死にたくないので自分達だけの第三勢力作りました。 作:鬼獣八紅
民守祈視点です。
「…そうですか。お二人は勝ったのですね」
インカムからオロチさんと裂さんの戦勝方向が伝えられます。
ですが、その後直ぐに魔法少女と戦闘を開始したそうです。
それに
何も無ければ良いのですが…。
「戦闘中に考え事とは関心しませんね!」
「それくらい余裕があると言うことです」
心配するのは後にしましょう。
今はバルバラ・B・イノセンティとの戦闘中です。
「今度はコチラから行きます」
一気にバルバラ・B・イノセンティと距離を詰める。
先程はバリア越しに私を掴んだのでボックスプリズンに閉じ込められました。
ならば、掴まれる前にバリアで押し返せば良いだけです。
「
「ファイアフィスト!」
くっ、やはり四属性魔法は所有していますか。
ダメージこそ無いですが、視界が遮られるため面倒事な事にはかわりありません。
「
「ウッドチップマシンガン!」
「サモンマーキングバレット!」
召さんの魔法を確保されればボックス魔法からの脱出手段を失い、アルさんのを確保されれば無法レベルの質量攻撃がこちらに向きます。
そのため二人には後衛に回ってもらいました。
召さんはアサルトライフルで、アルさんはウッドチップで攻撃を行います。
これらは二人の身体判定ではないのでボックス魔法の適応範囲外なので、仮に掴まれても問題ありません。
「当たりませんよそんな攻撃、アンブレイカブル!」
しかし、二人の攻撃は皮膚が硬くなったバルバラにより防がれます。
「この程度─」
「「逃がさない!!」」
ですが、問題ありません。
アルさんの放ったウッドチップから成長した樹木が足を絡めとり、召さんの放った弾丸からは大量の瓦礫が召喚されバルバラを圧し潰します。
「な?! 樹木はともかくなぜ瓦礫が? 召喚地点は召喚者の周辺のみのはず」
「私の新しい武器、アサルトライフル、
召さんの新武器、怪造式アサルトライフル・蘇誓。
レイヴンさんの武器である
発射された弾丸の着弾地点から魔法を発動できる機構も搭載されており、これでかなり戦略の幅が広がりました。
「この…邪魔なんですよ!」
バルバラが瓦礫と樹木を退かそうとしていますが、ほぼ無制限に障害物が出てくるのでなかなか動けないでしょう。
ですので、狙うなら今です。
確か魔法を跳ね返すリフレクトと身体を固くするアンブレイカブルの同時使用は不可。
その弱点が攻略の鍵となります。
「
魔法を発動させ距離を詰める。
狙うは心臓、一撃で決めます。
「っ、やはり来ますか。アンブレイカブル!」
「無駄です!」
ですが、この魔法は二段構え。
バリアの剣に纏った光は防げません!
「なっ?!」
「貫け!」
やはり魔法と物理の同時攻撃は防げませんでしたか。
ですが、この戦いはこれで終わ─
「?、おかしいですね」
出血が起こりません。
確かに光の熱によって多少は止血されますが、流石に心臓の圧力には負けるはず。
「と言うことはまさか─」
「よくもやってくれましたね」
「っ、やはり死んでませんでしたか!」
バリアを押し出し距離を取る。
しっかりと心臓を狙ったはず。
なのに出血しないとなると、狙いが外れたか、直前に別の魔法に切り替えたか…。
どちらにせよ、攻撃が通用することは確認できました。
「召さん! アルさん! もう一度!」
「了解!」
「もうやってる!」
ならば、同じ攻撃を聞かなくなるか殺しきるまで続ければいい。
先ほどは咄嗟に離れてしまいましたが、掴まれないよう注意すれば何度も攻撃できます。
「っ、このままではマズいですね」
このままでは?
…まさか!
「一時引きますか」
「皆さんに連絡! バルバラが逃走しだしました!」
バルバラが拘束を振りほどき機械の多脚を高速で動かし離れていく。
手負いの敵は早めに倒さないと面倒です。
逃がす訳にはいきません。
「ライズさんとブラッドさんは上空からバルバラを追ってください! 反射される可能性があるので足止めはしても直接攻撃はしないように!
二人を
バルバラは多脚なのもあって地形を無視しています。
それにかなり速い。
加速系の魔法を使っていますね。
それに多脚の分あちらの方が旋回性能は上です。
一応
今でもかなりギリギリで、何とか追いかけるので精一杯です。
『おい民守さん! この先ヤバいぞ!』
「ブラッドさん? この先ヤバいとは?」
『バルバラが向かってんの、この町の住民約五千人が避難してる場所だ!』
「!?、それは本当ですか?!」
『マジだって! 今はライズとロックが先行して簡易防衛拠点を作ってるけど、いつ避難所の中にいる魔法少女に攻撃されるか分かったもんじゃない!』
「っ、面倒なことを」
恐らくバルバラの狙いは新たな魔法を得ることでしょう。
多少の魔法少女はいるでしょうが、大半は魔法を発現させていない一般人。言うなればバイキング状態です。
いくら固有魔法持ちは少ないとはいえ、五千人もいれば誰かしら私の魔法に対抗できる魔法があるかもしれません。
「茜さん聞こえますか?」
『問題ありません民守様。何かありましたか?』
「バルバラが避難所へ向け進行中です。至急、バルバラの足止めを! 敵の排除は後回しで構いません!」
『了解!』
恐らくボックス魔法の発動条件は収納する対象に触れること。
茜さんの炎翼魔法は高温なため触れられるこはありません。
その上無視できない威力のため足止めにも最適です。
「っ、しつこいですね!」
「な?! 煙幕!?」
バルバラが下半身の金属部から煙幕を放出する。
この煙幕、バルバラの速度が落ちていないことを鑑みるに魔法によるものではありません。
「民守さんこれは…」
「えぇ、恐らくバルバラはサイボーグです」
ライズさんの鑑定魔法で魔法の同時使用は不可と分かっている。
それにバルバラは生物の改造にも長けています。
効果が永続するタイプの魔法による改造の可能性もありますが、どちらにせよサイボーグでしょう。
ですが好都合。
大抵の機械は灰崎さん曰く鉄でできているそうです。
そして鉄ならば、茜さんの炎で溶かせます。
「
「!、もうあんな所に、ナイスですアルさん!」
アルさんが指さした方向に巨大は火柱が上がる。
やはり煙幕で姿を眩ました間にかなりの距離移動してましたね。
予め茜さんに足止めを頼んでおいて正解でした。
方向的には進行方向です、急ぎましょう。
「ここを曲がったところです、茜さん無事ですか!?」
「何とか…ですが少々きついです」
「くっ…まだこんな面倒なのがいたとは」
曲がった先では茜さんとバルバラがぶつかり合っている。
やはり耐熱系も持っていましたか。
ですが、茜さんの魔法は本人の熟練度により極まっている。
私たちも近づけませんが、着実にダメージを与えています。
「茜さんはそのままバルバラを加熱し続けてください! 私たちは援護射撃です、
「
光のレーザーと弾幕がバルバラを襲う。
「っ、小癪な」
「三人とも頑張れ~!」
「アルさんは避難所へ向かってください。防衛戦力は大いに越したことはありません」
「わかった!」
アルさんは炎と熱に弱いのでここにいても何もできません。
それなら別行動させた方がいいです。
それに、このまま行けばバルバラを押しきれます。
「皆さん、もう一息です!」
既にバルバラの六本ある足の半分は壊れている。
もう少しでバルバラを倒せ─
「─スーイサイド・ボミング」
「なっ?!」
突如、バルバラを中心に巨大な爆発が起こる。
「民守さん無事?!」
「私は何とか。ですが茜さんが!」
私はバリアで、召さんは透過で無事ですが、位置的に茜さんに直撃しました。
あの威力の爆発では流石の茜さんでも耐えられません。
「茜さん無事ですか?!」
「…ごふ、すいません…民守様…」
茜さんはそう言い残し転送装置で強制的に帰還させられる。
やはり、耐えられませんでしたか。
「っ、完全に私のミスです。まさか自爆するなんて…」
「いえ、民守さんのミスではありません。あんな隠し玉誰もわかりませんよ」
「…ありがとうございます。ですが、これでバルバラは─」
「私が死ぬとでも?」
「…え? なぜ…」
煙の向こうからバルバラが近づいてくる。
しかし、先ほどの攻防で心臓に空いた穴は塞がっており、足も再生しています。
「初めて自爆しましたが、もうやりたくはありませんね」
「…なぜ、先ほどはその再生を使用しなかったのですが?」
「それは先ほどこの能力を獲得したからです。この先の避難所は総合体育館の様な感じでしてね。全ての扉をハッキングで閉じさせてもらいました」
「っ、やられた」
バルバラの魔法である搾取魔法は物理でも契約でも、自身の支配下に置いた対象の魔法を使用する。
そこで、バルバラは避難所の鍵をロックすることで”物理的に支配下に置く”という条件をクリアしました。
そのため、今現在バルバラが使用できる魔法は五千種を超えています。
「ライズさん、ロックさん、アルさん。避難所の住民がバルバラにより閉じ込められました。急いで突入し扉をこじ開けてください。この際魔法少女は自己防衛の範囲で殺しても構いません」
「無駄ですよ。新たに手に入れた能力を総動員して閉じ込めましたので」
「やらないよりはマシですよ。
再度
ですが先ほどよりバルバラの動きがいい。
身体機能が上がったのもそうですが、攻撃を見てから避けています。
「召さん!」
「サモンマーキングバレット!」
避けられるなら、それ以上の物量で押し切る。
「押し潰れなさい!」
「無駄です。アンブレイカブル、マグネット」
「なっ?! 能力の同時使用!?」
こちらに飛ばされてきた金属を防ぐ。
確かライズさんの鑑定では魔法の複数同時使用は不可能だったはず。
だとすれば避難所の中に魔法の制約を取っ払える魔法持ちが居た?
ですが、五千種という魔法の全てを把握はできていないはず。
バルバラが私に有効な魔法を把握する前に倒せばいいだけです。
「召さん! バルバラの磁力による反射は気にせず攻撃し続けてください!」
「それなら初めから弾丸で攻撃します。百火繚乱!」
召さんの弾幕がバルバラを襲いますが、さほど聞いていません。
ですが、気が散るため足止めにはなります。
その場にとどまってさえくれていれば、確実にあの技を当てられる。
「うっとおしいですね。ファイア─」
「バリアプレス!」
「っ、無駄な抵抗を」
「無駄ではありません!」
バルバラの上にバリアを生成し落とす。
直前に気付かれ腕で押し返そうとしていますが、これでいい。
いくら固くなろうとも、圧力には耐えられません。
「な、何ですかこの力?!」
「今出せる最高出力です! このまま圧し潰れなさい!」
「ならば直接狙うまで、ストーンバレット!」
バルバラがこちらへ向け石を飛ばしてくる。
確かに今の私は無防備です。
「
ですが、その攻撃は召さんが防ぎます。
「っ、防ぎますか」
「本当…どれだけ耐えるのですか…」
これだけ圧力をかけて潰されないとなると、恐らく身体強化系の魔法を使用していますね。
恐らくかなり無茶していますが、私の気力も限界が近い。
それに、バルバラには再生系魔法があります。
「くっ、このままでは…先に私の方の魔力が切れ─」
『全体緊急連絡! 先ほど連絡した高速接近物体がニューヨークへ侵入! 即座に警戒態勢を取って!』
「!?、召さん急いで守りを─」
「グラビティ・パトリー!」
「グハッ?!」
「ッ、何ですか!?」
「民守さん!? 一体何が?!」
通波さんからの通信が届いた直後、辺りの重力が強まり地面に叩きつけられる。
バルバラは元から使っていた身体強化で耐え、召さんはファントムであるが故重力の影響を受けていませんが、今の攻撃でバリアが解除されました。
「フレア・ガベル!」
すかさず、先ほどまでいなかった黒髪の人物が燃える大槌をバルバラに叩きつける。
「誰です!? アンブレイカブル、リフレクト!」
「忘れたとは言わせにぞ、バルバラ・B・イノセンティ!」
何か言い争っていいますが、そんなことは後。
今はこの重力エリアから脱出しなければ。
「
しかし、この重力エリアは一体だれが?
「あれ? フルパワーだったんだけどな? 何で立ってられるの?」
「…あなたがこの重力エリアを生成した張本人ですか?」
上空からピンクから紫にグラデーションしている長髪の魔法少女が降りてくる。
この魔法少女は強い、強者の覇気の様な物を感じます。
こんな魔法少女がニューヨークにいるのなら先行部隊からの報告があるはずですが、何もありませんでした。
「そうだよ。私はセインティ、ヨーロッパの魔法少女だよ、民守さん」
「!、私を知っているのですか?」
「だって去年、アレイオス孤児院前で私の知り合いと戦ったじゃん。忘れちゃったの?」
「…あの中にいた方の関係者ですか」
確かに去年、アレイオス孤児院前で魔法少女相手にゲノムプラスの性能試験の為に戦闘を行いました。
あの中にセインティさんの関係者がいるのなら、確かに名前を知っていることの説明は付きます。
「本当はバルバラだけを狙いに来たんだけど、まさかここでみんなの時の仇に合えるとはね。バルバラは恨みを持ってるトライアスに任せるとして、私はあなたを相手にしよう」
「っ、面倒になりましたね」
バルバラの大量魔法獲得、ヨーロッパからの乱入者、どれもこれもタイミングが悪い。
バルバラという共通の敵はいますが、相手がこちらにも恨みがあるとなると共闘も難しいです。
敵のボスを全て倒すと言う最終目標も終わってないので、撤退も出来ません。
「それじゃあ、あなたが再起不能にした子のためにも、ここで死んで」