死にたくないので自分達だけの第三勢力作りました。   作:鬼獣八紅

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 レイヴン視点です。


ラスボスを務めるレベルの者たち

 

 10月31日ハロウィン、PM4:30、都内某所、東京グッドドリームホテル─

 

 

 

「ここが会場か?」

「そうっぽいぞ」

 

 俺たちは会場である東京グッドドリームホテルに来ていた。 

 あの会議の後少しホテルについて調べたが、30階建てのビルにレストランなどの施設に宿泊施設も入ってる建物みたいだ。

 会場はこのビルの地下らしく、受付で招待状を見せればいいらしい。

 

「すごく大きい建物ですね」

「き、緊張してきました…」

「あんま緊張すんなよキャットガール」

 

 パーティに参加するメンバーは俺、白夜、民守さん、そしてキャットガールだ。

 連合である以上、立場的に同列である二人の参加は必須だからな。

 そしてキャットガールだが、分裂能力とデータバンク魔法を組み合わせての通信要員だ。スマホとか通信機とか出してたら怪しまれるかもしれないし。

 だから緊張で体調崩されても困る。

 

「これ飲んどけ、胃痛薬だ。再生能力持ちとはいえ無いよりはましだろ」

「あ、ありがとうございます」

「そういえばレイヴンさん、服装これでよかったのですか?」

「問題ないだろ。フォーマルな服装に見えなくは無いし」

 

 服装はフォーマルって指定があったが、キャットガール以外は俺含め全員いつもの服装と変わらない。

 俺は変身(トランスフォーム)した際のローブだし、白夜はいつも黒紋付き着てるからこういうパーティで困ることは無い。

 唯一微妙なのは修道服を着てきた民守さんだが、聖職者の正装だから問題ないだろ。多分。

 キャットガールについては変身(トランスフォーム)した服装が自衛隊のような迷彩服のため、この中で唯一ドレスを着用してきている。

 

「それじゃあ、行くか」

「そうだな」

 

 東京グッドドリームホテルの中へ入ってまず目に入ったのは、高級感漂うロビーだ。

 まあ今日はそんなの関係ないので無視して受付へと向かう。

 

「いらっしゃいませ、本日はどのようなご用件でしょうか?」

「ここで行われるパーティに招待されました」

 

 受付の人にバグロフィから渡された招待状を見せる。

 

「…わかりました。こちらのエレベーターにご搭乗ください」

「このエレベーターか」

 

 受付の人に示されたエレベーターに全員乗ると、エレベーターの扉は独りでに閉まり降下していく。

 

「このエレベーター? というものはどこへ向かっているのでしょう?」

「会場だと思うぞ。たしか地下一階だったはず」

「あ、ついたみたいですよ」

 

 もうか。まあ一階下へ行くだけだしこんなもんか。

 

「お~、こりゃすごいな」

「こんなにデカい会場だったのかよ」

 

 エレベーターから出て目に入ってきたのは超巨大なパーティホールだ。

 目測でも野球ホームほどはある空間に置かれたテーブルにはビュッフェスタイルで食べる料理が置かれおり、先に来ていた数名が料理を食べている。

 

「レイヴン、とりあえずパーティ始まるまでは自由行動でいいよな?」

「そうですね。私たちがすべきことは特にありませんし。強いて言えば挨拶回りぐらいでしょうか」

「じゃあそうするか。キャットガールは偵察頼むぞ」

「わかりました」

 

 キャットガールは外部との通信要員ではあるが、もう一つの役割として他悪の組織の偵察も任せている。

 なんせキャットガールの魔法であるデータバンク魔法は魂にあらゆる情報を記録できる。普段は分裂との通信として使用してるが本来の能力はこっちだ。

 そしてこの魔法の恐ろしいところは、魂に記録される情報に記録上限が存在せず、記録された情報はキャットガールの削除意思以外では消えないということだ。

 消えないということは忘れないと言い換えてもいい。そのためキャットガールは疑似的な完全記憶能力を得たのだ。

 しかもキャットガールは招待状が届いてからの約一か月の期間の間に灰崎さんから改造手術を受け、額の前髪で隠せる隅の位置にプラグ穴が取り付けられた。このプラグ穴はキャットガールからの申し出なので決して無理やりとかじゃない。

 このプラグ穴からキャットガールが記録した情報をコンピュータに転送したりでき、今も本部にいる分裂体にリアルタイムで情報を送っている。

 ちなみに分裂体にもしっかりプラグ穴は存在した。手術したのは本体だけなのにどうなってんだよ。

 

「一応俺の方でも実際に見てくるか」

 

 聖魔連合の情報部が調べたパーティの参加者リストの中にナイトメアグループと同等の悪の組織も参加することがわかった。

 そんな連中、興味があるし生で見てみたい。

 

「えっとまずは…あいつか。”海賊、ベギニング・A・サファイア”」

 

 ベギニング・A・サファイア、青が良く似合ってる筋骨隆々な男性で主にアメリカ近海で活動している悪の組織…、というより海賊だ。

 能力に関して調べてくれた範囲で分かったことは、海そのものを操る能力である可能性が高いってことだな。

 …戦いたくね~。そのうち戦わないとだけどやりたくね~。

 海そのものを操るって範囲ヤバすぎんだろ。

 

「Hey, what are you looking at!」

 

 やっべ絡まれた。

 

「えっと、翻訳機起動」

 

 首から掛けていたネックレス型翻訳機を起動する。

 一応高校レベルの英語力はあるけど悠長な英会話はできないから灰崎さんに作ってもらった。

 

「おい、無視すんじゃねぇ!」

「すいませんね。何分言語が違うもので反応が遅れました」

「ん? お前よく見ればレイヴンじゃねぇか」

「俺のことをご存じで?」

「裏の情報屋はお前のことで持ち切りだぞ。なんでもあの鬼頭白夜を仲間にしたとか、七曜の円卓の一人を殺し他メンバーにも喧嘩を売ったとかな。ちなみに事実か?」

「…全部事実だ」

「マジかお前、イカれてんな!」

「あはは…、そんなこと無いですよ。それにまだ結成して一年も経ってない組織ですし」

 

 …マジかぁ、裏の情報屋とかあるのか。

 聖魔連合だとセレネと通波が調べてくれっから知らなかった。

 それよりその情報屋間で話題になってんのはやめてほしい。いざ戦闘するってなった時情報は武器になっからあまり知られたくないんだよ。

 多分魔法…というか能力も知られてると考えた方がよさそうだな。

 

「おやおや、騒がしいと思って来てみればあなたでしたか。猿でも騒いでるのかと思いましたよ」

「あ?! やんのかてめぇ!」

 

 騒ぎを聞きつけて紅いスーツに眼鏡を掛けた男性が近づいてきた。

 この人も情報部の資料で見た顔だな。

 

「初めまして、レイヴンと申します。失礼ですがお名前をお伺いしても?」

「あなたがレイヴンさんですか。噂はかねがね。私は紅結束(ホン・ジャイシュー)と申します」

 

 紅結束、中華圏を拠点とする悪の組織のトップで表の顔は宝石商らしい。

 調べた限り能力は土魔法の系列らしいが威力と範囲が異次元なんだとか。

 …こいつとも戦いたくね~、特に表の顔が強すぎんだろ。こちとらなんの後ろ盾の無い高校生だぞ、表のコネなんてねぇよ。

 総評、両方相手が仕掛けてくるまで手出し無用。

 

「おうレイヴン、ちょっといいか?」

「おや、あなたは白夜さんではありませんか。お会いできて光栄ですよ」

「…お前も俺を知ってんのかよ、いい加減鬱陶しいな。お前も勧誘か?」

「…まあそんなところです」

 

 そういえば白夜が聖魔連合に所属するための話し合いで行った居酒屋で、怪人達を見下した上で戦力目当ての勧誘が結構あったって言ってたな。

 その意味がやっと分かった、確かに行くとこ全てこの反応されたら鬱陶しいわな。

 

「白夜はもう聖魔連合の対等な仲間です、なので引き抜きはやめていただきたい」

「それは残念」

「すまないな白夜。ところでなんの用だ?」

「いや、何か民守が絡まれて困ってそうだから助け舟出した方がいいのか聞きに来ただけだ。今まで俺たち聖魔連合内としかコミュニケーション取ってなかったから不安だろ」

「まあ確かに。すいません、少々急用ができたのでまたの機会にお話しましょう」

 

 見ると、民守さんがドレスを着た長髪白髪の目元が隠れた女性に絡まれていた。

 白夜の言う通り、これまで民守さんは連合外とのコミュニケーションはあまりない。というか俺が把握してる限り七曜の円卓の魔法少女とスイーツバイキング行った時に多少したかなってくらいだ。

 困ってそうだし助け舟出すか。

 

「すいません、俺たちの連れなので困らせないでくれませんか」

「レ、レイヴンさん、ありがとうございます」

「おやおや、せっかく面白い話をしていたのに」

「相手が嫌がってたら面白い話とは言わないんだよお前」

「……口の悪い怪人ですね。かの鬼頭白夜ですらこの程度の子供の下につくなんて、怪人はやはりたかが知れてますね」

「…もう一回言ってみろ、その口二度と開けなくしてやる」

「気持ちは分かるが落ち着け白夜」

 

 的確に白夜の地雷踏み抜きやがった。失礼すぎんだろこいつ。

 俺のこと子供とか言ったがてめぇの精神がガキかよ。

 というか、こいつデータに無かった顔だな。けどどっかで見たような…。

 

「そういえば自己紹介がまだでしたね。私はバルバラ・B・イノセンティ、ヨーロッパで孤児院を経営しており近々日本にも支部を開こうと思っております」

「ヨーロッパ、孤児院…、ひょっとしてアレイオス孤児院か?」

 

 アレイオス孤児院、ヨーロッパどころか世界最大の孤児院だ。

 イタリアに本拠地を置いており、世界各地の孤児を受け入れているという。

 なぜこんなにも詳しいのかというと、一応俺たちの定義は孤児のため色々調べた時に知った。

 本拠地の場所が遠いって分かってからすぐに調べるの止めたけど正解だったな。

 このパーティに設立者が出席してるってことは絶対裏で碌なことしてないぞ。

 

「おや、ご存じでしたか。近頃の子供は余り孤児院に興味を持ってくれないので嬉しいですよ」

「…よく言うぜ、そんなこと思ってもないくせに」

「怪人風情が…、まあ今日のところはいいでしょう。もうすぐパーティも始まりますし」

 

 時計を見ると、時間は既に55分を回っていた。

 

「それでは、またどこかで会いましょう」

「もう二度と顔拝みたくないな。ったく、民守、大丈夫だったか?」

「はい、何とか」

「…もう別行動止めるか」

 

 白夜は勧誘、民守さんはコミュニケーション問題、もう別行動が面倒ごとを呼び込んできてる。

 

「レイヴン様、そろそろパーティが始まります」

「キャットガールか、偵察どうだった?」

「今この場にいる参加者の映像を全部本部に転送しました」

「よくやった。後はあいつらに任せるとして、いつパーティ始まるんだ」

「レイヴンさん、檀上に人がいますよ」

 

 見ると、ホールの中央に設置されている檀上に黒スーツにシルクハットを被った姿の男性が登壇していた。

 あいつがダークマーラか、データの画像と一致してる。

 

「皆さん、よくぞお集まりいただきました。本日は皆さん悪の組織との交流を目的としております。また、パーティ中盤にて重大な発表っもありますゆえ、ぜひ聞き逃しの無いよう置きお付けください。それでは、パーティの開催です!」 

 

 こうして、パーティはスタートした。

 この後はパーティ中盤まで暇だから、それまではちゃんとパーティ楽しむか。




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