

 

ケんなんてイラナい、

 

「クァ..セオ、オァえォニィゥ....ウァセォ‼︎

 

 

 

 

???

 

その瞬間我は恐怖した。

そいつは青髪の少女であり、我の財宝を奪わんとする不届きものだった。

急に襲ってきて壁に叩きつけたのは良かった。

だがブレスをかけたのが悪かった。

 

我のブレスは吸った対象を内部から破壊し、確実に殺す必殺なのに、

あいつは死なず立ち上がるではないか。

 

そして何かを叫ぶとこちらに飛び掛かってきた。

 

単調な動きだな。

尻尾で薙ぎ払い黄金の剣を尻尾で投げつけた。

その剣はそいつの腹に突き刺さり、奴の怒号とも取れる声が響き渡る。

 

それでもこちらを見る目は変わらない。

翡翠の瞳が背筋に悪寒が走る。

あの目はなんだ。我を誰と心得るか、ギルビス・ティルヴァスであるぞ。

こいつだけは許さない、四肢を削ぎ赦しを乞わせながら絶望の縁に落としゆっくりと丸呑みにしてやる。

 

もう一度ブレスを喰らえ、我は動けぬ奴に直撃さした。

これでもう終わりだ、どれ四肢を剥いでやろう。

我は奴に近づいた。

 

ドスッ、

 

腹から何かが刺さった。わからぬ、な、なぜ奴が...!

霧が晴れ奴の姿がない。我の先程切られた傷に刺すように何かを指していた。

馬鹿な!腹に剣が突き刺さった状態で如何にして動けるのだ。

 

すぐさま暴れたが時すでに遅し、奴は腹に刺さっていた剣を抜き我の腹をさしていたのである。

馬鹿な、馬鹿な馬鹿なァ‼︎

 

「ヤッとトァッタオ?ジャァ、イァアきマァウ」

 

暴れる我を抑えつけ何か言っている。

こいつ化け物か。

するとこいつは我を喰らい始めた。振り解かなければ死んでしまう。

身体が動かない、この我がこの矮小なガキにぃ!

 

あゝただ我はこの財宝と共に静寂な日々を過ごしたかっただけなのに。

薄れゆく意識の最中狂気的な笑みを浮かべるこいつは我の目を抉り出し視界を無くした。




あとがき

私は子供が産まれはや数日あることに気づいた。
どうやら私の汗から生まれているようだ。

だがまぁなんだ、どんな子でも可愛らしいものだな。
次々と生まれる子たちを見守りながら過ごした。


ある日氷壁から生き物が出てきた。
私たちと同じような形をしているがとても小さい。
名をブーリと言うではないか。

如何な姿大きさも愛おしく思う私にとってはあまり変わらないことだが、
いいものだな。子供というのは。

数年の月日が経った。
ある時ブーリはベストラ?という嫁から子供を授けたそうな。
三人産まれたらしい。
上からオーディン、ヴァリ、ヴェーというらしい。
私もその子を見たいが小さくよく見えなかった。

あゝ残念だ、早くブーリの子が大きくならないものかなぁ。
これほど時間が経って欲しいと願ったことはない。
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