死にたくないので自分達だけの第三勢力作りました。 作:鬼獣八紅
「サンダー・ペセル!」
「鉄砲海流!」
「バリア・ウォール!」
サファイアとエルファウルの攻撃をバリアで受け流す。
やはり、二人には私のバリアを突破する手段は無いようですね。
酸素問題も今回は酸素ボンベがあるので問題ありません。
「ですが…」
「おいエルファウル、もう少し風速落としてくれ! 振り落とされる!」
「うるさい少し黙って!」
エルファウルの背中にしがみついているリリートック、彼女の魔法が未だ不明なのが気がかりです。
戦闘ログで確認した限り、行ったのはテレポート、自身の怪我の削除、銃による攻撃、統一性がありません。
特にテレポートには良く警戒していないと、下手をすればバリアを貫通されます。
その点サファイアは攻撃が見えるからまだ後回しでいい、優先順位が高いのは風による不可視の攻撃をしてくるエルファウルと魔法不明のリリートックの二名。
「精神を落ち着かせろエルファウル! このままじゃ千日手だ!」
「ならどうしろって言うの?!」
「…合図をしたら全員の視界を一瞬塞げ。私が隙を作る」
「っ、来ますか」
恐らく私とサファイアの隙が重なったタイミングで仕掛けてくる。
ならば、隙を見つけても近寄らせなければいい。
「
触れて発動する系の魔法は私のバリアに対して特攻になり得ます。ぱっと思いつくだけでも触れることでの魔法解除系、透過系、コントロール系などがあります。
リリートックが触れる系の何かをしてくるのかも不明ですが、少なくともこれで触れた瞬間に手が焼かれるので近づかれることは無いでしょう。
「っ、面倒な事を…。エルファウル、私の合図したと同時に最大火力の雷を落としてくれ!」
「本当に何とかするんでしょうね?!」
「あぁ」
「おいおいこっちを無視すんじゃねぇぞ! ワンハンドレッド・シーランス!」
「無視してない! ヘイルストーム!」
サファイアが打ち込んできた水の槍を躱す。
ダメージを受けないとはいえ厄介ですね、翼に当たればバランスを崩して墜落しかねません。
更にエルファウルが放つ氷の弾幕まで加わる。
ハリケーンの影響で援軍も期待できない状況ですし、本格的に飛行に支障をきたします。
「…先に潰しますか」
敵の中でまだ真っ先に潰せそうなのもサファイアですし。
簡単に落とせるとは思いませんが、エルファウルの方は現在精神が不安点。
安定させない程度に
失敗してもダメージは問題ありませんのでこれで行きましょう、失敗したらその時はその時です。
「
四方八方へ光の弾幕を張る。しかしエルファウルの方が気持ち多めです。
これで空中には三者三様の弾幕が放たれましたが、私には関係ありません。
私は誰かを狙って弾幕を張った訳ではないので思考リソースが割かれているわけではなく、何より数発は当たっても無視できます。
「真っ向からでは抜けられませんね、回り込みますか」
弾幕を無視していけないことは無いですが、速度が落ちる。
そうなれば確実に躱されます。
遠距離から攻撃しようにもこの弾幕では威力減衰が激しい。
狙うは、先ほどの様な背後からの奇襲。
ですが問題は、私の高速移動技であるバリアポールは設置面が無いと発動できない上、それ以外の高速移動手段が無いということ。
迷彩を使おうにも、弾幕の発射地点から位置を逆算されます。
「…いえ、発想を変えましょう」
真っ向から撃ったら減衰するというのなら、減衰しても仕留められる威力で撃てばいい。
チャージ時間と後隙は気合で誤魔化しましょう。
「バリアスフィア!」
「!、トルネードミキサー!」
「何かする気だな! オーシャンブラスト!」
二人から総攻撃を食らいますが、問題ありません。
維持にはかなり集中力を持っていかれますが、少なくともチャージ中は気合で持たせられます。
「チャージ開始」
更に、ダメ押しと行きましょう。
「アギトさん、聞こえますか?」
『この声は…民守さんか? 何故いきなり通信を?』
「たしかモンストルオ・サルバドル号は強力な砲撃が可能でしたよね。そちらを使用してください」
『はぁ?! この大荒れの海の上から攻撃しろと!?』
「できますか?」
『…やってやるよ! そっちもちゃんと狙うんだぞ!』
「お願いします、合図はこちらで行ないますので準備していてください。完了したら連絡をお願いします」
私の攻撃だけでは躱される、ないし防がれる可能性があります。
大技はそれだけ隙が大きいですから。
ですので、モンストルオ・サルバドル号の主砲も使用し確実にどちらかを仕留めます。
『民守さんチャージ完了した! 標的の二人も視認している! いつでも撃てるぞ!』
「了解、少々お待ちを」
今現在二人の注意を引き付けているのは私。
つまり、私が何かアクションを起こせば嫌でも警戒するはず。
「アギトさん、この後私が技名を叫びます。その十秒後にサファイアを狙って撃ち込んでください」
『了解!』
サファイアと魔法少女達を比べたら、魔法少女達の方が厄介です。
ですが、魔法少女達の中には転移持ちのリリートックがいる。
躱される可能性を考慮すると、サファイアを確実に始末した方がいい。
「…チャージ完了!」
「ちっ、間に合わなかったか!」
「トルネードミキサー!」
エルファウルが風を放ってきますが関係ありません。
この程度の風で狙いがズレるほど軟な鍛え方はしていませんよ。
「食らいなさい、
「ウィンドシフト!」
「オーシャンウォール!」
私が技名を叫ぶと同時に二人が防御技を発動する。
大技を放って押し返せても私には効かないのでその判断は正しい。
ですが、それは本当に魔法を放った場合。
「…ん?」
「何も来ない?」
そう、今の詠唱はブラフ。私は魔法を放っていません。
このブラフの目的は相手に防御技を使わせ、不発させること。
《ドゴオォォォン!!》
そして、狙い通り防御技が不発に終わった直後、事前に頼んでいたモンストルオ・サルバドル号の主砲、
これでサファイアは殺害完りょ…
「が…」
「な?! まだ生きているのですか!?」
なぜ生身で耐えているのですか?
そこは死んどいてくださいよ。
「てめぇ…よく─「フロスト・ペセル!」─」
「なっ?!」
ですが、サファイアは反撃する前にエルファウルによって首を落とされる。
「…まさか、速攻首を落としに行くとは」
「敵なんだから当たり前でしょ、コキュートス!」
「っ、いきなりですか」
続けざまに槍を振るい私に攻撃を仕掛けてくる。
ですが、サファイアが死亡した以上もう戦う理由が無いんですよね。
一度レイヴンさんに連絡取りますか。
「レイヴンさん、サファイアの死亡を確認しました。この後どうします?」
『民守さんか。こっちも津波の対処が終わったところだ。で、サファイアが死亡したって?』
「えぇ、
『そうだな…白夜の方も終わったっぽいし撤収してもいいんだが、魔法少女と遺恨を残すのもな』
「あ~確かにそうですね」
この戦いにより魔法少女の大半に被害が出ている。
仮にこのまま撤退した場合、ニューヨークの魔法少女のトップであるエルファウルの矛先が聖魔連合へ向きかねません。と言うか既に向いています。
「それなら、エルファウルの討伐をもってこの戦いの終了としませんか?」
『…それいいな。一回ぶちのめせばしばらく行動不能な上、あるかどうかは知らんが現地の魔法少女連盟的な組織に止められるだろ。ハリケーンの影響で援護はできないが、頼めるか?』
「わかりました。では通信を切りますね、そろそろエルファウルの猛攻が何かしながら捌くのがキツイ領域になってきていますので」
先ほどから降り出した雪がバリアに付着し視界が塞がれる。
このままじゃあそのうち平衡感覚が無くなって墜落します。
一度水中へ入って体制を立て直しま─
「なっ?! 海が凍っている!?」
激突する直前に降下を止める。
海そのものを凍らせ海中への撤退そのものを不可能にしましたか。
「面倒ですが、雪を拭って反撃を─」
「今だ!」
「フュルフュール・レイン!」
「!、光が?!」
雪を拭った直後に雷の光を受けたせいで目が可笑しい。
恐らくこの隙に何かアクションを起こしてくる。
目のせいで敵がどこにいるのか分からない上、下手に動くわけにはいかない。
それなら狙うはカウンター。
「バリアニードル!」
ひとまず、これで触れられることは無い。
「無駄だよ!」
「っ、これは…布?」
私の何倍もの大きさを持つ布が上から覆いかぶさる。
このサイズの布どこに隠し持っていたのですか?
ナインはともあれ、次は確実に大技が来る。
ならば、今まで同様耐えるまでです。
「来なさい!」
布の下で
「エスケープ・アーティスト・ディフェンス・パージ!」
今の声はリリートック?
と言うか何か感覚が可笑しい。
一体何をし─
「今だエルファウル!」
「フロスト・ペセル!」
今の声はエルファウル、技名的に攻撃技。
未だ布が取れず来る方向が不明。
それなら
《グサッ》
「…は?」
何故、私の腹に槍が貫通している?
「やはり、バリアをずらされたのに気づいていなかったか。布で目隠ししといて正解だったよ」
「リリー…トック、これは…」
「私の魔法、マジック魔法でバリアの鎧から脱出させた。今の一撃でもう虫の息だろ?」
なる…ほど…。
「これは…してやられましたね…」
「どうだい? 私の初見殺しは?」
「本当に…いい性格してますよ…」
マズい、体が凍って意識が…