死にたくないので自分達だけの第三勢力作りました。 作:鬼獣八紅
オウル視点です。
『グラッ…』
「来るぞ!」
戦闘開始直後、巨大蟹は口元…で合ってるっけ? にエネルギーを貯め始めた。
「前衛組は回り込んで!
『ッシャー!』
巨大蟹が放ってきた泡攻撃に合わせ盾を展開する。
正直もっと威力あるのかと思ったけどあんま無いね、これならいくらでも耐えられる。
「アル!」
「ウッドウィップ!」
そして私が攻撃を受けている間にアルが巨大蟹を拘束した。
これで回り込んだ三人の攻撃が確実に命中する。
「
「
「蛇足の拳!」
よし、三人の攻撃が命中。
巨大蟹の甲羅に罅が入った。
「アギト、ライズ、準備は!?」
「もう出来てる!」
「いつでも放てるぞ」
後衛組二人の攻撃準備も整った。
「オウル手伝って、蟹が振りほどいてくる!」
『グ…グラ…』
見ると巨大蟹が腕のハサミで蔦を切断しようとしていた。
「させない!
あの蟹がどんな能力を持っているかわからない以上、攻撃できる時にしておかないと後々面倒になりかねない。
今は前衛組の攻撃で殻に小さいけど罅が入ってる、そこに攻撃を叩き込めれば一気に有利に─
『!、ラッシャー!』
「は?」
「ごめん千切れた!」
巨大蟹が私の魂の腕が近づいた瞬間、今まで以上に暴れ蔦を切断し逃げ出した。
いきなりの事で対応が遅れる。
「っ、逃がさない!」
腕一本じゃ捉えられないのなら、本数を増やして追い詰めるだけよ!
「大蛇化! オウル、そのまま追い込め!』
「了解!」
巨大蟹の逃走方向に大蛇化したオロチがスタンバイしてくれたので、そこ目掛けて追い込んでいく。
…何か私の魂の腕を避けてるよね。さっき突然暴れ出した時も魂の腕が近づいたタイミングだったし。まあもし本当なら追い込むのに便利だからいいけど。
『グラッシャー!』
「オロチそっち行った!」
やっぱ巨大蟹私の魂避けてるよね! 見た目を比較した時、明らかに危険そうな大蛇化したオロチに迷いなく突っ込んでったし!
『暫くおとなしくしてろ!』
向かってきた巨大蟹をオロチは空中へ打ち上げ天井に激突する。
「今だ、ロックソルトショット!」
「サンダーブレス!」
そして落下してきたところにライズとアギトの攻撃が直撃した。
これで倒せてればいいけど、たぶん倒せてないよね。
「河原、蟹どうなった?」
落下した衝撃で土煙が舞ったため巨大蟹の姿が確認できない。
「ちょっと待ってくれ。空流!」
河原が風を起こし土煙をどかしたことで巨大蟹の姿が露になる。
「っ、やっぱり倒せてないか」
巨大蟹は脱皮することで今の一連の攻撃のダメージを無かったことにしていた。
ぶっちゃけ今の攻防で分かったけど、この巨大蟹はあんま強くない。いや強いとは思うんだけど私たち調査メンバーの総合値が高すぎて一方的にボコせる。
例えるならレベル上限100のゲームの適正レベル60くらいのボスに、レベル90代キャラクターのフルパーティーで挑んでるようなものだからね。
それなのに倒せないってことはこの巨大蟹って弱点付かないと倒せないとかのギミックボス?
『グラッシャー!』
「っ、しつこい!」
今度はハサミを構え突撃してきたので盾で防ぐ。
「鬼棍!」
白夜がその隙に
「これじゃあキリがない」
「ライズ、鑑定で何か攻略法調べられないの?!」
今は防げてるけど、対格差でパワー負けしそうなんだよ。
このまま近距離戦続けられたら逃げることでのヘイト管理に切り替えるしかない。
そうなったらまあまあきついんだよ私あんま足速くないし。
「わかった、
「ちょっと、何がわかったの?!」
「そんなことが…、いやしかし…」
「今考え事はいいから! あ~もうまた来た!」
『ラッシャー!』
巨大蟹がまたしても攻撃してきたので受け止める。
「全員聞け! 巨大蟹の攻略法が分かった!」
「マジか、どう攻略済んだ?!」
「あの巨大蟹にオウルの魂をぶち込め、それで奴の行動は止まる!」
「はぁ!? ぶち込むってそんなことどうやるの?!」
「取り憑くイメージだ!」
取り憑くイメージ言われましても、私そんなことしたことないよ!
たしかに一度死んでアンデッドみたいなもんになったんだからできるだろって言われたら反論のしようは無いけども、仮に分類するなら私は取り憑くことのできるゴーストじゃなくて肉体を持ったリッチだって!
「こうなったら自棄よ、
魂の一部を肉体から切り離し巨大蟹へと発射する。
『グラッシャー!』
「逃がさないよ!」
魂を遠隔操作し巨大蟹を追跡する。
いざって時のためにホーミング練習しといて良かった。
けど速度が足りなくて追いつけない。
「オロチ、蟹を拘束しろ!」
『わかりやした!』
オロチが白夜の指示で巨大蟹の逃走経路をその巨体で塞ぐ。
『ラッシャー!』
「逃がさねえよ」
巨大蟹は方向転換して逃げようとするが既に白夜が先手を打っている。
『グ、グラッ!』
「
白夜によって液状化していた床に巨大蟹の足が埋まった。
この状態なら確実に命中させられる!
「成功するかわからないけど…、やるだけやってやるわよ!」
ライズのアドバイスはよくわかんなかったけど、もうなるようになれ!
『グラッシャー!!』
巨大蟹はその巨体に見合うサイズのハサミで防ごうとする。
が、遠隔操作してるから無駄なんだよね。躱せばいいだけだから。
「食らえ!」
そして、魂が巨大蟹の胴体へと入っていった。
『グ…ラ…』
「…動かなくなった?」
え、マジでこれで終わり?
「ツンツン、ツンツン。…オウル、やっぱ動かないよ」
アルが蔦で突いて確認したけどどうやらマジで終わりっぽい。
何というかギミックボスにありがちではあるけど…、弱点分かったら秒で倒せた。
「そういえばライズ、さっき鑑定した時何か考えてたけどあれ何だったの?」
「…実は巨大蟹を海底した時、視界にオウルもいたため一緒に鑑定してしまったのだ」
「…ひょっとして考え事の内容って巨大蟹じゃなくて私?」
「そうだ」
…す~、マジかぁ。
いや確かにライズが私を鑑定したのって初めて会った時に魔法を鑑定したあの一回だけだったらか、あの時は詳しく分からなかったのも理解できるけどさ。
「それで、何がわかったの?」
「皆は我がこの海底神殿を鑑定した際にこの場所がダンジョン『三途の桜花』にあると言ってのを覚えておるか?」
「あ~たしかにそんなこと言ってたね」
あの時は何のことかわからなかったし今もわかんないけど。
けどなぜ今その話を?
「いいか、心して聞け。その『三途の桜花』のダンジョンコアだが、恐らく
「…そういうことか」
「え、今ので理解したの?」
「いやオウルは気付けよ」
白夜に言われ少し考えたが全く分からない。
というか
だって
「え、マジ?」
「理解したか」
「オウルどういうこと?」
「説明してもいいけど確証持てないからライズの説明を待って」
まあ理解できないのも無理はな…、いやアルは考えれば分かりそうだけど。
けどもし予想が正しいのなら私の存在が相当ヤバいことになってるかもしれない。
「ダンジョンには必ずダンジョンマスターというダンジョン内部のモンスターを管理する者がいる。そして『三途の桜花』のダンジョンコア、
「…え、頭そういうことですか?」
「あぁ。こりゃかなりヤバいことだ」
どうやら今ので他メンバーも分かったらしい。
「オウルどういうこと?」
「…アルは帰ったら少し勉強しようね」
アルの精神年齢が幼女に近いとはいえ、さすがに不安になる。
「ライズ、結論お願い」
「うむ。この地に存在するダンジョン『三途の桜花』のダンジョンマスターはオウル、お主だ」