死にたくないので自分達だけの第三勢力作りました。   作:鬼獣八紅

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三人称視点です。


UFO

 

「な、何だこの煙?!」

「とにかく逃げない…と…」

 

 町全体を覆った赤い煙を吸い込んだ市民が突然倒れていく。

 

「どうしたいきなり…、ダークマーラ、お前何をした!?」

「なに、多少想像力を借りるだけだ。悪夢の、だがな」

 

 すると、倒れた市民の頭から黒い靄のような物が湧き出す。

 湧き出した靄は段々と形作っていき、次々と化け物が現れた。

 

「さあ、行け!」

『『『グロアァァ!!!』』』

 

 ダークマーラの能力【夢実現】は空想・想像を実体化させる能力だ。

 そして、この実体化は何も己にしか使用できないなんて制約は存在しない。

 

「っ、マーズメテオラッシュ!」

 

 次々に襲い掛かってくる怪物を連続で殴り飛ばすが、如何せん数が多く減る様子が無い。

 

「クソッ、早く市民を避難させないとまともに戦えない!」

 

 当然のことながら二人の周りには倒れた市民が横たわっている。

 この状況で大技を出そうものなら巻き込むこと必至だ。

 

「お前の性格ならそうだろうな。夢生成(ドリームクラフト)・宇宙戦艦!」

 

 UFOで空中に避難したダークマーラが次に生成したのは何と宇宙戦艦。

 その大きさは有名な戦艦大和にも及ぶ。

 

殺戮(ジェノサイド)だ!」

 

 宇宙戦艦の左右に取り付けられた主砲のチャージを開始する。

 

「!、市民ごと殺す気か!?」

「たかが命の百や二百、お前を殺せるなら安い!」

「なら私だけを狙えばいいだろ! ソニックマーキュリー!」

 

 グレートフューチャーは勢いよくジャンプすることで空中へ移動する。

 空中へ移動したことで回避はしにくくなったが、狙いであるグレートフューチャーが地上からいなくなったことで市民が巻き込まれるという最悪の事態は回避できる。

 

「自ら逃げ道を無くすとはな。発射しろ!」

 

 狙いを地上からグレートフューチャーへと移した二連主砲が発射される。 

 

「こちらだって無策じゃない。アースフィスト!」

「なにっ?!」

 

 何とグレートフューチャーは拳を振るった反動によって空中を移動し主砲を回避した。

 そしてそのまま宇宙戦艦の真正面へと急接近する。

 

 

 

   「ブッ壊れろ…、プラネット・スマッシャー!」

 

 

 

 宇宙戦艦目掛けて拳を打ち込む。

 その威力に耐えられるはずも無く、宇宙戦艦は木端微塵に粉砕された。

 

「次はお前だダーク『”バンッ”』マー…ラ…?」

 

 再度拳を振るい移動しようとしたグレートフューチャーの脇腹に弾丸が撃ち込まれた。

 反動を起こせなかったグレートフューチャーは落下していき地面に激突する。

 

「ゴホッ…、いったい何が…」

「眠った市民の中に怪人のような化け物ではなく殺人鬼を想像した者がいてね。利用させてもらったよ」

 

 一角を見ると、倒れている子供のすぐ横に黒ずくめの男が化け物に混じってスナイパーライフルを構えていた。

 その男は今上映している映画の適役でありCMにもよく登場しているキャラクターだ。恐らくそのどこかで悪夢として出てくるくらいトラウマになったのだろう。

 

「次で決めるぞ、夢生成(ドリームクラフト)隕石(メテオ)!」

 

 ダークマーラが空中に生成したのは巨大隕石。

 その隕石をグレートフューチャー目掛け落下させる。

 

「!、まだ市民を避難させられてないってのに。こうなったら隕石を破壊し─『グロアァァ!』─クソッ、離せ化け物!」

 

 グレートフューチャーが隕石を破壊しようとジャンプするが、直前に化け物に足を掴まれ拘束されてしまう。

 

「終わりだ! グレートフュー─『させない!』─何だ?!」

 

 突如、この場に居ないはずの第三者の声が響き渡る。

 この声に気を取られたことによりダークマーラの行動に隙が生じた。

 

 

 

   「黄泉(よもつくに)

 

 

 

 瞬間、町が冷気に包まれダークマーラによって生成された化け物やキャラクターのみが的確に凍り付く。

 氷は市民を綺麗に避けており、一切の被害が無い。

 

 

 

   「二重突衝!」

   「鉄の魔法少女!」

 

 

 

 そして二つの人影が隕石へと向かっていき拳を叩き込む。

 すると隕石に罅が入り、最終的に崩壊してしまった。

 

「一二三、栞、美空! ホテルの方は大丈夫なのか?!」

 

 グレートフューチャーの加勢に来たのは積一二三、栞・M・ケントニス、青柳美空の三人だ。

 

「そっちはもう片付きました。というか神子都さんとメンデルさんの戦闘余波で大半やられましたよ。あ、サイファーさんは電脳空間に入って戦闘を行っているので問題ないです」

「せや、そのおかげで他メンバーも来とるで」

 

 三人に続いてベテルギウス、双龍会、クロニクル・ゲーマーズ、マジック・ハンターズのメンバーも到着し次々と想像物を破壊していく。

 

「チッ、これだけ魔法少女がいると面倒だ。一気に片付ける! 夢生成(ドリームクラフト)・超巨大UFO!」

 

 瞬間、町全体が暗い影に覆われる。

 

「おいおい、こりゃまた…」

「…どうするんですか、これ?」

 

 空中に浮かんでいたのは超巨大UFO。

 その下方にはいくつものビーム砲が取り付けられており、地上を焼野原にしようとチャージを開始している。

 

『まもなくこの町は焼野原だ。終わりだ魔法少女ども!』

「クソッ、これだけ遠いと攻撃が届かない!」

 

 UFOに乗り込んだダークマーラの声が響く。

 超巨大UFOは上空約3000メートルの位置にあるが、それでもなお目視で巨大に見えるくらいは大きい。

 しかし、これだけ巨大であっても自在な空中移動が困難なグレートフューチャーでは攻撃が届かない。

 その上、地上には未だ化け物が残っているのでその対処も必要だ。

 

「それなら私が連れてってやるよ」

「…君は?」

「私は鍛冶屋智加古。七曜の円卓第二席、神田神子都のライバルだ」

「君がか。よく神子都やサイファーが話してたよ。けどなぜここに? 今回の襲撃は円卓メンバーとそのチームにしか伝えてなかったはず?」

「そんなの勝手に私がついてきただけだ」

 

 鍛冶屋智加古は今回の襲撃に向かう神田神子都の後をこっそりつけてきていたのだ。

 実際チームを組んでないだけで神田神子都も鍛冶屋智加古の実力は認めているので襲撃に参加しても問題はあまりない。強いて言えば後で二人(神子都と智加古)が大揉めするくらいである。

 

「そ、そうか。ならあそこ(超巨大UFO)まで頼む」

「任せとけって、私の後ろに乗りな」

 

 そうしてグレートフューチャーは魔女の箒(ウィッチ·ブルーム)に腰掛ける。

 

「それじゃあ行く─『ま、待って!』─っと、誰だ?」

「呼び止めてごめんね、私双龍会所属の十止(ととめ)進珠。ちょっとフューちゃんの治療させて!」

「ヒューちゃん? まあそういうことなら頼む」

「了解! それじゃあ、インジュリーストップ! これで今の怪我はこれ以上変化しないよ」

 

 進珠がグレートフューチャーに魔法を掛ける。

 この魔法は現時点での怪我や負傷がこれ以上進行しなくなる魔法だ。

 しかし治った訳ではない上、これ以降負った負傷には効果が無いため扱いが難しいが、今はとても有効な魔法である。

 

『わ、私がナビゲーション兼護衛を行います』

「お、レティクルクイーンか。それじゃ、しっかり護衛頼むぜ!」

 

 そこへゲームに出てくるような戦闘機に搭乗している魔法少女、クロニクル・ゲーマーズ所属のレティクルクイーンがナビゲーションを申し出た。

 レティクルクイーンの魔法はシューティングゲーム魔法、あらゆるシューティングゲームの要素を現実に再現できる。

 今回は宇宙を戦闘機で攻略していくタイプのゲームの戦闘機を使用していた。

 

「あ、それじゃあ私も戦力出しますよ」

『…確かに、複数きたら厳しいかもしれません。栞さん…でしたっけ? お願いします』

「わかった。魔法少女の十二使徒」

 

 栞が魔法を唱え手元の本を開くと、そこから十二本の光が飛び出す。

 その光は段々と形作っていき、最終的に十二人の男性型天使になった。

 

「十二使徒の命令権をグレートフューチャーに一時的に譲渡します。グレートフューチャーの指示に従ってくいださい」

 

 栞の指示を聞き十二使徒はグレートフューチャーに跪く。

 

「ありがとう栞」

「しっかり使ってくださいねフューチャー、地上の化け物どもは私たちで何とかしておきます。ご武運を」

「わかった。行ってくる」

「あ、そうだフューチャー、これ飲んどけ」

「これは?」

「高山病対策のポーションだ」

 

 鍛冶屋智加古がグレートフューチャーに渡したのは、クロニクル・ゲーマーズとの共同開発により生み出された水中呼吸のポーションだ。

 上空約3000メートルまで急上昇すると低酸素状態により高山病のリスクが生じる。水中呼吸のポーションを飲んでおけば低酸素状態でも問題なく活動できるようになるのだ。

 

「ありがとう智加古。それじゃあ改めて、行くぞ!」

 

 グレートフューチャーの号令により一機と一艇、そして十二人が超巨大UFOに向け飛び立つ。

 上昇速度はすさまじく、僅か数十秒で残り約1000メートルほどの距離に到達した。

 

『!、前方に敵の機体の反応あり!』

「あれは…UFOか!」

 

 超巨大UFOから小型UFOが数百機飛び出してきた。

 そのUFOもビーム砲が取り付けられており、魔法少女たち目掛けビームを発射してくる。

 

『私が撃墜を…』

「いや、ここは彼らに任せる。十二使徒、UFOを撃墜しろ!」

 

 グレートフューチャーの指示により付いてきた十二使徒が動き出す。

 それぞれが剣や槍を携えUFOを撃墜していく。

 

「ひゃ~、あいつらあんなに強かったのかよ」

「みたいだな。ここは彼らに任せて…!、前からまた来た!」

 

 十二使徒が相手しているUFOとは別に、超巨大UFOから追加でUFOが出撃してきた。

 

『撃墜します。対飛行物体用レーザー、発射!』

「こっちも行くぜ、マジックミサイル・ver1!」

 

 レティクルクイーンと鍛冶屋智加古がレーザーとミサイルを発射しUFOを撃墜する。

 

「このまま突っ切るぞ、ブルームタックル!」

『スターローリング!』

 

 一機と一艇は速度を上げUFOを体当たりで粉砕しながら突き進む。

 そして超巨大UFOが目の前まで迫ってきた。

 

「衝撃に備えろ! 鉄火槌!」

『行きます! スターブレイク!』

 

 衝突の瞬間に運動エネルギーの乗った魔法を発動することで超巨大UFOの外壁を破壊、その勢いのまま内部への侵入に成功した。

 

「よっと、侵入成功だ!」

「ありがとう智加古、それじゃあ私はUFOの中央部へ行く、そこにダークマーラがいるはずだ」

「が、頑張ってくださ…誰か来ます!」

 

 レティクルクイーンがそう言うと近くにあった扉が開き中から人影が出てくる。

 その見た目は人間とは言い難く、SF物に出てくるザ・宇宙人と言った風貌だ。

 それも一人や二人ではなく目視範囲だけで数十人、後ろに更に控えている。

 

『侵入者発見!』

『排除スル!』

「マズい、シールド展開!」

 

 宇宙人が手に持っていたレーザー銃を発射してくるが、レティクルクイーンが直前に設置式シールドを展開したため一端事なきを得る。

 

「ッ、フューチャー、ここは私たちが引き受ける! 中央に急げ!」

「!、でもそれだと─」

「心配しないでください、腐っても七曜の円卓の魔法少女のパーティメンバーですよ。それに私たちだけじゃない、こんなこともあろうかとメンバーからこれを渡されてます」

 

 レティクルクイーンが懐から取り出したのは魔法陣と発煙筒のイラストが描かれた一枚のカードだ。

 

「【SOS 救難信号魔法陣】、効果は簡単に言えば仲間を二人召喚できます。そして召喚するのは【戦略盤 サード・ボード・P】【切札への布石 ドローエフェクト】! 二人とも、出番だよ!」

 

 レティクルクイーンがカードを掲げると空中に二つの魔法陣が描かれ、それぞれの魔法陣から服の色だけが違う瓜二つの魔法少女が現れる。

 

「やっと? 待ちくたびれたよ」

「そんなこと言わないのお姉ちゃん」

 

 二人はクロニクル・ゲーマーズ所属、双子の姉サード・ボード・P、双子の妹ドローエフェクトだ。

 

「二人とも、急に呼び出してごめんね」

「そんなことないよクイーン。目の前の宇宙人を何とかすればいいの?」

「うん、数には数で対抗した方がいいし…」

「そういうことね。ならちゃっちゃとやっちゃおう。トランプ兵!」

「行っくよ~将棋兵、チェス兵。それじゃあ─」

 

 

 

   「「GO!!」」

 

 

 

 その合図とともに大量の将棋兵、チェス兵、トランプ兵が宇宙人と戦闘を開始しる。

 

「そういうことだから、ここは任せてもらって大丈夫」

「とっととダークマーラブッ倒して、みんなで美味いもん食い行こうぜ! せっかくのハロウィン何だしな!」

「…わかった、ここは任せる」

 

 そうしてグレートフューチャーはこの場を任せ超巨大UFOの中央部を目指して移動する。

 道中にも宇宙人はいたが殴り倒し、障害物の壁は破壊しながら突き進む。

 

「ここか、ウラヌスドロップシュート!」

 

 そしてついに中央部の扉に到達し、パーティホールの扉にやったように蹴破って突入した。

 

「ほう、もうたどり着いたか」

「ダークマーラ…、もはや人の形を捨てたか」

 

 部屋内部にいたダークマーラの姿は変わり果てていた。

 上半身は数倍に膨れ上がり、下半身に至っては足が消滅し超巨大UFOと一体化している。

 

「だがもう遅い、今の俺は数万人分の想像力を手に入れた! この力で今度こそお前をぶっ殺す! そうしたら世界はナイトメアグループの物だ!」

「そんなことはさせない! お前が振りまく悪夢は私が止める! それがみんなの憧れる、魔法少女(ヒーロー)の役目だ!」

 

 

 

 

 

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