死にたくないので自分達だけの第三勢力作りました。   作:鬼獣八紅

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 レイヴン視点です。


横流し

 

 さて、パーティが始まって二時間ほど経った訳だが─

 

「…暇だな」

「…そうだな」

「…そうですね」

「挨拶回りとかもう済ませてしまいましたからね」

 

 始まってすぐは他組織へ挨拶回りをしたが、その後は聖魔連合が新興組織の影響か白夜を引き抜こうとする組織が多数すり寄ってきたため会場の隅へと避難してきた。

 結果、身内で集まって料理を食ってるだけになってしまった。

 パーティに来た意味とは…。

 

「しっかしこの手のパーティだから覚悟してたがザ・高級品って感じの料理しか無いな。居酒屋みたいな料理無いのか?」

「流石に無いと思いますよ。だけど美味しいのでいいじゃないですか」

「そうだぞ白夜。まあ、あまり口に合わないのは同意だが」

 

 というか聖魔連合の幹部連中で高級品が好物の奴いなかった気がする。食いなれてるって事ならライズが該当するが、ライズはライズで数百年だったか放浪してたっぽいし今どうだかは知らん。

 

「…そういえばダークマーラが言っていた発表って何でしょうね?」

「さあな。だけどもうすぐ知れそうだぞ」

 

 ホール中央の檀上を見るとダークマーラが再度登壇してきている。

 

「マイクテストマイクテスト…、皆、本日のパーティは楽しんでいるか?! これより、(わたくし)ダークマーラから皆を招待した理由、それを重大発表とともにお伝えしよう!」

「レイヴン、始まったぞ」

「あぁ」

 

 さて、いったい理由は何だろうな。

 

「日本には七曜の円卓を最高戦力とした全日本魔法少女連盟が存在する。日本は世界で初めて魔法少女が出現した国でもあり魔法少女の質が高い。諸外国の皆さんも日本に勢力を伸ばそうとした際に阻まれたことがおありでしょう?」

 

 ダークマーラの問いかけに何人かが苦虫を噛み潰したような表情を浮かべている。

 …諸外国がどうか知らないが、日本の魔法少女って全体的に強かったのか。日本でしか活動してなかったから気付かなかった。

 

「では、そんな魔法少女どもの本拠地を私たちナイトメアグループが突き止めたと言ったらどうします?」

 

 …は?

 

「おいレイヴン、まだ聖魔連合(こっち)は発見できてなかったよな?」

「そのはずだ。正直日本最大の悪の組織を舐めてた」

 

 こっちには連盟に誘拐されるレベルの技術を持つ通波と、恐らく世界最高峰のコンピューターと同等レベルの解析能力のあるセレネがいるってのに見つけられて無いんだぞ。

 どんな情報網持ってんだよ。

 

「レイヴン様、セレネさんに通波さん、それに灰崎さんがハッキングを開始しました」

「了解、そのまま続けてくれ」

 

 この後のことも考えると早めにナイトメアグループから情報を抜き出しておきたい。

 頼むぞ三人とも。

 

「そして今回皆を招待した理由もこのことに起因する。一週間後の11月7日、ここにいる全組織で全日本魔法少女連盟本部を襲撃しようではないか! あの忌々しい魔法少女どもを私…いや、俺たちで地獄へ落とすのだ!」

 

 

 

   「「「「「…うおおぉぉぉ!!!」」」」」

 

 

 

 しばしの沈黙の後、割れんばかりの大歓声が響き渡った。

 

「これは…すごいですね。こんなに恨みを持つ人がいるとは」

「そりゃ目的を何度も阻まれたりすれば恨みも溜まるだろ。…だけど、それは叶わないだろうな」

 

 時計を見たらもうすぐ7:00を回る。

 そろそろあいつらが来るはずだ。

 

「魔法少女連盟本部の場所は帰路につく際に紙面でお渡しする。それまではパーティを─『ダークマーラ様緊急事態です!』…どうしたバグロフィ? 今はパーティの最中だぞ」

『ですから緊急事態です! 来場者を至急避難させてください!』

 

 バグロフィによる館内放送により突如避難指示が出された。

 …ということは、あいつらが来たな!

 

「早く要件を言え」

『この場所がバレたんです! ですので、魔法少女が、魔法しょ…じょ…が…ガガ…。…、……、防衛システム掌握完了しました! 悪の組織の皆さん、おとなしく倒されてください!』

「民守さん!」

「バリアキューブ!」

 

 民守さんが俺たちを囲むようにバリアを展開する。

 直後─

 

 

 

   「ウラヌスドロップシュート!」

 

 

 

 赤いマントを棚引かせた魔法少女がパーティホールの扉を蹴り破り突入してきた。

 

「おいどういうことだ!」

「何でここに魔法少女が来んだよ!」

 

 突然の魔法少女襲撃により混乱が辺りに伝播していく。 

 

「…よし、作戦成功だ!」

 

 以前の会議でオウルが口にした作戦、その内容は招待状の内容を魔法少女連盟へ横流しすることで会場に魔法少女を呼び寄せるというものだ。

 悪の組織と魔法少女は基本的に敵対している。それなら接敵させれば勝手に潰し合ってくれるって訳だ。

 

「っ、なぜここがわかったグレートフューチャー」

「とある魔法少女から情報提供があってね。今日こそ決着を付けようかダークマーラ」

 

 あの二人何か因縁あるのか?

 まあ俺たちには関係ないことだ。今のうちに脱出させてもらう。

 

「テレポートは…発動できるな。空間をロックされる前に撤退するぞ」

「そうだな」

「もうここにいる意味はありませんしね」

「キャットガールはここに残ってくれ。中継頼むぞ」

「わかりました。ばっちり撮ってきます」

 

 キャットガールは本体を任意選択できる。これから起こる戦いで発揮されるであろう魔法少女の実力を見て(取って)来るにはうってつけの人材というわけだ。

 仮に今の肉体が使えなくなっても予め本部で生成してきたスペアを本体にすればいいからな。

 

「それじゃあ…テレポート!」

 

 そうしてキャットガールをその場に残し月にある本部へと帰還する。

 さあ、双方適度に潰し合ってくれよ。最後に勝つのは聖魔連合だ。

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