死にたくないので自分達だけの第三勢力作りました。 作:鬼獣八紅
レイヴン視点です。
「あいにく、行かせるわけにはいかないんだよ」
だけど報告聞いた感じアレはしゃあない。
ヨーロッパ勢のことなんて作戦に入れてなかったし、何よりガレンゲージの銃だ。
先行していた調査組でも調べられなかったガチの初見殺し。
それに加速の乗った弾丸、
テレポートが発動できれば躱せるが、認識する前に攻撃されたら回避なんてできっこない。
その上必中効果だ。テレポートと合わさったらマジでどんな挙動するかわからん。
「っ、このタイミングでか。…アリアスイート、腕は大丈夫か?」
「一応キャンディで止血しました。ただ先ほどまでの動きが出来るかと聞かれると、何とも」
「そうか。…その場から動くな。一歩でも動いたら撃つぞ」
ガレンゲージが俺に向け愛銃を構える。
先ほども言ったが、加速が乗りまくった弾丸を撃たれると回避できるか分からない。
「…わかった。お望み通り一歩も動かないでやるよッ!」
「!?」
なら、常に先手を打ち続けれがいいだけだ。
テレポートでガレンゲージの背後を取る。
このまま
「そこ」
「な!? 」
銃口だけ咄嗟に背後へ向けて─
「あぶねッ!」
間一髪テレポートで弾丸を避ける。
こいつ、テレポート先の僅かな空気の揺れで俺の位置を感知しやがった。
いや待て。耳がいいとは報告で聞いてたが、まさか、空気の揺れじゃなくテレポートの際に僅かに発生する音で探知したのか?
「っ、面倒だなマジで」
さっきはアリアスイートが何か回復させようとしてたから咄嗟に腕を切り飛ばしたが、アレ完全に判断ミスったな。
恐らく手が届く範囲に近づけんのがさっきのでラストチャンス。
今後背後取りでもしたら予測で攻撃されかねん。
「アリアスイート、お前はひたすら高速で移動し続けろ。奴に狙いを絞らせるな」
「確かにそうですね。キャンディウィング、コーラエンジン・ブースター!」
っ。あいつ、ひょっとして俺と似た系統の奴と戦ったことあるのか? 触れたら一発アウト系の。
高速で動かれたら俺は触れられない。
いや正確にはテレポート使えば追いついて触れれられるが、触れた瞬間に運動エネルギーを諸に受けて腕が消し飛ぶ。
「クソッ、先にガレンゲージを落とす!」
「やってみろ。【アクセレレーション】─」
「!、ヤバッ─」
「─【シュア・ヒット】…シックスバレット!」
「─テレポート!」
ガレンゲージが弾丸を撃つ直前にテレポートで視界から外れる。
何か思ったより発射前に避けられるな。
【アクセラレーション】を言っている間にテレポートすれば思ったより簡単に躱せた。
だけど問題はこの後、必中効果がどうなってるかだが…。
「やっぱ振り切れないか」
テレポート先の俺目掛け弾丸が曲がる。
標的を見失っても追尾するみたいだ。
「減速はしてるみたいだが、飛んで振り切るのは無理そ─「キャンディバード!」─アブネッ! あっち行ってろや!
攻撃してきたアリアスイートの進行方向へ弾丸を転送する。
だが、アリアスイートは身体をキャンディで覆うことで防ぐ。
「ちっ、硬すぎんだろ」
居合を放つ際の
「っ、弾丸もめんどくせぇ!」
それに、ガレンゲージの追撃もある。
この両方の攻撃を捌き切るのは流石にキツイしいつか限界が来ちまう。
一個一個着実に処理していくしかない。
「まずは追尾弾からだ!
弾丸と立て続けに追尾弾の前に転送し破壊する。
予想通り、追尾性能を込めた対象が破壊されれば効果が切れるみたいだな。破片が追尾してくる気配ないし。
「…っ、追尾から逃れたか」
「よし次!」
背後に異空間倉庫の入口を展開する。
入口の数は百とちょっと。
その全てから覗かせるのは、これまでため込んだ銃火器だ。
「なっ、まさか!」
「全門開放・
異空間倉庫から出した全銃の引き金を引く。
「一気に磨り潰してやる!」
怪造式のアイテムや変身アイテムでないナイフや現代兵器は、魔法少女をはじめとした魔力で身体強化している者に対して効果は薄い。
だが、薄いだけだ。
ミサイルなどの高火力兵器は普通に効くし、弾丸も一発一発は効果が無くても何十、何百、何千と弾丸を撃ち続ければ無視できないダメージになる。
「くっ、【ストップ】!」
「ガレンゲージさん大丈夫ですか?!」
「何とかなっ」
ちっ、やっぱガレンゲージには止められるか。それに空中で止まった弾丸が盾になって次の弾丸を受け止めてる。
アリアスイートもキャンディで防いでてさほど効いてない。
…だが、これで先に狙う方はわかった。
「堕ちやがれ!」
百と少しある銃口の半分をアリアスイートへ向ける。
アリアスイートの翼はキャンディの関係上熱に弱い。
そして
キャンディを溶かすには十分だ。
「!、翼が?!」
アリアスイートの翼に罅が入る。
だが破壊にはいたらない。
もっとだ、もっと打ち込む。
《パリンッ》
「な?!」
「アリアスイート!」
「よっしゃ割れた!」
アリアスイートのキャンディの翼が砕ける。
これであいつはもう飛行できない。
翼の再展開もさせないよう弾丸を撃ち続ける。
「ビスケットシールド!」
「ちっ、やっぱ防ぐか」
まあ翼とアリアスイート本体を覆うキャンディを壊しただけで別にあいつの防御手段が無くなったわけじゃないしな。
だが、このまま行けば地面に激突する。
いくら地面が餅になってたとしてもあの高さから落ちればただでは済まない。
受け身だってこの弾幕の中取れないだろ。
「さあ選べガレンゲージ! そのまま己が身を守るか、アリアスイートを魔法で助けるかをな!」
「…答えは、両方だ!」
「両方って…おいまさ─」
「【ストップ】!」
あいつ、拡声器ありとはいえ
俺自身は…動けないがテレポートくらいは発動できそうだ。ライズに魔力防御習ってて正解だった。習いたてで完全な防御とは行かないし燃費も終わり散らかしてるが、完全に動けなくなるよりはいい。
それより何であの怪我で大声が出せる?
腹と肺に穴空いてんだぞ。
現に今も傷口から大量に出血してるし。
「【アクセレレーション】【シュア・ヒット】シックスバレット!」
(ッ、テレポート!)
放たれた弾丸をテレポートで躱す。
だが、今追尾弾を放たれたのはマズい。
銃火器が完全にロックされているため破壊手段が無く、何よりガレンゲージが完全フリーになっちまう。
「ゴハッ…まだだ、【アクセラレーション】!」
(なっ?! 自分を加速させただと!?)
そんなことしたら確実に死ぬぞ!
目的はアリアスイートの学科衝撃軽減か? いやだとしてもわざわざ加速してまで急ぐ理由が無い。
…まさか!
「…時間切れだ」
「怪我によるロック時間減少か!」
止まっていた全てが動き出す。
ガレンゲージが止めた段階で
魔法少女はその弾丸に任せるとして、俺は追尾弾を処理しないと。
「
弾丸を放ち追尾弾を破壊する。
ガレンゲージの方は…。
「はぁ…はぁ…」
「何とか…間に合ったな」
アリアスイートをギリギリ受け止めたか。
まああれだけ速度を出せば当然間に合う─
「マズいっ、ガレンゲージさんこれを!」
「がっ?!」
なっ、マズい!
さっきの反省からか、アリアスイートがガレンゲージの無事を確認する前に口にソーダを突っ込んでる!
だが、今が最大の隙だ!
「テレポート!」
ガレンゲージはアリアスイートを受け止めた衝撃で両腕を骨折している。
反撃は来ない、確実に仕留める!
「!、【トランスポート】!」
「
ガレンゲージの頭を右手で触れ消し飛ばす。
だが、同時に狙ったはずのアリアスイートに触れた感覚が無い。
頭を切断する直前にガレンゲージが呟いた言葉、聞き取れなかったがあれでどこかに飛ばしたな。
だがまあ、厄介な方の魔法少女を殺せたから良しとし─
「─よくもやってくれたな」
「…は? 何で生きてやがる?!」
倒れていたガレンゲージが起き上る。
さっき確かに頭切断したよな? 頭はちゃんと異空間倉庫に入ってるし。
それに頭以外の怪我も治ってやがる。
「お前、どうやって回復した?」
「アリアスイートが飲ませてくれたソーダのおかげだっ、【アクセレレーション】【シュア・ヒット】シックスバレット!」
「っ、
なるほどそういう事か。
恐らく頭を切断した段階ではソーダが胃に届いたいなかった。
そして切断された後でソーダの効果が発動し回復した、と。
要はゲームの自己蘇生と似たような原理か。
「やはり防ぐか。ならば! 【アクセレレーション】【シュア・ヒット】インフィニティバレット!」
「
クソッ、このままじゃ互いに銃を撃ちあっての千日手だ。
しかも相手はまだ魔法を使っていないし口はフリー、いつまた止められるか分かったもんじゃない。
だから…近づいて一気に仕留める!
「八咫烏!」
「テレポート!」
「!、そこだ!」
ガレンゲージ背後目掛け発砲する。
しかし残念、そう何度も背後へテレポートするか。
今回テレポートした先は、ガレンゲージの頭上だ。
「
「上か!」
「っ、躱すか!」
やっぱガレンゲージの反射神経ヤバいな。
咄嗟に体を捩ることで躱しやった。
「この距離なら避けられないだろ、【アクセレレーション】!」
「テレポート!」
何とか回避に間に合った。
だが、このまま攻撃がやむとは思えない。
先に攻める。
「口寄せ・鏡!」
「【シュア・ヒット】!」
八咫烏で弾丸を弾く。
テレポートで回避してもまたさっきみたいな千日手。
次で確実に決める!
「死ね!
「そっちがな! 【アクセラレーション】!」
八咫烏で首を切る前に弾丸が俺の頭を貫く。
…作戦通りだ。
「…は?」
「強かったぞ、お前。もう聞こえないだろうけど」
俺の頭にできた銃跡がガレンゲージの頭へ移動しそのまま命の灯を消す。
空間魔法からこと戦いで一回も使用していなかった外傷転移魔法へ変える技を刀を振るいながら使ったのが良かった。おかげでただの攻撃技と勘違いしてくれたからな。
ま、そもそも相手は俺の魔法知らなかったみたいだし警戒しろってのが無理な話だ。
「…さて、お前の魔法を貰うぞ」
ガレンゲージの遺体に黙祷を捧げ、小指を切断する。
そしてペストマスクを外し、飲み込む。
「うっ…、やっぱ直に人肉を食うのは慣れないな。魔法は…言霊魔法か、予想通りだな」
この魔法はいい、直接的な攻撃力は低いがサポート性能がバカ高い。
ともかく、これでセントラルパークの戦いは終了だ。次の戦場へ向かおう。
しかし…アリアスイートはどこへ行った?