死にたくないので自分達だけの第三勢力作りました。 作:鬼獣八紅
『─
「─さて、こちらの状況わぁぁ
民守の野郎、空中にいたなら始めに言えよ!
咄嗟に空中蹴ったから良かったが、マジで落下する一歩手前だったぞ!
「はぁ、まあ文句言っても仕方ねぇ。敵は…目の前のこいつらか」
「ぐ…ごはっ」
「はぁ…はぁ…、何とか防ぎきれましたね」
土煙から出てきたのは黒髪の魔法少女と下半身が機械の女性、あの二人がトライアスとバルバラだな。
トライアスは脇腹の負傷、バルバラが六本ある金属の足の内左前脚の破損か。
民守の話ではエリアロックを掛けたのち空中から光線を撃ちまくったらしいが、あいつらかなり防いだっぽいな。もっとダメージ受けてると思ってた。
だが、攻撃が終わって油断しているのはいただけないな。
「ここは戦場、ましてやレイヴンの空間魔法の情報を仕入れているのなら、敵が全くの別人になっていることも考慮しないとな」
二人はまだ俺の存在に気付いていない。
狙うはバルバラ、あいつの魔法は厄介だ。
バルバラのペースにさせないためにも、この奇襲で俺の流れに持っていく。
「
魔力で全身を強化し、空中を蹴る。
「こんな舐めた真似した
「必ず、何だって?」
「な!? お前は
「
問題はここからだ。
戦闘ログを確認した所バルバラは再生魔法を所有しているとのこと。だが、どこを起点に再生するのかの記録は無い。
今回の場合、頭部から再生するのか、胴から再生するのか、はたまたこのまま死亡するのか不明だ。
どこから再生するかでこの後の対処が変わるし攻められねぇ。
「おまえ…は…?」
「何だ、腹貫かれてる割には案外大丈夫そうだなトライアス。俺は鬼頭白夜、民守の仲間だ。で、聞いたところお前は復讐者らしいな。お前の腹を貫いた奴の仲間が聞くのもどうかと思うが、まだ戦うか?」
「当たり…前だ!」
「お、まだ立てるか」
トライアスが気合で立ち上がる。
やっぱ復讐者の気合はすごいな、どんなにボロボロになろうが憎悪の意思が消えやしねぇ。
だが、そういう奴は嫌いじゃない。
「私は…あいつらの為にも絶対にバルバラを殺す!」
「へぇ…。なら気を付けろ、あいつ復活するぞ」
「このクソ鬼が!」
なるほど頭部を起点に再生するのか。だとしたら頭部から近い順に再生するとみてよさそうだな。
ついでに機械の足も無くなった。まぁ、どういう性能だったかは知らんが生身の方が対処しやすいからどうでもいい。
「この私をよくも─」
「虚仮にしてくれたってか?!」
「ごはっ!?」
バルバラの言葉を遮り腹を殴る。
こういう小細工を得意とする相手の対処は一つ、とにかく攻め続け何もさせないことだ!
「鬼の礫!」
「アンブレイカブル!」
ちっ、防がれた。
アレが戦闘ログにあったアンブレイカブルか。
だが、見た限り肌が外骨格の様に硬くなっているだけっぽいな。
それならいくらでもやりようがある。
「
「馬鹿なのですか? 今の私に物理攻撃は効きませんよ」
「だろうな。だが、いつまでも発動し続けられる訳じゃねぇよな?!」
「?!」
この手の強化系は発動し続ける限り魔力を消費する。
そもそも、硬いだけなら殴り続ければいつかは壊れるもんだ。
《ピキッ》
「なっ?!」
「やっぱ割れるよなぁ!」
「っ、スライド!」
「おっと…、そんなこともできんのか」
バルバラが滑るように後退する。
技名からして物体を動かす魔法か。確かに撤退するには便利だな。
だが、それで逃げられたと思うなよ。
「トライアス!」
「ギガント・ガベル!」
背後に回り込んでいたトライアスが大槌を振り下ろす。
…てかこの軌道俺にも当たらねぇか?
「あぶねっ!」
トライアスめ、俺事潰す気だっただろ。
まあ一応敵だから文句は無いが。
バルバラの方は…どこ行った?
気配からして遠くには行ってないはずだが姿が見えねぇ。
「ちっ、躱したか」
「おいそれどっちに向かって言った?」
「無論、両方にだ」
「おいてめぇ」
「別に敵ならいいだろ」
「いやそりゃそうだが…」
「なら文句言うな」
「…それよりバルバラはどこ行った?」
「おい、話を逸らす─《ドゴンッ!》─っ、どこだ?!」
「下だ避けろ!」
その場から飛び退いた直後、地面から光線が立ち上る。
バルバラめ、地下に潜りやがったな。
「っ、面倒な事を」
「俺に任せろ!」
このまま地中に潜られたら何されるか分かったもんじゃない。
だが、地中対策はバッチリ何だよ。
「磐石崩し!」
地面に手を当て粒子間の摩擦を減少させる。
これから起こるのは液状化現象。
液化してしまえば波が立つ。
当然、場所が分かるってもんだ。
「…そこだ!」
波が立った場所に
「ぐっ…」
「よしヒット!」
やっぱ地中に居やがった。
使った魔法は掘削魔法ってとこか。
「トライアス! 気絶させろ!」
「インパクト・ガベル!」
「がっ!」
背後から接近したトライアスがバルバラの頭部は殴る。
ほんと、再生系魔法使用者は下手に怪我させられねぇから面倒だ。
だが、対策していないか魂を知覚していなければ脳震盪なり起こせば倒せる。
これで倒れてくれればいいが…。
「スーイサイド・ボミング!」
「!?、
あの野郎、気絶する直前に自爆して強制的に再生魔法を発動させやがった!
俺は咄嗟に皮膚を固めたが、トライアスは直撃したよな。だとしたら多分死んだな、他の所有魔法で防いだかどうかわからないから断定はしないが。
それよりバルバラだ、あれだけの自爆を行ったとする再生にはかなり時間がが掛かるはず。
再生しきる前に叩く!
「
自爆によって生じた煙を吹き飛ばしながら突き進む。
「いた!」
まだバルバラは上半身しか再生できていない。
こんなチャンスは滅多に来ない、今確実に殺す。
「なっ?! ちょっと待─」
「
バルバラの言葉を遮り曇天・幽を叩きつけ、頭部がザクロの様に飛び散る。
ひとまず脳は潰したが、問題はここから再生するかどうかだな。
オウルやキャットガールレベルの再生持ちはここからでも再生してくるから油断できない。
「…ん? ちょっと待て、このバルバラじゃなくないか?」
飛び散った頭部を見ると脳に当たる肉塊が無い。
あるのは血液と赤身だけだ。
「…今殴ったのはダミーか! クソッやられた、これじゃ再生の時間を─《ゴゴゴ…》─また下か! 金剛悪鬼・奈落!」
「ルートチェンジ!」
「はぁ?!」
こいつ、俺の攻撃の軌道を逸らしやがった。
今回逸らされたのは本当にマズい、何かが地中からせり上がってくる。
いやせり上がってるのがバルバラだってのは分かるが、音的にさっきまでのバルバラとサイズが合わない。
多分だが巨大化してる!
「ここ場所じゃ多分巻き込まれる。一旦離れ─《シュン!》─アブね!」
今のは鉄の触手か。
それも一本だけじゃねぇ、何十本と地面から生えてやがる。
俺一人じゃさばききれないぞ。
「…さっきは良くもやってくれましたね」
「!、そこか!」
「ですが、ここからはずっと私のターンです」
「…おいおいマジか」
地面からせり上がってきたバルバラは、上半身こそ変わっていないが下半身が機械化している。
てか完全に下半身の見た目クトゥルフじゃねぇかこれ。
サイズに至ってはそこらへんのビルより高いぞ。
「全魔開法・ギガントマキア!」
「ヤベッ!」
金属の触手から放たれたレーザーを躱す。
だが数がヤバい、一応捌けてるがそのうち逃げ場が無くなる。
「鬼の礫…は効かないよな、サイズが違いすぎる。近づかないとまともにダメージ与えられそうにないな」
ビルと触手を足場にバルバラを登っていく。
その間に
「っ、ちょこまかと。サイコキネシス!」
「!?、鬼脚!」
危険を感じ咄嗟にその場から飛び退く。
直後、背後にあった建物がねじ切れる。
「危なすぎんだろ今の」
多分だがアレって防御無視だよな。いや肉体強度を高めれば防げるのか?
何にせよサイコキネシスって名前から念力系、捕まったらその間にレーザーで貫かれて終わりだ。
早く近づかないと流石にマズい。
「鬼の礫!」
「無駄です」
飛ばした瓦礫が触手に薙ぎ払われる。
今の攻撃の目的は目くらまし、一瞬でも俺から意識が逸れればそれでいい。
「…?、あの鬼はどこへ?」
(上だよバ~カ)
機械の触手や瓦礫でバルバラの視界が塞がっている間に上空へと移動する。
このチャンスを無駄にはしない、倒せないにしろ大ダメージは与えてやる。
「怪力乱神、鬼縛りの鎖!」
魔力で身体能力強化、更に空気で槌にした曇天・幽に空気の鎖を取り付け振り回す。
「…振り回す音…、上!」
「遅い!」
今、俺にできる最大威力の攻撃を叩き込む。
「打ち出の大鬼槌・惑星!」
「ポップロックス・ハウィツァー!」
「グラビティ・エレイソン!」
「
な?! 何で
まぁ、バルバラ攻撃してるってことは味方ってことでいいんだよな。
「白夜さん! アレってひょっとしなくてもバルバラですか?」
「あぁ、と言うかセインティの相手はいいのか?」
「アレだけ大きな何かがいきなり出てくれば戦闘は一旦止まりますよ」
「それもそうか。で、お前らがアリアスイートとセインティか?」
確かグラデーションのある髪の方がセインティ、キャンディの翼で飛行している方がアリアスイートだったか。
「そうですよ。初めまして
「おい今すごく物騒な副音声聞こえたぞ」
「そんなことよりクソ鬼さん、トライアス知らない? 一緒に戦ってたはずでしょ?
「隠す気すらないのか。それでトライアスか、あいつならバルバラの自爆に巻き込まれえたぞ」
「!、アリアスイート!」
「直ぐに救助します!」
アリアスイートが瓦礫の中へと降下していく。
周りの建物が数棟消し飛ぶレベルの爆発だったから良くて虫の息だろ。
ひょっとしなくてもアリアスイートは回復持ちか?
「…確認だけど、あなたがトライアスを攻撃した訳じゃないよね?」
「攻撃してないぞ、鬼神に誓ってもいい。それより来るぞ」
黒煙の向こう側で機械の巨体が起き上る。
あれだけ攻撃したってのにダメージ受けたの修復できる機械部分だけかよ。
大陸弾道ミサイルだって直撃したんだぞ。
「…あの程度で、私がやられる訳ないじゃないですか」
「その割には機械部分結構壊れてたっぽいな。材料をそこらへんから持ってきたから脆いのか?」
「…潰す」
「おいおい語彙力無くなったか?!」
金属の触手による薙ぎ払いを躱す。
「お前ら一時休戦だ! 確実にこいつを殺すぞ!」
「わかりました白夜さん」
「終わったらあなたも潰すからね!」